犬用のエリザベスカラーは種類が豊富!動画で手作りの方法も紹介

健康

犬のエリザベスカラーはプラスチック製のものだけではありません。実はさまざまな種類があります。この記事では、青色や透明の定番のエリザベスカラーから、犬のストレスを軽減させるものまで幅広い対応を紹介します。最近はメガホンのように音を集音しないタイプ、ソフトタイプ、浮き輪型、エリザベスウェア(術後服)が注目されています。

エリザベスカラーとは

エリザベスカラーを着けなければならない時は、去勢や避妊、病気の手術後であったりケガをしたりと、少しマイナスなイメージを抱くかもしれませんが、エリザベスカラーは犬にとって傷ついた部分を早く治すためにも必要なケースがあります。

エリザベスカラーの名前の由来は、イギリスのエリザベス朝時代に、シャツやブラウスの首回りを覆うように仕立てられていた襞襟(ひだえり)からきているといわれています。略して「エリカラ」と呼ぶ獣医さんや飼い主さんもいるようです。

エリザベスカラーは傷口や患部を守るために使用する

エリザベスカラーは、犬が手術やケガ、皮膚炎、眼科疾患などになったときに、傷口などの患部を舐めたり噛んだり刺激を与えて、状態を悪化させないようにするために、犬の首回りに装着するものです。

エリザベスカラーを装着した犬は、自分が思うようにからだを動かせないことや周囲のニオイを満足に嗅げないこと、いつもと同じ行動をしていても、壁や障害物などにぶつかって大きな音を感じるので、急に驚いたりストレスを感じやすくなります。

このため、エリザベスカラーを装着することを嫌がる犬は、大きな音を感じ、パニックを起こして思わぬ行動をとることもあるので、かわいそうと思う飼い主さんも多いです。

エリザベスカラーが傷口の回復を早める

犬エリザベスカラーを装着させることがかわいそうだと思う場合は、ずっと愛犬の様子を観察できるならば、獣医師の指示のもと、エリザベスカラーを外してあげることも可能でしょう。

しかし、犬がかわいそうだからと獣医師の指示を無視した安易な判断によってエリザベスカラーを外すことで、飼い主さんが気がつかないうちに犬が患部に刺激を与えてしまい、手術後の回復が遅れたり、皮膚病が悪化する恐れを考えると、心を鬼にして装着したまま犬を諦めさせることが、結果的に犬に与えるストレスや治療期間を短くさせることができます。

エリザベスカラーには色んなタイプがある

エリザベスカラーというと、ブルーや透明のプラスチック製で、アンテナやメガホンのような形をしているタイプ(ベル・ラッパタイプ)をイメージする方も多いと思いますが、最近はさまざまな種類があります。

従来のエリザベスカラーの他にも、軽量で布製のソフトタイプ、装着時に大きな音が出ず寝るときも自由な格好でも寝れるドーナツタイプや浮き輪タイプ、クッションタイプといった、犬が嫌がりにくいエリザベスカラーも多くあるのでおすすめです。

エリザベスカラーの使用時に気をつけることは?

エリザベスカラーの使用時に、飼い主さんがちょっとしたことに気をつけてあげることで犬の負担を軽くすることができます。できるだけストレスがかからないように、また、周囲が見えないことで階段からの転落や段差でのつまずきなどでケガをしないように配慮してあげることが大切です。

エリザベスカラー使用時のストレスの軽減方法

室内の障害物を移動させる

エリザベスカラーを着けられた犬は、普段通りに過ごしていても、どうしてもカラーが壁や家具などにぶつかってしまうことがあるので、ぶつからないためにも障害物となるものや室内の不要なものは移動させてあげるとよいでしょう。

ごはんやお水を与える際の工夫

顔の周囲が覆いかぶさるタイプのエリザベスカラーは、犬の行動に制限をかけてしまいます。特に固いプラスチックタイプのエリザベスカラーは、マズルよりも先にカラーが床に接してしまったり、食器をカラーでどんどん押してしまうので、上手にお水やごはんが飲めなくなってしまうこともあります。

こういった時は、食器が滑らないようにするか、食器台を置いて食器の位置を高くすることで、犬がごはんを食べたりお水が飲みやすくなります。

特にお留守番をさせる場合には、帰ってきたらお水の食器をひっくり返していて飲めなかったということがないように配慮しましょう。

関連記事:お留守番もこれで安心!愛犬のお留守番に便利なおすすめグッズ13選

階段や段差の上り下りでのケア

径が大きなプラスチック製のエリザベスカラーは、犬が首を下げていると少しの段差でもカラーが引っかかったり、犬がつまずくことがあります。

犬はいつも通りに動こうとするので、段差や階段で転落してケガをする可能性もあるため、エリザベスカラーを装着している期間は、飼い主さんがサポートして一緒に階段を上り下りすることや、お散歩時は段差の少ない場所を歩かせてあげるようにしましょう。

プラスチック製のエリザベスカラーをしようする場合、ブルーなどの色付きタイプよりも透明タイプの方が犬の視野がわずかに広くなり、周囲の状況を察しやすくなるのでおすすめです。

犬を不安にさせないこと

エリザベスカラーを装着した犬に対して「大丈夫?大丈夫?」というような不必要な声かけや「怖かったね、今外してあげからね」といった声かけは、逆に犬を不安にさせることになるのでやめましょう。

愛犬が生活や体調に支障が出るくらいに本当にエリザベスカラーを嫌がっているのかは、判断が難しいところではありますが、犬は賢い動物なので、一度外してもらうと次に着けるときに余計に嫌がるそぶりを見せることもあるので、飼い主の対応によって不安にさせることで愛犬に余計なストレスがかからないようにしましょう。

犬を混乱させるよりも、最初から温かい見守りをした方がよい効果が出ます。

犬とたくさんコミュニケーションをとる

犬のストレスや退屈さを紛らわせるためには、飼い主さんが愛犬とたくさんコミュニケーションをとる方法をおすすめします。

術後、普段通りのお散歩ができなくても、おもちゃを使って遊んであげたり、積極的に触れ合うことで、患部を舐めようとする退屈な時間が少なくなるでしょう。

関連記事:愛犬が自分の手足を噛んでしまう!やめさせるにはどうしたらいい?

しっかり観察できるならエリザベスカラーを外してあげる

獣医師に相談した上で、愛犬が患部を舐めたり足で掻いたりする可能性が低いときや、飼い主さんが常に観察していられる状況であれば、おとなしくしているときにエリザベスカラーをそっと外してあげることもストレス軽減対策になります。

ただし、エリザベスカラーを外した状態で愛犬から目を離してしまう可能性があるのなら、患部を刺激してしまう恐れがあるので注意してください。

エリザベスカラーの種類を変えてあげる

犬用のエリザベスカラーは種類が豊富!動画で手作りの方法も紹介 ドッグパッド

昔からある、一般的な固いプラスチック製のエリザベスカラーは、視界が悪いことや犬の自由な体勢がしにくいという特徴があります。このためエリザベスカラーの種類を変えるということも、ストレスを軽減させるための方法のひとつとなります。

ただし手術後などで「抜糸までの間、絶対に外してはNG」と獣医さんから指示が出ている場合は指示通り行うことが愛犬のためとなります。

プラスチックだけじゃない!色んなエリザベスカラーをご紹介!

エリザベスカラーはプラスチック製のものだけではありません。今回は、定番のものから、犬のストレスを軽減させるものまで幅広くご紹介します。

最近は、メガホンのように音を集音しないタイプ、ソフトタイプ、浮き輪型、エリザベスウェア(術後服)が注目されています。

定番のプラスチックタイプのエリザベスカラー

プラスチックのタイプのエリザベスカラーは、メガホンのような形にして首に着けるベルタイプ・ラッパタイプが主流です。色がついているものや透明のもの、半透明のものがあります。

ベル型透明タイプのエリザベスカラー

定番のプラスチックタイプのエリザベスカラーです。透明タイプなので、色付きのものよりも、犬の視覚から入ってくる情報をわずかに広げることができます。

首元が柔らかい素材のエリザベスカラー

同じメガホンのような形でも、首元が少し柔らかい軽量タイプのソフトエリザベスカラーです。柔らかいということは、犬が動きやすいことでもあるので、患部を舐めないように注意しましょう。

布製(ソフトタイプ)のエリザベスカラー

布製のソフトタイプのエリザベスカラーは、犬の首回りの制限が少ないので、伏せたり横になったりしても音がしにくく、犬の負担が少なくなります。ただし、自由が利きやすい分、径の大きさによっては簡単に患部にマズルが届いてしまうので、傷口を悪化させないように注意が必要です。

見た目が不思議なドーナツタイプのエリザベスカラー

大きな円盤を首につけているように見えるので、見た目は不思議ですが、障害物にぶつかっても音が出にくいソフトタイプであることと、犬が自由な体制で寝ることができるのでおすすめです。

柔らかい素材で小型犬におすすめのエリザベスカラー

柔らかいソフトタイプのエリザベスカラーは、首やからだへの負担が少ないです。マジックテープで止めるタイプで、小型犬におすすめです。

新発想の介護にもおすすめのクッション型エリザベスカラー

今までになかった新しい発想のクッションタイプのエリザベスカラーです。頭に大きめのクッションをつけているような感覚なので、重いと嫌がるコもいるかもしれませんが、横になると枕になるので介護が必要なワンちゃんにもおすすめです。

犬への負担が少ない浮き輪タイプのエリザベスカラー

最近ペットショップでも販売されるようになってきているのが、この浮き輪型です。どんな方法であれ、患部にマズルや足が届きにくくなれば効果は同じです。

浮き輪タイプは、メガホンのように音を集音しないので、犬のストレスが少ないところが特徴です。ただし、空気を使って膨らませるので、苦しくならないように正しいサイズを選ぶことが必要となります。

見た目がかわいい・おしゃれなエリザベスカラー

見た目がかわいいエリザベスカラーもありますが、犬にはそんな事情は全く関係ありません。飼い主さんが楽しい気持ちになるエリザベスカラーをご紹介します。

カエルになれる!笑ってしまうエリザベスカラー

見た目のインパクトが印象的なソフトタイプのエリザベスカラーです。柔らかい素材を使用しているので、ぶつかっても大きな音がしません。マジックテープで留めるタイプです。

シンプルだけどおしゃれなドーナツ型エリザベスカラー

無地でなく派手でもなく、見た目もおしゃれなギンガムチェックのエリザベスカラーです。広めのドーナツ型で、中綿が入った柔らかいタイプなので、犬の首にも優しいのでおすすめです。

考え方が新しいエリザベスウェア

最近インターネットの通販で人気が高まっているのが「エリザベスウェア(術後服)」です。首にエリザベスカラーを装着するのではなく、患部を洋服で覆ってしまうことで、犬のストレスを軽減して患部を保護するお洋服です。

獣医師監修のエリザベスウェア(術後服)

エリザベスウェアは獣医師監修のもとに設計されているので、男の子用、女の子用に合った形となっています。20以上の種類があるところが特徴です。

エリザベスカラーは手作りもできる?

なんと!エリザベスカラーは手作りもできると話題になっています。いくつか方法があるので、今回は3つの自作エリザベスカラーの作り方をご紹介します。

子ども用のシャンプーハットを使ったエリザベスカラー

本格的な作りの手作りエリザベスカラー

保温シート(レジャーシート)を使ったエリザベスカラー

愛犬に適したエリザベスカラーを

エリザベスカラーというと、飼い主さんにとっては「犬にストレスがかかる」など、どちらかというとマイナスなイメージが多いかもしれません。しかし、エリザベスカラーを装着することで、患部の状態を早く回復させることができるのも事実です。

犬のエリザベスカラーによるストレスを最小限にするためには、愛犬の患部の状態や性格などから、愛犬に合ったタイプのエリザベスカラーを選んであげることが大切になります。エリザベスカラーの特集をお伝えしました!

関連記事:エリザベスカラー装着時の生活で気をつけたい5つのこと

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ドッグパッド編集部

ドッグパッド編集部

ワンちゃんとの楽しい生活に役立つ独自の情報を取材し、配信するエディター集団です。皆さまが普段「あるといいな」と感じていること「こんな工夫は楽しいよ」と知らせたいこと、疑問、質問、困りごとなど、どしどしお寄せください。

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