2018/06/21

【犬種別かかりやすい病気】マルチーズ

マルチーズは真っ白な被毛が特徴で人気のある犬種です。飼い主さんの膝の上でまったりと過ごすことや自分の定位置におさまって静かに過ごす傾向があるため、家族の癒しの存在となるでしょう。今回はマルチーズのかかりやすい病気についてご紹介していきます。

マルチーズの特徴

マルチーズ(Maltese)は地中海のマルタ共和国原産の犬種で、体重1.5〜3kg、体高20〜25cm程度の小型犬です。性格は明るく活発ですが、神経質な部分も持ち合わせています。真っ白く長い被毛をもつところがマルチーズの最大の特徴です。毛色が白く、頭のてっぺんの毛を結び、リボンをつけている犬種といえばマルチーズを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

ショードッグでは被毛をロングにしますが、家庭犬では短くカットする家庭が多いです。ロングにしている場合は被毛が絡まる、毛玉になるということを防ぐために日々のグルーミングは欠かせません。しかし、皮膚が薄いのでダメージを与えないためにも、力を入れたブラッシングは行わず、皮膚に注意を払いながらブラッシングを行うことが必要です。

歯周病

マルチーズの抱える病気の一つに歯周病があります。マルチーズはもともと口周りの毛が豊富なので、食事後に口を汚いままにしておくと口周りが臭いやすく、口周りに雑菌がつきやすく繁殖しやすい犬種といえます。歯周病にならないようにするためには、日常的にデンタルケアを行うことを心がけましょう。

症状

症状としては口臭、歯茎の出血、歯石沈着、歯や口元を触るのを嫌がる、痛みから食べ物を食べられない、くしゃみ、鼻や口から膿が出る、腐敗臭がするといった症状が挙げられます。歯周病の進行は、軽度のものでは歯肉炎として徐々に進行していきますが、症状が悪化すると急速に進行し、歯がグラグラしている、強烈な腐敗臭の口臭を放つといった症状が現れます。

原因

歯周病の原因は歯垢や口腔内の細菌によって、歯根や歯周組織に炎症が起こる病気です。どの犬種でも高齢になるにつれて歯周病になる可能性は高くなっていきますが、不衛生な飼育環境によっては若い犬でも発症する場合もあります。マルチーズは歯の噛み合わせが悪い個体が多く、この影響で歯に歯垢や歯石が溜まりやすい傾向があります。こういった理由からもマルチーズは歯周病になりやすいので注意が必要です。

治療方法

まだ歯茎の炎症だけの場合(歯肉炎)のうちに適切なデンタルケア方法を学び、飼い主さんがケアを行うことで症状の緩和を目指します。明らかな歯周病と診断された場合は、スケーリング(歯石取り)や歯周ポケットの洗浄、歯肉の治療、場合によっては抜歯を行います。

外耳炎

長い被毛で耳周辺が覆われやすいマルチーズは空気の通りが悪いため外耳炎になりやすいといえます。

症状

耳の中が赤く炎症し悪臭がある、耳を痒がり頭を擦り付ける、耳を振る、耳垢や耳垂れが出るといった症状が現れます。

原因

外耳炎は細菌、真菌、酵母菌による感染、耳ダニの寄生が主な原因となります。通常は耳の中にある常在微生物の日和見感染から由来する過度な雑菌の増殖によって外耳炎が起こります。

治療方法

耳の洗浄と抗生剤や抗菌剤、抗炎症剤を使用し症状を緩和させます。外耳炎を放置することで、耳の内部の感染が広がり、内耳炎や中耳炎を招く可能性もあるので注意が必要です。さらに慢性的に外耳炎になると治りにくくなるので、早期に治療をすることが悪化させない予防策です。

免疫介在性溶血性貧血

免疫介在性溶血性貧血は、犬の免疫系が自身の赤血球を攻撃することで赤血球を破壊する病気です。

症状

症状は軽度なもので通常の貧血と同じで、歯肉や口周り、眼の粘膜部分が白くなる、フラフラする、元気がない、呼吸が早い、頻脈、深刻な状態だと、黄疸、血尿、気絶、昏睡状態がみられます。徐々に貧血が進行するケースと、急速に症状が進行、悪化するケースがあり、急速な赤血球の破壊によってもたらされた貧血で、突然犬が昏睡状態に陥る場合もあります。

原因

免疫介在性溶血性貧血は原因不明であることが多い病気ですが、最近の研究では、ウイルス感染、薬の副作用、ワクチン接種、ガンによるものと考えられています。

治療方法

免疫介在性溶血性貧血の治療方法は、免疫抑制剤による早急な治療です。輸血も治療方法の一つですが、獣医師の適切な判断により行わないと、新しい血液が入ることで、より赤血球を攻撃しダメージを負う可能性もあります。また、命に関わる深刻な症状が現れている場合は輸血を行います。輸血をする場合は輸血の適合、継続的な供血犬の確保といった条件が揃わなくてはならず、リスクやハードルが高くなります。脾臓を摘出する手術をすることが効果的な場合もありますが、犬の状態や、病状によっては手術が出来ない場合もあり、完治が難しい病気とされています。

僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の左心室にある僧帽弁と呼ばれる血液の流れる量を調整する機能を持つ弁が、なんらかの理由によって閉じない、機能しないことで血液の逆流が起きて心臓が拡大する病気です。

症状

僧帽弁閉鎖不全症の症状は、疲れやすい、フラフラする、苦しそうに呼吸をする、乾いた咳をする、暑くないのにもかかわらず呼吸が荒い(パンティング)、定期検診で心臓に雑音が聴こえるといった症状があります。

原因

僧帽弁閉鎖不全症は僧帽弁や僧帽弁周辺の組織がきちんと機能しないことが原因です。この結果、心臓の左心室から左心房へ血液が逆流を起こし、心臓の肥大を招くことでからだに症状をもたらします。

治療方法

内科的な投薬治療と、外科的な手術で血液の逆流を止める治療方法があります。年齢によっては無理な手術を行うよりも、症状を抑えながらできるだけ激しい運動や興奮をさせずに、穏やかな生活を続ける目的を持った治療も方法の一つです。外科的な手術では、麻酔のリスクや手術後に血栓ができる可能性など大きなリスクがありますが、症状を大幅に改善できる期待も大きいです。

まとめ

マルチーズは長年日本でも愛玩犬として家族を癒す存在で人気のある犬種です。マルチーズではその他には僧帽弁閉鎖不全症以外の心臓疾患、眼科疾患、水頭症、膝関節脱臼などの疾患にもかかりやすいので注意が必要です。被毛が白いため、毛の汚れや涙やけが目立ちやすく、食後の口周りの手入れや眼科疾患が慢性化しないようにケアを行うこともマルチーズを家族に迎え入れる際、注意するポイントになります。