2018/06/15

【犬種別かかりやすい病気】柴犬

柴犬は日本犬を代表する犬種です。日本の風土で古くから暮らす柴犬は、夏の高温多湿や冬の厳しい寒さにも強い犬種です。柴犬は他の犬種よりもからだが丈夫な犬種ですが、かかりやすい病気の傾向もあります。今回は柴犬のかかりやすい病気についてご紹介していきます。

柴犬の特徴

柴犬は立ち耳で、多くの柴犬は巻き上がった尻尾が特徴です。性格は飼い主に非常に忠実で用心深く、普段いつも警戒している犬が、心を許した人に全身を使って甘える姿はなんとも愛らしいです。もともと日本のさまざまな山岳地帯で猟犬として長年人々と共に暮らしていました。日本の四季や山岳地帯の厳しい環境に適応してきた歴史があります。このため、夏の高温多湿や冬の厳しい寒さにも強い傾向があり、病気に強い犬種です。毛色が赤茶色(赤毛)、胡麻色、黒色といった種類があるのは、各地域の山岳地帯の閉鎖された環境で受け継がれてきた特徴の名残といわれています。
からだは小さいですが、運動量が豊富なところも特徴で、これは古くより猟犬として山岳地帯を歩き続けていたためという説もあります。
それではここからは柴犬のかかりやすい病気についてご紹介してきます。

アトピー性⽪膚炎

アトピー性皮膚炎は柴犬に多い病気です。からだをとても痒がることが多いです。

症状

アトピー性皮膚炎は痒みを伴うため、犬が自分のからだを足で掻いたり、噛んだり、舐めたりすることで悪化しやすい病気です。症状が出る部分は主に、お腹、手足、指の間、脇の下から胸にかけて、目、耳、口周り部分です。慢性的にアトピー性皮膚炎を起こすと症状が収まらず、皮膚が硬くなったり、厚くなったり肌の色が黒くなる場合があります。

原因

人間のアトピー性皮膚炎同様に、ハウスダストといったさまざまなアレルギー反応による原因と考えられています。

治療方法

アレルギーや症状を抑えるためのヒスタミン剤、ステロイド、免疫を抑える薬を投与します。シャンプー剤や耳の洗浄液による皮膚疾患の悪化も考えられますので、その個体にあったシャンプー剤を選びできるだけ皮膚を刺激しないようにすることも必要です。

⽩内障

白内障は眼の中の水晶体部分のタンパクが変性することで白く濁った状態の眼の病気です。柴犬の場合加齢によって眼が白くなる傾向があります。

症状

白内障の症状は、瞳孔が白く見えるのが特徴です。ゆっくりと進行していく場合も、急速に進行するケースもあります。急速な白内障の進行は、最悪の場合失明の可能性もあります。さらにはぶどう膜炎や網膜剥離、緑内障を併発する可能性があるため注意が必要です。

原因

多くはシニア犬の加齢による発祥で、飼い主さんが犬の眼が白く濁っていることに気がついて分かることが多いです。しかし加齢だけでなく遺伝性、外傷によるもの、ぶどう膜炎、網膜萎縮、糖尿病、子犬の栄養失調、といった場合もあります。

治療方法

白内障がどれくらい進んでいるのかを把握し、水晶体や網膜の状態を確認します。白内障は手術が必要になる病気です。他の眼科疾患の発症や失明する前に手術を行い、犬のQOLを高める治療をできるだけ早く行うことが求められます。

⾓膜炎

角膜炎は、角膜の刺激や傷つけられる外傷、感染、自己免疫疾患が理由で炎症を起こす病気です。

症状

眼から涙が出ることが多く眼の周りが濡れていることが多い、目やにが多く出る、犬が眼の周りを気にするといった症状があります。角膜が霞んでみえる場合、血管や傷が明らかに確認できることがあります。

原因

柴犬はアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの個体が多いので、眼の周りを痒がって掻いているうちに角膜が刺激されること、傷をつけてしまうことから発症することが多いですが、事故、感染症、自己免疫疾患が理由で角膜炎が起こることもあります。

治療方法

角膜部分の浅い傷は軽度の角膜炎ですが、深い傷の場合は角膜潰瘍と言います。外傷が理由の角膜炎は基本的には抗生剤と抗炎症薬で症状を抑えます。ごく稀に涙腺に異常のある乾性の角膜炎の場合は涙の代わりに点眼を行います。しかし、感染による角膜炎、自己免疫疾患、糖尿病やクッシング症候群といった病気を抱える犬は急速に悪化する可能性があるので注意が必要となります。

⾷物アレルギー

食物アレルギーは摂取する食事、食材によってアレルギー反応がおこる病気です。

症状

アトピー性皮膚炎と同様に、湿疹から強い痒みを伴うので犬が皮膚を舐め、噛み、手足で掻き壊すことで、湿疹が悪化します。目の周り、口元、お腹、背中、手足、耳など全身に症状が現れる場合もあります。食物中のタンパク質に対して反応を示す疾患です。

原因

食物アレルギーを引き起こすアレルゲンとなる食材は、その個体によってさまざまです。例えば、鶏(鶏肉、玉子)、牛(牛肉、牛乳)、豚(豚肉)、魚(魚粉を含む)小麦、大豆、トウモロコシ、トマト、ほうれん草といったその他さまざまな食材の原因が考えられます。

治療方法

基本的には原因になる食材を与えないようにします。治療としては、まず痒みや湿疹がどういった皮膚炎なのかを判断するため、どの食材がアレルギーの起こしている可能性があるのかの検査を行います。反応を起こす食材のタンパク質を含まないタンパク質、つまり、例えば鶏アレルギーであったなら、食べたことのない鹿肉で皮膚炎が起こるかどうかを確認するといった、細かいケアが必要な場合もあります。
ドッグフードは総合食として製造されているので、原因の物質によっては、ほとんどのメーカーにも含まれている場合もあります。こういった場合、症状の重さによっては、飼い主さんの手作り食に変える、アレルギー対応のフードメーカーの食事を利用するといった対処が必要です。

まとめ

柴犬は日本の気候に適した犬種ですので、日本で一緒に生活するには最も環境に適応した犬種といえるでしょう。小型ですがとてもパワフルさがあり体力もあり、健康な柴犬であれば病気にかかりにくい犬種です。しかしその反面、皮膚の病気やトラブルがとても多く、理由はその個体によって異なりますが、アトピー性皮膚炎、アレルギーなどが挙げられます。さらに皮膚炎が多く肌を常に噛んだり舐めたりする行動はストレスが原因という説もあります。

特に柴犬はからだの大きさの割に運動量が多い犬種です。小型犬だからとお留守番ばかりで発散する時間が少ないと犬に大きなストレスがかかって、暇な時間に手足を舐める、からだを舐めて過ごすことで皮膚疾患を起こりやすくする原因にも繋がります。心身共に柴犬を病気にしないためにも、十分なお散歩の時間と飼い主さんに忠実な柴犬との強い信頼関係を築き、ストレスをかけないように過ごすことが必要です。

また、いつもと違う様子を知るために、子どもの頃からの成長や健康状態の変化を健康手帳や健康管理アプリなどを使って記録しておくことも、いざ病気になったときに大変役立ちます。