【犬を撮影するコツ第8回】プロが教えます!絞りってなに? − 後編 −

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桜は散ってしまいましたが、緑が多くなってきましたね。
こんにちは!ビール大好き。写真大好き。ワンちゃん大好き。フォトグラファーのSBTです。

今回も、引き続きカメラの「絞り」についてのお話です。
前回はボケを作る方法を中心にご紹介しましたが、みなさんうまくボケを活かした写真を撮れたでしょうか?
【第7回】絞りってなに? -前編-

今回は、逆にボケの少ない写真についてお話したいと思います。

ごまかしの効かない撮り方

まずは前回のおさらいです。
・絞り羽根を閉じる → 被写界深度が深い = ピントのある範囲が広い
・絞り羽根を開く → 被写界深度が浅い = ピントのある範囲が狭い

さらにボケ度の観点でまとめると、以下のようになります。
・「F値」が小さい = ピントの合う範囲が狭い = ボケやすい
・「F値」が大きい = ピントの合う範囲が広い = ボケにくい

前回は、絞り羽根を開いた状態、つまり“F値が小さな場合”のお話でしたが、今回は逆に“F値が大きな場合”のお話です。

F値を大きくしてみよう

カメラの設定は前回と同じく「絞り優先モード」「マニュアルモード」で、F値を大きな値に設定します。

カメラやレンズによって設定できる値に違いがありますが、ひとまず設定できる最も大きな値にしてみてください。
設定ができたら、何かを撮影してみましょう。

室内で撮影している場合、以下2パターンのどちらかの結果になったかと思います。
・「絞り優先モード」の場合 → シャッタースピードが遅くブレブレ
・「マニュアルモード」の場合 → 露出がアンダー(暗い)


写真1:適正露出


写真2:シャッタースピードが遅くブレブレ


写真3:露出がアンダー

光の通り道

なぜこうなるかと言うと、F値を大きくするということは、絞り羽根を閉じるので光の通り道が狭くなります。
その結果、適正な露出(明るさ)で撮るために、ゆっくりと光を取り込む(スローシャッター)か、暗いままで撮影するので、ブレブレか暗くなるという訳です。

解決策

解決策はいくつかあるのでご紹介します。

1)ISO感度を上げる
カメラには「ISO感度」というものを操作する機能があります。その感度をアップすることでスローシャッターを回避することができます。ただし、あまりに大きな感度で撮影すると写真にノイズが乗るので、注意が必要です。

2)三脚を使う
風景写真を撮影する際はよく利用されると思います。スローシャッターでブレずに撮影するには非常に有効です。
ただ、ワンちゃんを撮影することを考えると、被写体が非常に早く動くので「ワン・ショット」的にはあまりオススメしません。

3)明るい場所に移動する
こちらは言うまでもありませんが、より明るい場所に移動すれば、絞りの値が大きく光の取り込みが少なくても、シャッタースピードを保つことができます。

4)ストロボを使う
考え方は3と同じで、ストロボを使えば明るい場所を演出できます。
ただ、ストロボの機種によって、光の届く範囲が違うので、撮影したい被写界深度まで補えない可能性があります。

気をつけること

ここまでの内容で、F値を大きくし、適正露出を得ることができるようになったとします。
次に、ボケの大きな場合と比較しましょう!

ボケが大きい場合、ピントの合っている範囲以外はピントがずれています。
言い換えると、ボケている場所にあまり気を使わなくても良いのです。
しかし、被写界深度が深いと、ピントが合っている範囲が広く、全体的に気を使わなくてはいけません。

可愛いワンちゃんの背景に、散らかった部屋が写っていては、可愛さも半減してしまいますよね。
なので、被写界深度が高い状態で撮影する場合、背景などの周囲の状況に気を使いながら撮影をしましょう!

構図を意識して

周囲の状況に気を使うということは、「構図」を意識することでもあります。
もちろん被写界深度が浅い場合でも構図を意識したいですが、ピントが合っている範囲が広い場合は特に気をつけなくてはいけません。


ワンちゃんの背後から子供が近づこうとしている場合などは、撮影位置を移動してベストなポジションを見つけてみましょう!

まとめ

いかがでしたか?
背景がボケた写真を魅力的だと感じる人は多いですが、ボケの少ないスッキリとした写真にも、また違った魅力があります。
カメラの操作や構図などの理解を深めることにもつながるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

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SBT

SBT

写真で人生は豊かになると信じてやまない、関西生まれ東京在住フォトグラファー。

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