公開日
2018/06/30
更新日
2018/07/18

【犬種別かかりやすい病気】パピヨン

犬は犬種ごとにかかりやすい病気というものが違います。病気は早期に発見をしてあげることができれば、治療などの過程で犬にかかる負担も軽くなることがありますので、飼育していくうえでかかりやすい病気はチェックしておく必要があります。
今回は気品のある姿が人気の、パピヨンがかかりやすい病気について紹介していきます。

パピヨンの特徴

パピヨンの名前は、フランス語で「蝶」の意味を持っています。この名前は、蝶が美しく羽を広げたように見える耳の形からきていると言われています。
まるで大きなリボンを付けているかのような姿は大変気品があって美しいだけでなく、アーモンド型の大きな目とくるりと巻いた形の尻尾を持つことで愛らしさも兼ね備えています。

成犬の平均的なサイズは、体高が20~28㎝、体重は4㎏程度の華奢な小型犬となります。オスの方が若干大きいことはありますが、オスとメスで体型にあまり大きな差は出ないことが多いようです。
蝶のような耳が特徴であるパピヨンですが、なかには耳が垂れている犬もいます。これは決して奇形などではなく、耳が立たないタイプの同一犬種です。こちらは、フランス語で「蛾」の意味を持つ、ファレーヌと分類されることもあります。
日本国内では安定的な人気があり、JKCのデータによると毎年15位以内にはランクインしてくる人気犬種です。

難産

症状

妊娠時期の約二ヶ月が経過し陣痛がきている様子があるにも関わらず、なかなか出産にいたらない場合があります。
産箱の中をソワソワと動き回ったり、前足で床を掘ったりするような仕草を仕切りにする時は陣痛がきている証拠です。
いきんでいるような様子が見受けられるにも関わらず、なかなか出産が始まらない場合は難産と判断し、すぐに獣医師に連絡をしてください。

原因

小型犬の中でも身体が小さい部類に入るパピヨンは、産道も細く難産になりやすい傾向があります。

治療方法

体重が3㎏未満のパピヨンが妊娠した場合、難産となる確率がかなり高くなります。
専門的な知識がないままに安易に交配をさせてしまうと、子犬どころか母犬の命も危険にさらしてしまうことになりかねません。
後々後悔をするようなことがないように、妊娠中に獣医師の診察をしっかりと受診し、出産時期が近付いたらいつでも獣医師と連絡を取れるような体制を整えておくことが大切です。
また、自然分娩の時に慌てないよう、事前にレントゲン撮影してもらい、お腹の中に子犬が何匹いるのかを確認しておくようにしましょう。

白内障

症状

白内障は年齢を重ねた犬に多い病気で、パピヨンも当然例外ではありません。
これは、眼球の中にある水晶体が白く濁ってしまう病気です。

  • 目やにが増えてくる
  • 瞬きを多くする
  • 前足で目をしきりに触ろうとする
  • 涙が増える

これらが初期症状として多く現れます。
水晶体が完全に白濁してしまうと、視力が著しく低下し物にぶつかるようなことが増える場合があります。
更に症状が悪化すると、失明してしまうこともあります。

原因

発症の原因は、多くが加齢によるものです。稀に6歳未満の犬が発症する場合もありますが、この場合は若年性白内障と呼ばれます。
その他の原因としては、遺伝性による「遺伝性白内障」や、何かにぶつけて強い衝撃を受けた後に起こる「外傷性白内障」、糖尿病やホルモン系疾患が原因で起こる場合があります。
パピヨンの場合には、遺伝性によるものが比較的多いとされています。

治療方法

自然治癒はあり得ませんので、病院にて治療をするしか方法はありません。白内障は大変進行の早い病気ですので、早期発見が重要となります。
治療方法は、目薬や内服薬を併用し炎症を緩和させます。但し、投薬治療では進行を抑えることはある程度できても、視力を回復することは不可能です。
視力を取り戻す処置を希望するのであれば、外科手術を行うしか方法はありません。

進行性網膜萎縮症

症状

網膜が徐々に萎縮をしていき、それに伴って視力が低下していきます。
傍目には分かりにくいので、明るい場所でも物にぶつかるようになったり、段差などでの動きがぎこちなくなってきたりする様子を見て異変に気が付く方が多いようです。

原因

網膜の中にある光を集める部分が徐々に萎縮をしていくことが原因です。
最終的には失明をしてしまう可能性も少なくありません。

治療方法

遺伝性の病気のため、残念ながら予防法も治療法も現在のところ確立されていません。
この病気と診断されましたら、犬が安全に生活をしていけるような環境作りをし、ストレスなく過ごせるように心掛けてあげることが大切です。

眼瞼内反症

症状

涙や目やにが多く出るようになります。目に違和感があるため、前足で目をこするような仕草をよくするのも特徴です。

原因

まぶたが眼球側の内側に曲がってしまうことで、逆さまつ毛のような状態になりまつ毛が眼球を直接刺激してしまいます。また、変形して曲がったまぶたも同じように眼球を刺激しますので、結膜炎や角膜炎を引き起こしてしまうこともあります。
何かのきっかけがあって起こる病気ではなく、ほとんどが遺伝的な物といわれていますが、肥満気味の犬に起こりやすいという報告も出ています。

治療方法

遺伝性のために予防方法はありません。症状が軽度の段階であれば、逆さまつ毛を改善すべく、まつ毛そのものを抜き角膜の炎症を抑える治療を行います。
症状が重度まで進んでしまった場合には、外科的手術を行う必要が出てきます。
日頃から目やにや涙の量、まつ毛の様子などをチェックしておくことで早期発見に繋がります。

膝蓋骨脱臼

症状

膝蓋骨(しつがいこつ)は、膝の関節部分の皿のような骨をさすのですが、この骨がずれてしまうことで痛みを感じるようになります。
軽度の段階では、歩く時に後ろ脚を背後に蹴るような仕草を頻繁に見せるようになります。寝て起きた後などの動き始めによく見られます。症状が悪化していくと、足を地面に着くことを嫌がるようになり、最悪の場合は歩行困難に陥ります。

原因

先天性の場合には、そもそも遺伝的に関節周りの靭帯・腱・骨などが奇形であることが多く、年齢を重ねると共に膝蓋骨が脱臼しやすくなってしまいます。
後天性の場合には、高い場所からの落下・フローリングでの足腰への負担・肥満による体重増加などが原因で起こることがあります。

治療方法

先天性の場合には、遺伝的な奇形なので予防方法はありません。
後天性の場合の予防方法は、下記の3つになります。

  • 高い場所からのジャンプは日頃からさせない
  • フローリングにはカーペットを敷き、足腰への負担をやわらげる
  • 肥満にならないようにする

症状が軽症の場合には、犬が自ら足を後ろに蹴り出すような動きをして、無意識に骨を戻そうとします。
これで治ってしまうこともありますが、重度の場合には骨がずれてしまわないように手術を行わなければいけません。
そのうち治るだろうと放置しておくと足が変形してしまうこともありますので、早い段階で獣医師の診察を受けるようにしてください。

まとめ

パピヨンのかかりやすい病気について紹介をしてきました。
ここに挙げた病気のなかで、先天性のものなどは未然に防ぐことが難しい場合もありますが、日々の生活の中で飼い主さんが少し注意を払うことで異常をいち早く察知し、悪化をさせずに過ごすことは可能です。

動物は自分の体調不良を隠そうとする性質がありますので、いつもと何か少しでも様子が違う時には、よく観察するようにして早期発見を心掛けてあげてください。