【Vol.1】ワンちゃんと楽しむディスクドッグコラム

楽しむ

ディスクドッグとは、人が投げたディスク(フリスビー)をワンちゃんが追いかけ、空中でキャッチ することにより得られるポイントを競うドッグスポーツです。
ここでは、ディスクドッグの魅力やルールなどを解説するほか、今回は2018年9月のNDAディスクドッグ大会の中から私が選ぶMVPの方もご紹介します!

再認識するディスクドッグの魅力

一言で言い表すことは大変難しいですが、どのような魅力があるのかをかいつまんで紹介していきたいと思います。
今回お話しするのは「双方向コミュニケーション」です。ディスクドッグは、冒頭でご紹介したとおり、人がディスクを投げてワンちゃんがキャッチして成り立つドッグスポーツです。ここに至るまでの過程で、普通にワンちゃんを飼うことと格段に変わるのは、飼い主さんがワンちゃんに話しかける、あるいは指示を出す機会が増えるということです。当然ですが、これに応えるようにワンちゃんも飼い主さんの言うことに耳を傾け、懸命にその要望に応えようと飼い主さんに注意を向けることに繋がっていきます。これは、ディスクドッグの練習を続けていく上で、限りなく深まっていく双方向コミュニケーションがもたらす、とても良好な関係作りに役立つことです。
普段、ワンちゃんと散歩をしているとき、どれだけ話しかけることがありますか?ディスクドッグを始める時に役立つことのひとつに、ワンちゃんに話しかけることがあります。少々語弊があるようにも思えますが、話しかけるというよりは、指示を出すことに比重をおいた話しかけになるのかもしれません。
通常散歩というと、ワンちゃんが好きな場所、好きな方向へ行くことが多くありませんか?これは、ワンちゃんの気持ちを大切にしてあげて、一見優しい飼い主さんに思えるかもしれませんが、常にその状態ではいけません。たかが散歩ですが、飼い主さんとの関係性に於いて、ワンちゃん主導に陥ることに繋がるからです。
そこで、時には、別れ道で右に行こうとしているところを「左」と声をかけながら違う方向に導いてください。そして、そちらに誘導されたら直ぐに良く褒めてあげることも大切です。散歩の途中に声をかけながら「待て」や「座れ」をさせ、出来たら褒めてあげることを繰り返します。これによって、飼い主さんの言葉(指示)が起点となってコミュニケーションが生まれます。
ディスクで遊ぶタイミングも飼い主さんの決まり文句、例えば「ディスクやるよ!」で始めます。他の指示同様、何を示すのか、最初のうちはワンちゃんが理解するのに少々時間が掛かるかもしれません。しかし、これを繰り返すことで、飼い主さんのかける言葉は、大好きなおもちゃが出てくる、大好きな言葉になっていくのです。
このように、言葉を掛ける(指示を出す)ことは、決して飼い主さんが威張ってワンちゃんに命令をするだけのものではなく、ワンちゃんと楽しい時間を作り出す手段(きっかけ)となり、ワンちゃんもその言葉を待つ、常に飼い主さんを注視する良好な双方向のコミュニケーションを高めていくことに繋がるのです。

ディスクドッグルール解説!「競技時間」

ディスクドッグを始めるとワンちゃんの成長が楽しくなります。また、ワンちゃんが上手になってくると、飼い主さんもディスクを投げるのを頑張らないと、その上達に追いつかなくなったりします。飼い主さんとワンちゃんが抜きつ抜かれつで上達していくと、「ディスクドッグの競技会に出てみようかな」なんて気持ちが湧いてくるかもしれません。その時のためにここでは私が主宰するNDA(ナショナルディスクドッグアソシエーション)ディスクドッグチャンピオンシップスという競技会のルールを解説していきたいと思います。

今回は「競技時間」(簡単な種目解説つき)です。
ディスクドッグは種目を大別すると次のようになり、それぞれの競技時間を解説します。

ディスタンスアキュラシー

日本のディスクドッグで一番盛んに行なわれている競技です。1ラウンドは60秒です。これを2ラウンド行なう予選があり、上位チームのみが進出できる決勝ラウンドがあります。

この競技は、ワンちゃんが遠くでキャッチするほど高得点が得られるのですが、その分、走って行ってキャッチした後、戻ってくるのにたくさんの時間を要します。片や、短めの距離でキャッチさせると往復の時間は短縮されるものの得られる得点は低くなります。これを各チームは投げ手のスローイングスキルの高さやワンちゃんの走力、キャッチ力、ディスクの受渡しの善し悪しなどを考え、60秒の中で、どれだけの距離で何回キャッチをさせることが出来、如何に高得点を得られるかを作戦として考え、実践していくのです。
現在の競技会の実情では、60秒で4~5回投げてキャッチさせるチームが大半です。しかし、初めのうちは、その回数に捕らわれることなく、自分たちのペースで競技が出来ることを考えるべきでしょう。初めて競技会でキャッチを決められたとき、それは忘れられない一瞬になること間違いなしです。

フリースタイル

ディスクドッグ発祥の地、アメリカではこの競技が主体です。1ラウンドは120秒のフリースタイル予選2ラウンドが60秒のディスタンス予選これらの合計の上位チームが決勝のフリースタイル120秒の演技を行ないます。前述のディスタンスアキュラシーが日本で一番盛んだと言いましたが、今や日本のフリースタイルは世界を牽引するレベルにまで引き上がりました。もともと、アメリカで発祥したディスクドッグは、フリースタイルとディスタンスを組み合わせたものです。本来は、このフリースタイルこそディスクドッグの代表格なので、私が競技にのめり込んでいく背景には常にフリースタイルがありました。競技としては、確かに高度なスキルが求められますが、2分間のフリー演技の中には、とてもたくさんの技を含み、これらをひとつひとつ切り離していくと、初級者のペアでも楽しめるものがたくさんあります。それはまた何れの機会に紹介させていただきましょう。

タイムトライアル

この競技は言わばスプリント競技です。
制限時間は60秒。
この時間内で、20m以上のキャッチを2回成功させる時間がいかに短いかを競います。これを2ラウンド行い、短い方のタイムがその日の記録とされます。
ディスタンスアキュラシーに似た要素を持ちますが、ディスクの飛距離の正確性、ワンちゃんの往復のスピード、オーバーランの少なさなど、特別に必要とされる要素も多く、違った魅力を持つ競技です。

その他、プレジャー種目(抜粋)

チャレンジゲーム

まさに初心者のための競技です。
1ラウンド60秒
これを2ラウンド行い、合計点で順位を競います。

使うおもちゃはディスクでもボールでも、ワンちゃんが大好きで追いかけるものなら何でも構いません。
空中でキャッチできなくても、おもちゃを拾い上げたエリアによって得点できるので、遊び始めたばかりのパピーで参加する方も居て微笑ましい光景が見られる種目ですので、まずは、このクラスに挑戦できるように練習すると良いですね。

BINGO!

この競技は、コートを9分割のビンゴカードに見立て、そこのエリアを狙ってディスクを投げてキャッチさせるものです。
1ラウンドは60秒
これを2ラウンド行い、合計点で順位を競います。
1~9のエリアを抜いていき、それぞれのエリアで得られるポイントと、縦・横・斜めが3つ抜けるとビンゴポイントが加算されるもの。
キャッチさせるエリアと得られるポイントを瞬時に判断しなくてはならないので、なかなか奥が深い競技です。
しかし、一番奥のエリアでも20mなので、60秒をフルに使って犬種に関係なく大型犬から小型犬まで一緒に楽しめます。

ディスクドッグによって変わった日常

私の場合、散歩に行く意識がまるっきり変わったと言うことでしょうか。もともと親がジャーマン・シェパードドッグを飼っている環境で育ちましたので、ワンちゃんを飼うことの楽しさと共に同等の大変さがあることも感じていました。自分でワンちゃんを飼うことを決めた時点で、毎日の散歩が義務づけられる訳ですが、ディスクドッグを始めたことで、トレーニングをひとつひとつクリアしていく目標というか、楽しみが出来た訳です。そのためには、忙しさの合間に作り出す僅かな時間を有効に使うことが必要になるのです。そうなると、不思議なもので、義務と感じていた散歩の時間も自分に与えられたトレーニングの時間へと意識が変わってくるのですね。
そこで、よく行なっていたことは、リード付きで散歩をしているときに簡単にできることとして、ワンちゃんに方向を教えることがありました。これは、実際にディスクを投げる段階で生きてくるのですが、その話を少々してみましょう。
ディスクドッグはディスクを投げた後は、ワンちゃん任せとも言える状態になります。ディスクをワンちゃんに追いかけさせて、キャッチさせる。ディスクのキャッチにはワンちゃんの反応が一番大事だと言うことです。この時、投げ手は何も出来ないのか、いや、そうではないのです。どんな風向きの中でも常にディスクを犬が走る真っ直ぐの方向に綺麗に飛ばすことが出来る、そんなプレーヤーはなかなか存在しません。しかし、投げたディスクの位置をワンちゃんに伝えることが唯一出来ることと言っても良いでしょう。

私が選ぶなら…ディスクドッグ2018年9月のMVP

ここでは、NDAディスクドッグチャンピオンシップスが行なわれる中で、私がグッときたチームを独断でMVPに選出してしまうコーナーです。
2018年9月のMVPは…
小野眞紀&リック・ディアス(ミニチュアダックスフンド)です。

選出理由は、まずミニチュアダックスのディスクドッグは大変珍しいことに加え、そのディスクドッグとしてのセンスに溢れている点です。
そして、決め手になったのが富士河口湖大会第3日のドギーズクラス、ファーストラウンドの4投すべてキャッチ成功!でした。いつも小さな体でダッシュしていく姿が可愛くもカッコ良いリック・ディアスなのですが、この時は特に輝いていました。投げ手の小野さんのスローも安定し、綺麗なジャンピングキャッチを次々に決めて、コンビネーションがとても良かったのが目に焼き付きました。
今シーズンは、NDAの日本一決定戦ジャパンカップ(毎年、6月初旬に実施。各クラスとも年間ランキング上位に入る実績を残したチームのみがノミネートされる、権威有る大会です。)を目指すと宣言しているだけに、今後益々の活躍を期待します。

まとめ

ひと口にディスクドッグと言っても、その楽しみ方は無限に広がっています。それを敢えて文字に落とし込むという作業を久々に行ないましたが、やはりワンちゃんと楽しめる要素がふんだんに含まれていることを自ら再認識しました。
競技に興味を持つようになっても慌てることがないように、ルールもポツポツと拾い上げながら、解説していきたいと思います。なるべく、わかりやすい言葉で説明を加えていきたいと思いますので、次回をお楽しみに。

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大塚 裕

大塚 裕

1961年東京生まれ。現NDAコミッショナー。愛犬JACKEYと2001年にディスクドッグ世界大会に日本代表第1号として参戦。その後も2度日本代表となる。ディスクドッグの楽しさを広く知ってもらうことに喜びを感じている。

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