公開日
2018/07/23

基本的なしつけ方法〜ハウス編〜【子犬から成犬まで】

愛犬に「ハウス」をしつけることは、多くのメリットがあります。ハウスはお留守番のためだけのものではありません。動物病院への入院、緊急事態の際の犬の避難場所として活用できます。犬が自分の安全な居場所はハウスであると認識し、閉鎖された空間でも大丈夫でいられることで、ハウスが落ち着けるスペースとなります。今回は犬のハウスのしつけの方法についてご紹介していきます。

「ハウス」の役割とは

「ハウス」は、犬がハウスを安全な場所と認識し、安心して過ごせるスペースの役割を持ちます。犬はもともとオオカミが先祖の動物です。オオカミは、外敵から身を守るために、狭くて薄暗い、横穴の巣を安全な場所として生活していました。こういった習性からも、犬には安全と認識できる落ち着ける空間が必要となります。
ハウスをしつけていることで、お留守番、来客時、ハウスごとの移動や輸送、動物病院の入院、災害時の避難、テンションが上がりすぎた際のクールダウンを行うことができるのです。

【実践】「ハウス」のしつけの方法

ここからはハウスのしつけの方法についてご紹介していきます。まず犬が混乱しないように、指示語(コマンド)を「ハウス」「ケージ」「おうち」など、どの言葉で統一するのか家族で確認をします。さらに、ハウスが嫌いにならないためにも、お留守番中に音に敏感にならないように、玄関や窓の近くにはハウスを置かず、出来るだけ静かな環境の場所にハウスを設置しましょう。

まずはハウスを選んでみよう

ハウスの種類はさまざまでケージ、クレートと呼ばれます。室内犬では、金属製のタイプで、通気性がよく重量と安定感があります。他にもプラスチック製、布製、メッシュタイプ、カバンタイプとさまざまなタイプがあります。

ハウスの選び方は、材質だけでなく、犬の大きさに対して、小さすぎることがなく、寝てリラックスできる、寝返りができるといったある程度余裕のある大きさが必要です。破壊行動のある犬は、布やメッシュタイプのハウスだと、内側から破壊して脱走する可能性があるので、金属製のハウスがよいでしょう。

屋外で飼っている犬には、雨や風、暑さや寒さからしのげるように、屋根のついた犬小屋タイプや自由に動くことのできる犬舎タイプのハウスがよいでしょう。

基本的なしつけ方法

ハウスの基本的なしつけ方法は、犬がハウスの中で吠えても構わないことです。最初はご近所の迷惑となるかもしれません。しかし、吠え続けてかわいそう、うるさいからと犬に構うことで、犬が吠えればハウスから出してもらえると学習してしまいます。ずっと吠える犬になるよりも、ハウスで安心して静かに待つことができるようになる方が飼い主さんにとっても愛犬にもよいことです

初日からハウスを使う

お留守番はハウスを使うべき、使わないべき、というのはその家庭の犬の飼育方針によって異なります。犬のお留守番はハウスに入れた生活をさせることを考えている場合は、愛犬が家族になったその日から、飼い主や母犬の匂いをつけたタオルなどを入れたハウスを使って寝させることをおすすめします。
これは、フリーの状態で寝かせた犬を、ある日突然ハウスに入れて寝かせるよりも、初日から「寝るときはハウスに入るものだ」と犬に認識させた方が、犬が混乱しないからです。もし、さみしくて泣いたり吠えたりしても心を鬼にして、無視して寝たふりをすることで諦めさせるしつけ方法です。

それでも鳴く、吠える、ハウスを引っかく、うるさい、という場合は、ハウスの中に空気が通るように注意しながら、ハウスに毛布や通気性のよい布かけて寝たふりをしましょう。

食事を使ったしつけの方法

最初は犬が警戒してハウスの中に入らないかもしれません。簡単なのは、犬がお腹を空かせている状態で、ドッグフードを入れた食器を見せて「ハウス」といい、ハウスの中で食事を与えることです。これを継続して続けることで、食事=安心して食べられる場所=自分の安全なテリトリー=ハウスということを学習させていきます。

おやつを使ったしつけの方法

食事のタイミングを使ったしつけの方法だけでなく、おやつ(ドッグフード)を使った方法も効果的です。犬の鼻先におやつを持っていき数粒与えて気を引き、犬の鼻先におやつをつけたまま、ケージの中に「ハウス」と声をかけて誘導する方法です。

これでも警戒する犬には、ハウスの中におやつ(ドッグフード)をばら撒いて食べさせることで、ハウスに入ったときの足の感触や不安、警戒心をといていきます。ハウスを嫌がる犬を、リードや首輪を引っ張って無理に押し込んで閉じ込めることは、犬にとって恐怖でしかありませんのでやめましょう。

ハウスに留まらせ、自分の居場所だと学習させる

ハウスの中に犬が入り、食事が出来るようになったら、次はハウスに留まっていることを学習させていきます。犬が食事のときだけでなく、疲れたとき、寝たいとき、恐怖を感じたときにハウスに入ることができたら大成功です。嫌がる犬はハウスの中で吠え続け、ガリガリとハウスを掘るかもしれません。この場合は、基本的に無視をします。ここで構うことで吠えれば誰か構ってくれる、出してもらえると学習してしまうので、注意してください。

酸欠にならないように気をつけて、厚めの毛布や布をかけて静かな時間を作り、吠えなかったらごはんまたはおやつを与えるか、外に出してあげましょう。毛布や布をかけていて犬がハウスの中で大騒ぎしたときは、犬が周囲の様子を見えない状況に限って、小石を入れた缶を床に叩きつけてびっくりさせて吠えるのをやめさせる「天罰方式」を使うことができます。この場合は誰が投げているのかをわからない状態(天罰)であることがポイントです。

成犬に「ハウス」のしつけの方法

子犬は、初日からハウスで寝ることが当たり前のようにするしつけの方法や、食事やおやつを使ったしつけの方法に慣れやすい傾向がありますが、頑固で警戒心の強い性格の成犬では、今までハウスをしてこなかった自由な犬が、突然狭い空間に入れられることに抵抗するケースがあります。

この場合は、決して無理をせず、時間をかけて気長にハウスのトレーニングを行いましょう。嫌々ハウスに入れられるのでなく、犬が安心できる場所として認識することがポイントなので、上下が取り外しできるハウスの場合は、上半分とドアを取り外して下半分を使って足の裏の感触から慣れさせていきます。足裏の感覚だけでなく、ゴトゴトと聞こえる音も嫌がる犬がいるので、必要であればハウスの下に滑り止めを使って音が出ないようにしましょう。

下半分のハウスの中に入れるようになったら、次は上半分を取り付けてドアは外して、チャレンジしていきます。時間をかけて慣らしていくので、無理にドアを取り付ける必要はありません。「ハウス」という声で食事を与え続けることで、いつの間にか食事の時間になったときに、ハウスの中に入ってごはんを待ってくれたら大成功です。あとはハウスの中で留まるように、ドッグフードを詰めたおもちゃを入れるか、ハウスの中にフードをばら撒き短い時間からハウスの中に留まっていられるように学習させていきます。

まとめ

愛犬がハウスを学習することで、お留守番だけでなく、動物病院での入院、災害時の避難、輸送で役に立ちます。災害時には、人間の避難場所とは離れた別の場所でハウスに入った状態で犬達が過ごすケースが多いでしょう。災害時は犬もストレスを感じ、日頃からハウスに入ることに慣れている犬よりも、ハウスが出来ない、ハウスに入ったことのない犬は大きなストレスを感じます。犬が日頃から安心できるスペースを与えてあげることが万が一のためになるのです。