2018/06/17

【犬種別かかりやすい病気】ヨークシャーテリア

ヨークシャーテリアは小型犬の中でも人気のある犬種です。ヨークシャーテリアは艶やかな被毛が美しい魅力がありますが、ショードッグなど毛をロングにしている場合は特に日常のブラッシングのお手入れが必須です。被毛を短くカットしたり、毛を伸ばしてロングにしたりと飼い主さんによってケアは異なります。ヨークシャーテリアは膝関節の脱臼や、気管虚脱、心臓疾患、尿石症になりやすい犬種といわれています。今回はヨークシャーテリアのかかりやすい病気についてご紹介していきます。

ヨークシャーテリアの特徴

ヨークシャーテリア(YorkshireTerrier)は原産国がイギリスで、鉱山の労働者達がネズミ捕りのために小さなテリアを必要としていたことが、ヨークシャーテリアの生まれた由来の1つとされています。

体重は1〜3kg以内、体高は23cm程度の小型犬です。飼い主が大好きで一緒に遊んで欲しい、構って欲しいと主張するため、性格は自己主張が強く、気が強い傾向があります。

神経質な部分があるので、精神的な不安定さから体調を崩したり病気にかかりやすかったりするので、体調管理とともに精神的なケアも気を配る必要があります。

膝蓋骨脱臼(パテラ)

膝蓋骨脱臼は、ヨークシャーテリアがかかりやすく「パテラ」と呼ばれる病気です。膝のお皿の骨が大腿骨から外れる病気のパテラは、脱臼癖を起こすため、整形外科の治療が必要となります。

症状

軽度では症状がなく、飼い主さんが気付かないというケースも多いです。重度になると犬が動かない、歩きたがらない、びっこを引く(跛行)、自分のからだに触れさせない、痛がる、大きな声で鳴き極度に痛がるといった症状がみられます。飼い主さんが歩き方の異変や犬が動かない、痛がるといった動作の異変に気が付いてわかる場合が多いです。

原因

膝蓋骨脱臼(パテラ)の原因は、生まれつきの先天性膝蓋骨脱臼とケガや事故といった外傷性膝蓋骨脱臼に分けられます。膝蓋骨脱臼(パテラ)は先天性による因子が多く、この原因は不明ですが、遺伝の関係があると考えられています。外傷性膝蓋骨脱臼では、他の膝関節の異常(骨折、靭帯損傷、打撲)が起こった際に発症することもあります。

治療方法

軽度の場合は投薬治療を行いますが、進行すると足の骨の形が変形してくる可能性もあります。この場合は、できるだけ早い手術が必要になります。成長期に若くて足回りの筋肉量が多い状況で膝蓋骨脱臼を起こしている場合、投薬治療でなんとか生活できる状況だったとしても、高齢になって深刻な状況になる場合も考えられます。成長期の犬の場合は、今後のQOLを考え獣医師と相談して治療方法を選択するべきです。

予防としては、ソファー、ベッド、車の座席などから犬が飛び降りる動作をさせないことです。ヨークシャーテリアは小型犬のため抱っこをする機会が多い傾向があります。抱っこした犬を床に降ろす場合は、できるだけ低い位置で降ろしてあげることをおすすめします。日常の生活で「ポキポキ」と関節の音が聴こえる場合は、膝蓋骨脱臼(パテラ)の可能性もありますので、一度獣医さんに相談してみてください。

気管虚脱

気管虚脱はヨークシャーテリアで割りとよくみられる病気の1つです。咳をするのが特徴ですが、呼吸がしにくくなると命の危険に関わる深刻な病気です。

症状

犬が吠える、走る、嬉しい、警戒といった興奮状態にあるときに、アヒルや水鳥の鳴き声のような「ガーガー」といった咳をするのが特徴です。呼吸しにくくなり苦しくなると、通常はピンクの舌や唇、歯茎が、青紫に変わりチアノーゼを起こします。チアノーゼは命に関わる非常に危険な状態なので、すぐに対処が必要です。

原因

喉から肺をつないでいる気管が扁平化し、潰れてしまうことで空気を吸いにくくなるため咳が出ます。特に気管虚脱の病気を抱える犬は肥満体型だとより危険な状態になりやすいため、できるだけ苦しくなるリスクを下げるために、体重の管理が必要です。

治療方法

気管虚脱の症状を抑えるために、咳止めや気管支拡張剤を投与します。気管虚脱の犬の興奮状態がおさまらない場合は、余計に症状を悪化させることを防ぐために鎮静薬を使用することもあります。

水頭症

水頭症は小型犬に多いといわれていますが、ヨークシャーテリアにも多い病気です。

症状

水頭症の症状はさまざまで、知能障害、行動異常、てんかん発作、知覚過敏などがありますが、犬が痛みや異常をどのように感じているのかはわかりません。飼い主さんが水頭症の症状に気がつくポイントとしては、犬が同じところをぐるぐると回る、認知症かしら?と思うような行動、急に凶暴になる、一日中寝てばかりで元気がない、ぼーっとしていて目玉が動く、よだれが止まらない、麻痺や震え、失禁といったいつもと違う行動です。

原因

脳内の脳室というところに、脳脊髄液が過剰に溜まることで発症する病気で、先天性、脳の腫瘍、キアリ様奇形、ウイルスや感染による脳炎が理由の発症があります。割合では先天性が原因であることが多いです。傾向としては頭の形がドーム状で斜視がみられることが多いという報告があります。

治療方法

犬の症状を抑えるために、脳内の圧力を下げるための利尿剤、ステロイド剤を使用する内科的治療と、脳の脳室と腹腔をつなぐシャント手術で脳にかかる圧力を下げる外科的治療があります。

乾性角結膜炎

乾性角結膜炎は通称「ドライアイ」と呼ばれ、ヨークシャーテリアにも多い眼の病気です。乾性角結膜炎はKeratoconjunctivitisSiccaといわれ、略して「KCS」と呼ばれることもあります。

症状

乾性角結膜炎は、なんらかの原因で本来自然に出る涙の分泌量が不足することで、目を保護する機能が落ち、眼球が乾いてしまうことで角膜や結膜に炎症、傷がつくことや、傷からできた角膜の潰瘍の悪化、角膜炎を発症させます。粘度の高い黄色や緑色を帯びた目やにが出ることや、眼の他の病気の合併症を引き起こす可能性もあります。重症になると視力の急激な低下や失明にもつながる病気です。

原因

涙の分泌量が低下する原因は、自己免疫の疾患、外傷や腫瘍によるもの、涙腺や眼の炎症、先天性、服用している薬の副作用といわれていますが、原因不明の場合も多いです。

治療方法

人口涙液やヒアルロン酸の点眼治療や眼の洗浄を行います。自己免疫疾患が原因の場合や他の眼科疾患の合併症を防ぐために、その他点眼薬を使用する場合もあります。

まとめ

犬種によってはさまざまな病気にかかりやすい傾向があります。ヨークシャーテリアを家族に迎えようと考えている方は、ヨークシャーテリアがどんな犬種なのか、どんな日常のケアが必要で、病気にかかりやすいのかをきちんと把握することが必要です。

また、いつもと違う様子を知るために、子どもの頃からの成長や健康状態の変化を健康手帳や健康管理アプリなどを使って記録しておくことも、いざ病気になったときに大変役立ちます。