【ディスクドッグへの道vol.4】 ディスクの投げ方(ディスタンス編)

楽しむ

前回までは、ワンちゃんをいかにディスクドッグに育てるかに主眼を置いてお話ししてきました。今回は、いよいよ人の技術についてお話ししましょう。コツさえ掴めば、難しい事ではありません。
ポイントは、フライングディスクの特性を知ることと、スローイングの基本に忠実な体の動かし方を知ること。
あなたが上手になることは、愛犬とのチームが上手になることに直結します。出来ることなら、ワンちゃんのトレーニングと同時進行で練習することをお奨めします。それは、人の投げ方が上手いことは、ワンちゃんに取りやすいスローイングが出来ることになるからです。ワンちゃんのトレーニング同様、楽しみながらトライしてみてください。

バックハンドスロー

ワンちゃんとディスクを楽しむなら、基本中の基本の「バックハンドスロー」をマスターしましょう。この投げ方は、その他の投げ方への応用にも役立ちますが、手軽に行える運動なので、普段の運動不足も楽しみながら解消することに繋がります。

愛犬の素晴らしいジャンピングキャッチを実現するためにも、貴方のスローイングテクニックを少しずつでも確実に身につけていきましょう。

step1. ディスクの握り方

ディスクを投げるには、腕を振る力をディスクの推進力・回転力として変換してあげなくてはなりません。その為にはディスクを正しい握り方で投げなくてはなりません。

(1)クラシックグリップ・バークレーグリップ

最もオーソドックスな投げ方で、初心者向きです。人差し指をディスクのリム(外周)に沿わせるか否かの違いで、添えた方がディスクのブレが少ないと言われていますが、握りやすい方で良いでしょう。親指をディスクの表面(凸側)にそっと添え、人差し指以外の指の腹(指先の指紋のある側)でリムの内側をしっかり握ります。

いけない例としては、指の腹でリムを握らない投げ方です。

グリップはクラシックと同じに見えますが、ディスクの裏に指を添えているだけなので、初心者には傾斜角の調整がしやすいため、よくこの握り方をする方を見るのですが、腕を振る力がロスしてしまうため、中々距離を伸ばすことが出来ません。できるだけ早い段階から正しい握り方を身につけましょう。

(2)ガングリップ

飛距離を出しやすいグリップと言われています。親指は(1)と同様に表面にそっと添え、その他全ての指の腹でリムの内側を握ります。初めはディスクの傾斜角を調整するのが難しいので、初心者向きではありませんが、指とディスクの接点が線から点に近づくので、投げる瞬間に力が集中しやすいと言われています。

step2.ディスクの通り道をつくる

グリップが決まったら、ディスクを投げましょう。その時に気をつけなくてはいけないのが、ディスクの通り道。

ディスクは構えた位置から投げ出す方向に向かって、真っ直ぐに通してあげましょう。これは、腕を振る力のロスを少なくディスクの回転に繋げられるからです。

それと、もう一つはディスクの飛んでいく方向も安定します。肩・肘の関節を柔らかくリラックスして構えるようにしてください。イメージとしては、腰→肩と体が回転していくに従って、肘から腕を振り出すイメージです。

そして、腕を伸ばしきる直前にディスクを放すようにするとタイミングが合うと思います。これは、何度も試して、自分の意識と体の動きがフィットするタイミングを会得してください。

では、いけない例を次に示します。解りにくいかも知れませんが、腕を伸ばし気味にして投げているのが解るでしょうか。
これは、初心者が緊張しながら投げる時に良くある投げ方です。肘が突っ張ってしまっているため、体の回転軸を中心にディスクが弧を描くように動いていきます。

そのため、腕のしなやかさに欠け、腕を力強く振っても力がディスクに伝わりにくく、ディスクを離すタイミングによって、ディスクが飛んでいく方向がバラバラになってしまいます。ディスクの方向が定まらない方は、この投げ方になっていないか、チェックしてみてください。

step3.ディスクに傾斜角をつくる

ディスクの通り道を真っ直ぐにすることが出来ても、ディスクがカーブを描いて曲がって飛んでいくという方が多いかも知れません。これは、フライングディスクの特徴として、右利きなら右へ、左利きなら左へカーブするのが当たり前だからです。

この特性を理解した上で真っ直ぐに飛ばすためには、ディスクに傾斜角を付けて投げるというテクニックです。
よく「アングルを付けろ!」とか「ディスクを傾けろ!」というのは、この傾斜角を付けるということなのです。

2枚の画像は、ディスクを投げる人の正面から見た構図で、写真では左側にディスクを飛ばそうとしています。2枚の写真を見て違いが分かるでしょうか。

上の画像はほぼフラットに構えて投げようとしています。短い距離では、特に問題があるものではありません。

下の画像はやや距離を伸ばそうとする時や、向かい気味の風が吹いているような時に用いるものです。飛び出しでは、斜めにディスクが飛び出していきますが、徐々に地面と平行になっていきます。

次にそのアングルを付けて投げた時の例を示しましょう。

サイドアーム

ディスタンスで現在はあまり使う例はありませんが、比較的簡単に飛ばせる投げ方にサイドアームスローがあります。風向きによっては、応用が利くので、覚えておいて損はない投げ方です。

グリップは、中指の腹をリムの内側に押し当て、親指の付け根の部分で優しくディスクをホールドします。投げ出す時の邪魔にならないようにしてください。

バックハンドスローとは投げる方向に対しての体の向きが逆になります。ディスクの傾斜角は、バックハンドと同じように体から遠い側を下げて作ります。

肘を脇腹に付けるイメージで腰の回転に導かれるように腕を振り出し、リリースの時にはスナップを効かせるように投げ出します。

最後に

今回は、ディスクの投げ方(ディスタンス編)についてお話ししました。ディスクの投げ方は様々なメディアに参考となるものが現在は見つけることができます。動画もたくさんweb上に見つけ出せると思うので、探して参考にしてみてください。

しかし、あなたのお住まいの近くでディスクドッグのクリニックがあれば、出来るだけ早く受講することをお奨めします。ディスクの上達は、あなたの現在の状況を見て、正しくアドバイスしてくれる方を得るのが無駄のない方法だからです。

私の主導するNDAのディスクドッグチャンピオンシップにも、ディスクドッグ競技に楽しく真剣に取り組む経験豊かな方々がたくさんいらっしゃいます。一度、遊びに来てみると上達のヒントが見つかると思います。

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大塚 裕

大塚 裕

1961年東京生まれ。現NDAコミッショナー。愛犬JACKEYと2001年にディスクドッグ世界大会に日本代表第1号として参戦。その後も2度日本代表となる。ディスクドッグの楽しさを広く知ってもらうことに喜びを感じている。

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