犬のトイレは普段、室内で行なっていますか?それともお外で行っていますか?
それぞれの飼育環境でトイレをさせる場所は異なります。中には絶対に外でしかトイレをしない犬もいます。室内の決まった場所にトイレできる犬は、お留守番でも安心です。子犬の時にできなかったからと諦める必要はありません。飼い主さんが根気よく再トレーニングを行えば指示を出してトイレができるようになります。
成犬や老犬のトイレトレーニングは遅い?
犬のトイレは習慣です。
子犬時代にペットシーツで上手にできるようになった犬は、成犬や老犬になっても飼い主さんがトイレ問題で頭を悩ませることなく一緒に生活することができます。
しかし、長年自分の生活スタイルでトイレを行ってきた成犬や老犬、保護された成犬のトイレの再トレーニングは根気がいるトレーニングです。
しかし諦める必要はありません。トイレの再トレーニングを継続して行うことで、トイレを覚える可能性はあります。
時には愛犬がトイレを失敗して、家の中を汚すこともあるでしょう。自分の頑固さが強い犬でなかなか成功できなくても、愛犬がトイレできないことに飼い主さんがイライラせずに、長い目と広い心を持って再トレーニングを行うことが大切です。
犬のトイレ再トレーニング定着するまでの時間は?
子犬を飼ったらトイレトレーニングをしましょうということは、犬の多くの教本に書かれています。子犬は学習するスピードが早いので、トイレトレーニングを覚えやすいです。
しかし犬の性格が確立した成犬、老犬のトイレの再トレーニングは子犬と比較して、倍以上の相当の時間がかかると考えておいたほうがよいです。無理に犬にプレッシャーをかけると、成功率が下がるので、焦らずじっくりと時間をかけるつもりで再トレーニングを行いましょう。
【実践】犬のトイレ再トレーニング悩み別改善ポイント
それではここからはトイレの再トレーニングの際に飼い主さんの頭を悩ませる例についてご紹介していきます。
シートからはみ出す
ペットシートからはみ出してトイレをする場合、さまざまな原因が考えられます。
ペットシートのど真ん中にトイレしてくれればよいのですが、トイレの場所はあっているものの、シートからはみ出してしまう場合はやや神経質な犬のパターンが多いです。
あるいは前足だけペットシートの上に乗っていることでトイレに入っているつもりになっている犬や、わざと少しはみ出してトイレをする犬もいます。
多頭暮らしの犬では、他の犬がおしっこをしたペットシートの上に乗るのが嫌な犬、トイレをしない犬もいます。この場合はトイレの場所は間違っていないものの、ペットシートからはみ出してしまうことが多いです。
ペットシートからいつもはみ出す場合は、設置したトイレの周りにもペットシートを多めに敷いてペットシートの上にできたらたくさん褒めます。これで成功率が上がったら、トイレ周りの多めに敷いたペットシートを減らしていく方法、犬がトイレトレーからはみ出さないようにトイレサークルで囲いをつけて、確実にトイレの中でトイレできるようにさせる方法などがあります。
ペットシートが敷いてある場所(トイレトレーや、滑り止めなど)の足の感触や上に乗った時のトイレトレーの音が嫌で、シートからはみ出す犬もいるので、その場合は、平らな床の上に直接ペットシーツを敷くか、逆に滑り止めを敷いてあげることで滑らずに安心してトイレできる場合があります。
室内でトイレをしない
外でトイレをする習慣のある犬にトイレの再トレーニングを行う場合、まずは犬がいつもどんな場所でトイレをしているかをチェックします。土なのか、草なのか、電信柱なのか、砂利なのかをチェックすることで、犬がどこをトイレと認識しているかを把握します。
次にトイレの掛け声を決めて、トイレをするタイミングで「チッチ」「シッシ」「トイレトイレ」などの掛け声をかけます。これに慣れたら、大きなサイズのペットシーツをお散歩時に持ち歩き、いつもする場所にペットシートを敷いて掛け声をかけてペットシートでできるようにトイレを促します。もしできたらたくさん褒めてあげましょう。
ペットシートでできるようになったら室内に敷いて掛け声をかけトイレさせますが、この再トレーニング方法で必ずできるようになるとは限りません。飼い主さんの観察とアイデアで成功率が上がります。
お庭がある場合は、庭にサークルを作って地面の匂いを嗅がせてトイレの掛け声をかけます。
お庭のサークルでトイレができるようになったら、次はお庭のサークルの中にペットシーツを敷いてステップアップさせます。これで上手に成功したらお庭のサークルを室内に移動させ、寝床から遠い位置にトイレサークルとして設置して声をかけながらトイレを促します。
犬のトイレ時間をコントロールするのも室内でのトイレの成功率をあげるポイントです。毎日同じ時間にご飯を与えて何時頃トイレをするのかというサイクル自体をルーティーンとすることで、飼い主さんがそろそろうんちの時間、今度はおしっこの時間と、予測が立てやすくなります。
犬がそわそわし始めたら、掛け声をかけてトイレを促しましょう。
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至る所にトイレをする
至る所にトイレをする場合は、マーキングを行っている、犬の精神状態が不安定で、不安や緊張からトイレをする、お留守番中に雷や大雨が降って恐怖を感じたなどの可能性があります。
いつも上手にできていたのに失敗するようになった、トイレをするときに犬が恐怖を感じているのではないかと飼い主さんが思ったときは、犬がトイレを上手にできたときすぐ褒めているか、犬に楽しいことがあるかを考えてみてください。
失敗したときに飼い主が大きな声で怒鳴ったり、体罰を与えたりした場合は、犬はここがトイレをしてよい場所なのかがわからなくなり、混乱を起こします。
これがストレスになってトイレを失敗するようになる、飼い主の顔色を伺ってトイレをするようになる可能性があることを忘れずにいてください。上手にできたらすぐ褒める!犬にとって楽しいご褒美をあげる!という繰り返しで再トレーニングができます。
成犬のオス犬がマーキングで至る所にトイレをしている場合は、去勢を行うか、トイレが棒状になっていてマーキングができるポールのついたオス犬用のトイレを設置する方法もあります。
家具など至る所にマーキングを行う場合は、お留守番の際にはフリーにしておかないといった対策も必要になってきます。
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犬の体調やストレスを考えて再トレーニングを行う
室内で絶対にトイレをしない場合は、飼い主さんにとって大きな悩みです。
例えば、ずっと屋外で飼われていて、1日2回のお散歩時にトイレをしていた犬が、急に室内犬になったとしましょう。人間でも生活環境がガラッと変わったときにすぐに適応できないのは当然のことです。
トイレを外でする習慣のある成犬は、トイレを長時間我慢します。トイレの再トレーニングを行う際には無理をさせないことが大切です。根気よくというのは犬に我慢や苦痛を与える意味ではありません。
我慢することで膀胱炎や腎機能に影響が出る可能性があるので、生活環境に慣れて飼い主さんとの信頼関係を築いてからトイレの再トレーニングを行うことをおすすめします。
同様にトイレを外でさせている犬が老犬になり、身体が思うように動かずお散歩に行けなくなって室内でトイレをさせるしかない場合も、室内でトイレをしない犬は身体に影響が出ないように配慮する必要があります。
庭やベランダ、玄関で外の匂いを嗅がせてトイレを促すか、大きめのトイレを作り、ペットシーツの上に外の土や砂、砂利を撒いて、外の環境に近い状態でトイレを促すことも方法の一つです。
どうしてもできない場合は犬用おむつを使用して対応する、獣医さんに相談するなど膀胱炎や腎機能に影響が出ないように工夫するべきです。
成犬のトイレ再トレーニングは気長に
成犬や老犬のトイレの再トレーニングは非常に労力がかかる問題です。特に老犬になった場合のトイレ再トレーニングはとても難しいです。
もし愛犬が外でしかトイレができない場合、老犬になる前に室内や庭、ベランダでトイレを行えるようにトレーニングを行っておくことをおすすめします。
成功したらすぐ褒める!失敗しても人間はイライラせず、犬に恐怖や体罰を与えない!これが再トレーニングのポイントです。
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