公開日
2018/08/28

ディスクドッグNDAコミッショナー大塚裕~自己紹介~

私は、NDAというディスクドッグの団体でコミッショナーという立場ですが、自らプレーヤーとして大会に参加しています。これまで22年のキャリアで7頭のボーダー・コリーを迎えましたが、今回は私の愛犬を紹介させていただきながら、ディスクドッグにハマったきっかけなどをお話させていただきます。

自己紹介

初めまして!NDAコミッショナー大塚裕です

ナショナルディスクドッグ(略称NDA)のコミッショナーを務めています、大塚裕(おおつかひろし)です。「ワンDAY!犬と遊ぶ休日」をスローガンに愛犬と楽しく過ごしていただく時間と空間を提供することを主眼に、ディスクドッグ競技会の運営事業に携わっています。

自らもプレーヤーとして参加し、質の高い競技を楽しんでいただきながらディスクドッグの発展を目指したいと日々考えています。愛犬と本気で楽しめる場所を皆さんと拡げていきたい、そのためには自ら率先して競技に参加していきたいと考えています。

私は実家が商家でしたので、親はいつも忙しなく働いていて、嘘か誠か幼少期は秋田系のミックス犬太郎にお守りをしてもらうことも多かったと聞いています。また、父親がシェパードのブリーディングをしていた時期もあり、大型犬に埋もれて遊んでいたので、犬と仲良くなるのは自然にできる体質になっていました。

我が家の愛犬をご紹介します

今まで、7頭のボーダー・コリーを迎え入れました。既に3頭は天に召され、現在は4頭と賑やかに暮らしています。

私は、アウトドア好きで、オートキャンプが趣味なので、黒のラブラドール・レトリーバーを飼ってカヌーに乗せて優雅に湖面を走らせ、時折釣り糸を垂れるといった休日を夢見ていました。
そんな事を想いつつ、娘達が小学生・幼稚園だった1996年の夏休み、生き物を飼って命の大切さを実体験させようと、ハムスターを買う話が持ち上がりました。

そこで、ちょっとオシャレなケージを用意しようと立ち寄ったデパート屋上のペットショップに行ったとき、ショーケースにちょこんと座った、見たことの無い白黒のパンダのような子犬が私を見あげていた、そんな気がしました。書かれた犬種を見ると“ボーダーコリー、牧羊犬”とありましたが、知らないなぁ、そんなの居るのかと思いつつ、ガラス越しに指をかざすと前足をバタバタさせながら追いかけてきて、その愛らしい姿にすっかり心を奪われてしまいました。

店員さんに親になるとどんな感じになるの?と訪ねると、その店でも始めて扱った犬種ということで、犬図鑑を引っ張り出してきて、見せられたのが、羊を追っているワーキングタイプでとてもワイルドな成犬の姿。後から知るのですが、この時見た子犬はショータイプの毛葺きフサフサで正反対のタイプ。「抱っこしてみますか?」この基本的な罠?にまんまとハマり、自分の経験値から子犬の顔立ちから成犬になるとどんな風に成長していくのかは大体見当が付いたこともあって、絶対にこの子は可愛くなるぞと勝手に結論づけたのです。

家に帰ると娘達に「ハムスターよりも犬の方が一緒に遊んだりできて楽しいぞ!」と態度を一変。我が家にハムスターでは無く、ボーダーコリーが迎えられることになったのです。それが初めて自分で飼った犬JACKEY(ジャッキー)でした。

それでは、ここから歴代の愛犬たちを紹介させていただきます。

JACKEY(ジャッキー/男の子)(1996-2005)

上記写真中央: 彼を迎えた時は、夢にもディスクドッグに育てようなどと考えていませんでしたが、色々なことをしながら私も共に成長させてくれた子です。1996年当時はインターネットが普及しているわけでも無く、そもそも日本のディスクドッグが創生期で情報も少なく、手探りで様々なことにチャレンジするのがとても困難でしたが楽しかった覚えがあります。ディスクはもちろん、アジリティやフライボールなども自作の道具で真似事をして遊んでいました。

試行錯誤のチャレンジを繰り返すうちに犬に対する考え方・扱い方の基礎を作ってくれたのは、まさしく相棒でした。ショータイプだからという理由ではありませんが、運動性能はごく普通でしたが、ディスクドッグ大会での安定感は抜群で得点アベレージは当時としては高かったと思います。国内最高成績は年間ランキング2位、JFAジャパンファイナル(日本一決定戦)3位でした。

また、彼が5歳の時、私の夢だった世界大会Canine Worldchampionship(以下、K-9 WCと省略)の日本代表権を勝ち取り、2001年に日本のディスクドッグ史上初の日本代表として渡米、歴代の名だたる世界チャンピオン達がひしめく最高クラス(フリー+ディスタンス)で第7位に食い込みました。気が強くて私の気持ちをそのまま体現してくれる、絶大の信頼を持っていた子で本当に大好きでした。

BINGO!(ビンゴ!/女の子)(2000-2016)

上記写真左:彼女は、ディスクドッグ大会で知り合った方の愛犬ジャスター君(父犬)の運動性能と適応力に惚れた私が、メスが産まれたらJACKEYの嫁にと頼んで迎え入れた子です。ちょっと不思議な子で、パピーの頃は抱かれたり触られるのを嫌がるスキンシップが大嫌いの子でした。

幼少期からJACKEYがディスクで遊ぶのを必死に追いかけて、勝手にその動きをマスターしてしまった天才肌でした。私のことを大好きだった彼女は、JACKEYに輪を掛けて気が強い子で、犬は勿論、人も私に近づく全てに威嚇行動を取る面白い子でした。

運動性能は当時としては飛び抜けて素晴らしく、レトリーブに駆け戻ってくるスピードが怖かったくらいで、ゲーム中にジャッジの傍らを唸りながら走り抜けたり、問題行動は多かったですね。それだけに仲間達の印象には強く残ったようです。

競技犬としては優秀で、NDAジャパンカップ(日本一決定戦、以下JCと省略)で12年連続ノミネートという日本記録を樹立、アイアンワンの異名をいただいたのは、10年連続ノミネートに挑戦したときでした。2009年には9歳にしてJC準優勝にも輝いています。彼女で日本一を獲れなかったのは、私の力量不足以外に考えられません。

また、2002 K-9 WC(スポーツDiv:ディスタンスのみ)の日本代表権も獲得し、6位を記録しています。とてもディスクに対して強い意欲をもち、16歳で亡くなるまでその意欲が萎えることがなかった希な逸材だったと思います。

BRAVO!(ブラボー!/男の子)(2001-2018)

上記写真右:彼はJACKEYの息子です。友人の愛犬SEALAと縁あって産まれた6頭のうちの次男です。私はJACKEYとフリースタイルをしていたのですが、あまり綺麗なジャンプを決められるタイプではなく、少々地味な構成で戦っていました。しかし、BRAVO!の跳躍は素晴らしく、とても楽しげに大きなジャンプを綺麗に柔らかく跳べる子でした。彼が6ヶ月の頃、こいつはJACKEYのフリーを超えられる!と鼻息を荒くしていたのが懐かしいです。

彼とのフリーではジャンプを中心とした構成で、いかに綺麗に大きなジャンプ技を決められるかを日々考えていたものです。そして、彼もNDA JCでフリー、ディスタンス共に準優勝、2003年にはK-9 WCに日本代表として参戦した実績を残しています。この時は、彼への期待が大きすぎて、私の気合いだけが空回りして残念な結果になりましたが…。先住犬2頭とは正反対で、とても優しくて遊び好きの我が家の癒やし系担当でした。

BUNGY!(バンジー!/女の子)(2006生まれ、12歳)

上記写真左:ディスク仲間から譲っていただきました。ちょっと神経質なところがあり、扱いが難しい子です。運動性能は高く、6歳ぐらいまではダイナミックなゲームをして、たまには勝てるレベルまでは育ってくれました。

しかし、そのシャイ気質にも容赦なく私が厳しくし続けた結果、しばらくコートでディスクを追うことを拒むようになりました。これは私にとってショックな事件だったのですが、リハビリに約2シーズンかかったものの何とか再びディスクを追ってキャッチしてくれるまで回復しました。

この子は私の犬の扱い方を考え直させてくれた子です。家では、室内のケージに隠れてたまに飛び出して威嚇するウツボみたいな遊び?を好んでするので私によく怒られています。

JOKER(ジョーカー/男の子)(2007生まれ、11歳)

上記写真右:JACKEYの孫。JACKEYが生まれ変わったのかと錯覚するくらいそっくりでタヌキ顔の男前?です。祖父犬の欠点であったスピード不足をこの子に備えたら最強のディスクドッグになる!と興奮したもので、行きも帰りも全力で走れる子に育てたつもりです。

2歳くらいまではその運動能力にものを言わせ、当時の日本トップチームを倒すゲームもしていたものです。ただ、体の成長と共に跳躍のバランスが崩れると同時に自我が強く出始め、急速に下手になっていった残念な経歴を持ちます。しかし、ミスをしても平気な顔で帰ってくるので、ある意味、タフな精神力かも知れません。ただ、至って楽しそうにディスクで遊びます。最近ではヘタレ具合が強く、我が家の群れの中でも問題を起こすので、一人だけ室内でケージ入りを余儀なくされています。

JETER(ジーター/男の子)(2013生まれ、4歳)

上記写真左:初めて迎えたワーキングタイプ。ディスク仲間から譲っていただきました。これまで、ボーダー・コリーは毛葺きフサフサのショータイプが可愛いという我が家の定義?があったのですが、それを覆してくれた子です。幼少期はとてもフレンドリーな子でしたが、ガサツな我が家の犬達に鍛えられたせいか、すっかりリーダーを張る勢いでオスを前面に押し出すようになりました。ディスクに関しては天性のキャッチセンスが一番の武器。ここ2シーズンの国内年間ランキングが5位、4位と安定して上位に食い込んでいる我が家の現エースです。ロングスローがままならない私もやる気にさせてくれる子です。

KID(キッド/男の子)(2014生まれ、4歳)

上記写真右:沼津のブリーダーさんから迎えた子です。実は、JETERを迎えて半年余りだったので、一度は迎えるのを断念したのですが、三日三晩、KIDとJETERが仲良く遊んでいる同じ夢を見て運命を感じ、迎えることにしました。

実際、JETERのことが大好きになって、しょっちゅう耳をおしゃぶりの様にして舐め回しては私に怒られています。迎えたときが生後4ヶ月半でおもちゃに執着する、周りと一定の距離を置いて落ち着く、といった一人遊びの癖が少しつき始めていた頃だったので、迎えてからしばらくは、競技としてディスクをするのではなく、仲良くなる道具として遊びながら、文字通りの距離を縮めることを目標に育てていました。

その結果、ゆっくりとディスクドッグと呼べるレベルに仕上がりつつあるので、これからが楽しみな子です。川へ遊びに行くと勢いよく飛び込んだり、水中にも平気で顔を突っ込んだりします。泳ぎは大得意で我が家ではNo.1です。人にも犬にも誰にもフレンドリーでとても良い奴です。

以上、我が家の七福神の紹介でした。

ディスクドッグを始めたきっかけ

JACKEYが生後3ヶ月余りの1996年の体育の日に、何か一緒に運動を始めようと思い浮かんだのが、以前TVで目にした海外のビーチでディスクをキャッチしていた犬の勇姿。ウレタン製で分厚いおもちゃのディスクを買って遊び始めました。おもちゃだったこともあり、始めはまともに飛ばなかったというか、投げられませんでしたが、たまに上手くキャッチできると嬉しくなり、広場に行っては遊んでいました。

当時はインターネットも普及していなかったので、パソコン通信で文字情報がやっとの時代。情報が少なかった時代だからか、アジリティ界の大御所からも丁寧なアドバイスをいただいていたことを後から知ったりもしました。ある時、パソコン通信で仲良くなったボーダー・コリーを飼っている方からディスクドッグのセミナーの情報を教えてもらい、行ってみたのが競技としてのディスクドッグとの関わりの始まりでした。

その頃、JACKEYは生後5ヶ月、ボーダー・コリーの育成管理が自己流だったこともあり、コロコロと可愛くぽっちゃり系…。それを嘲笑されたのが恥ずかしかったのをよく覚えています。周りのワンコたちが無駄のない体型で格好良くキャッチするのを目の当たりにして、うちのJACKEYにもあんな風にキャッチさせてやりたい!という反骨精神もあって、一気にディスクドッグにハマっていきました。

競技に出始めてからは、うちの犬が一番可愛いと思っていた私でしたが、犬雑誌になかなか取り上げてもらえず、掲載される早道は“入賞すること”と気づいてから、ますます頑張るようになりました。

NDAコミッショナーになったきっかけ

もともとNDAに参戦し続けていたことと、ディスクドッグ競技会で技術不足を気合いでカバーしていたゲームスタイルから“東の魂”とか“ディスクドッグマスター”とか言って持ち上げられ、調子に乗って協会の業務を色々とお手伝いし始めたことが要因かと思います。

現NDAのCEOがもともとコミッショナーでしたが、彼の本業が多忙を極め、大会会場へ足を運べる機会が減少し始めた頃から、何となくそんな話が持ち上がった気がします。
私には荷が重かったのですが、犬達との“真剣な遊び場”を守るためという勝手な責任感と「失敗したら人選ミスね。」という商談?が成立して引き受けたような気がします。引き受けた当時は兼業でしたが、今や本業になっています。

これからディスクドッグを始めたい人へひとこと

愛犬と弾けちゃってください!
もともと、難しく考えてやるスポーツじゃないと思います。ディスクを投げて犬にキャッチさせようなんて発想、なかなか思いつきませんよね。もともとは、遊びでしたし、何と言っても愛犬と一緒にディスクで遊ぶと面白い。

ダッシュで走って行って、空中のディスクをキャッチする、愛犬の勇姿を想像してみてください。何てエキサイティングなことでしょう。
私も、自分の愛犬の想像を超えるポテンシャルを感じることができた時には、本当に興奮したものです。飼い主の問題ながら、しつけ教室なら、劣等生のレッテルを貼られそうな子が、活躍できる場所を発見したような心境を抱いたものです。

皆さんも是非、愛犬と楽しい時間を共有して欲しいと思います。そして、愛犬の素晴らしく底知れぬ能力を感じ取っていただきたいと思います。今よりも確実に愛犬との絆が強くなること、間違いなしです。

愛犬を怪我なく、上手にするために

先ほど、お話ししたように、ディスクドッグはもともと遊びです。楽しく遊べればいいですよね。ただ、ひとつだけ注意して欲しいことがあります。

始めた頃に陥りがちになる、人がイメージする遊び方と、犬がイメージする遊び方のズレを修復できずに諦めてしまうパターンが意外と多いことです。人が好き勝手に投げれば、どの犬もキャッチできると誤解されている節があるからです。「うちの子は、キャッチが下手だから…」ということを良く耳にするのですが、大事なのは教え方です。

もしもディスクドッグをもっと知りたい、上手になりたいと思うようになったら、私たちNDAのようなディスクドッグ団体のクリニックなどを利用して、正しい知識や技術、犬の扱い方などを教えてもらうことをお勧めします。それは、愛犬を安全に着実にディスクドッグに育てることの王道だからです。
もちろん、今後のコラムでも参考になる話をできる限りしていきたいと思います。