【第12回】特定非営利活動法人(NPO法人)群馬わんにゃんネットワーク代表/飯田有紀子さん【後編】

雑学

群馬県を中心に収容ゼロを目指して県内の犬猫の保護・里親探し・飼育相談などを行っている「群馬わんにゃんネットワーク」。
毎月第3土曜日に里親を希望される方に譲渡会を開いています。
寒波にみまわれた今年の冬にしては珍しく寒さの緩んだ昼下がり、譲渡会にお邪魔しました。

「最後まで責任と愛情を持って飼う」ことを徹底する

ーーー「殺処分ゼロ」ではなく、「収容ゼロ」を目指しているそうですが、どのように違うのでしょうか?

「殺処分ゼロ」は、その言葉だけが独り歩きして、とにかくゼロにしようと犬猫や愛護団体にしわ寄せがくることもあります。幸い、群馬県は行政が譲渡に力を入れてくれているので、現在、愛護センターと協力して里親探しをしています。 譲渡会は毎月開いていますが、インターネットでも同時募集しています。いらっしゃるときは身分証明書を、賃貸、集合住宅にお住いの方は「ペットの飼育許可が証明できる書類」をお持ちください。

当日は犬猫を飼うことを検討中のご家族からのご相談・ご質問も受け付けています。 私たちの活動は里親探しの他に飼い主の適正飼育を促す活動や避妊・去勢手術を促進する支援も行っています。というのも飼育放棄をなくせば収容犬も減り、殺処分もなくなってゆくからです。「最後まで責任と愛情を持って飼う」ことを徹底することが大切だと考えて活動しています。

新しい家族との出会いを待つワンちゃん

犬のことをよく知り、家族として迎えてください

ーーーこの活動を通じてどんな課題に出会いますか?

2007年にこの団体を立ち上げてから行政とも協力して、順調に活動を続けてきました。事務所は持たず、資金は極力犬や猫たちの治療費や食事代にまわるようにしています。

譲渡の際には、避妊・去勢の手術費用やワクチン代など、通常飼い主が行わなくてはならない経費は負担していただいています。皆様からのあたたかいご寄附やボランティアの方々の献身的な活動に支えられています。
犬や猫に関する問題はほとんど飼い主に起因します。それだけに飼い主の啓発に力を入れていきたいと思います。
例えば子犬を家族にする場合、兄弟でも性格が違うので見た目で判断しないことが大切です。

また、犬は種類によって性格やかかりやすい病気がそれぞれ違います。犬種の特徴をよく理解して家族として迎えてください。

成犬の場合、避妊、去勢を施してから譲渡するようにしています。避妊をしないとメスは子宮蓄膿症や乳腺炎に、オスは去勢をしないと前立腺がんや会陰ヘルニアになる危険性が増えます。生殖器関係の病気が多いので、日頃からからだの状態や生殖器の周りの様子にも気をつけたいものです。

私たちは保護犬を家族に迎え入れてくださった家族が幸せになるように、そして保護犬も幸せな生活が送れるようにと願って活動しています。


譲渡会では保護した時の状態からそれぞれの性格まで紹介されています

取材を終えて

子犬もひと月経つとすっかり大きくなります

同じワンちゃんを見る場合でも、飼う側の見方と保護活動をされる方々の捉え方は違います。飼い主の陥りやすいエゴを見つめ直すのに、飯田さんのお話はとても役に立ちます。
その子が家族としてくることで、「飼い主もワンちゃんも幸せになって欲しい」という想いがひしひしと伝わってきました。

保健所で引き取る犬は病気になって捨てられた犬も多いそうです。「病気になって高額の治療費を払うくらいなら、そのお金で新しい犬を買う」、そう考える飼い主もいるそうです。
私にも思い当たることがあります。

最初に飼ったチッボ(2011年に12歳で亡くなった柴のオスのミックス犬)はストレスから焦げたペットボトルを食べて、消化しきれずにお腹に溜まってしまいました。
開腹手術をするのに30万円近くかかります。

そのときふと「30万円あれば血統書つきの立派な代わりの犬が買える」と思いました。娘が泣いて手術を受けさせるように頼んだので、手術に踏み切りましたが、今考えるとひどいことを考えたと思います。本当に家族だと思っていたら、そんなことは思わなかったでしょう。

群馬わんにゃんネットワークでは「最後まで責任と愛情を持って飼う」ように飼い主からの相談を受けたりアドバイスを行っています。家族として受け入れる覚悟と環境が整わないのなら、本当は犬を飼ってはいけないのかも知れません。そのことをつくづく感じました。

新しい家族を待つゆめちゃん(6歳、メス)。とてもフレンドリーです

取材にご協力いただいた団体

特定非営利活動法人 群馬わんにゃんネットワーク

Tel : 090-5429-2112
Email : g.wannet@gmail.com
http://g-wan.net/index/parent/index.html

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Bowwow父さん

Bowwow父さん

父親の立場から、犬の気持ちになって、犬の食と健康に役立つ情報を取材するライター。我が子のために日夜ドックフードを食べ続け、ベストなフードを探しています。

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