公開日
2018/07/26

ウルフドッグ(狼犬)ってどんな犬?

狼と犬を掛け合わせた犬、ウルフドッグをご存知ですか?日本では狼犬とも呼ばれ、最近ではメディアにも登場することもあり注目を浴びています。
そこで今回は、なかなか実物を見る機会の少ないウルフドッグについて、どのような犬なのかその特徴などを紹介していきたいと思います。

ウルフドッグ(狼犬)とは?

ウルフドッグは、シベリアン・ハスキーやジャーマン・シェパード・ドッグとオオカミを交配して作出した大型犬種で、別名を「狼犬」とも言います。
見た目は犬というよりもオオカミに近く、その凛々しい姿に一目惚れしてしまう人も少なくありません。
ただ、日本で飼育されているウルフドッグはほとんどがカナダからの輸入犬で犬とオオカミの交雑種であるため、JKC(ジャパンケンネルクラブ)では正式な犬種として認定していません。

交配に使用した犬やオオカミの血の濃さなどによって、大きさに幅があるのも特徴といえます。
平均的な大きさが次の通りです。

  • 体重:40~70㎏
  • 体高:65~85㎝
  • 体長:90~150㎝

一応大型犬の分類となりますが、超大型犬に匹敵する程の大きさにまで育つこともあります。

ウルフドッグの種類と特徴

実はウルフドッグにはいくつか種類があり、それぞれ特徴が少しずつ違っています。
日本国内で飼育されているウルフドッグとは、少しルーツが違いますので詳しく紹介しておきましょう。

サーロス・ウルフホンド

オランダ原産のウルフドッグで、FCI(国際畜犬連盟)ではウルフドッグ犬種として認定されています。
身体能力が素晴らしく容姿も優れているので、ペットとして飼われていたりドッグスポーツの分野で活躍していたりする場合も多く、ウルフドッグの中でも最も人気があるといえるでしょう。
外見は、犬とオオカミの中間くらいですが、特性的にはオオカミの方を強く引き継いでいるといえます。毛並みはショートコートで、毛色はシベリアン・ハスキーに似ていることが多いです。

チェコスロバキア・ウルフドッグ

旧チェコスロバキア原産のウルフドッグで、サーロス・ウルフホンドと同様にFCI(国際畜犬連盟)でウルフドッグ犬種として認定されています。
外見はサーロス・ウルフホンドよりもオオカミに近いのですが、特性は犬の方をより強く引き継いでいます。
毛並みはやや長毛で、冬と夏では毛の量が激しく違いますので、季節によって雰囲気が変わってきます。

クンミング・ウルフドッグ

中国雲南省昆明市原産のウルフドッグで、元々は軍用犬や警察犬専用として作出されていました。
2008年の北京オリンピックにて、この犬を警備に使用していたのをきっかけに注目を浴びるようになりました。
外見はジャーマン・シェパード・ドッグに近く、ウルフドッグのなかでも人慣れが比較的早いとされています。

ハイブリッド・ウルフドッグ

明確な規定が存在する訳ではないのですが、狼犬のなかで狼の血を75%以上受け継いでいるものをこのように呼びます。
ハイパーセント・ウルフドッグと呼ぶ場合もあるようです。
このハイブリッド・ウルフドッグは、戻し交配という近親交配をさせることでオオカミの血がより強くなるように作出されています。
ウルフドッグ愛好者は、オオカミの血が濃ければ濃いほどそこに価値を見出す傾向にありますので、通常のウルフドッグよりもかなり高額で取引されるといわれています。

ウルフドッグはどんな性格?

ウルフドッグは、犬特有のご主人に対する従順さと、狼特有の警戒心の強さと注意深さを持っています。
性格は、飼育環境やしつけの方法で大きく変わってきますので一概には言いがたいのですが、自分が主人だと認めた人や家族に対しては優しく忠実で、それ以外の人に対しては警戒心が大変強く気安く触らせるようなことはあまりしません。

狼の気質がありますので、家庭犬として育てても凶暴な一面が無くなることはないとされています。実際に、飼い主さんに代わり世話を頼まれた女性が、ウルフドッグに噛まれて死亡してしまった事件も起きています。
また、家族に対しては愛情深く接する性質を持ってはいますが、過度なスキンシップはあまり求めません。常に一定の距離を保ち、お互い独立心を持ったパートナーとして扱うのがベストです。

ウルフドッグの寿命は?

ウルフドッグの寿命は、一般的な大型犬種と同様に平均10~12年程度とされています。
但し、10年以上も生きるウルフドッグは日本国内で飼育されている場合がほとんどで、海外のウルフドッグの平均寿命は8年程だとされています。

ウルフドッグって飼えるの?

テレビなどでも最近は取り上げられることがありますので、狼犬と言われるウルフドッグを是非飼育してみたい!と思う方は意外と多いようです。
実際にウルフドッグを飼育する場合には、普通の犬を飼育するのとでは少し事情が違ってきます。
その点を紹介しておきます。

飼育には都道府県知事の許可が必要(特定動物に指定されているため)

ウルフドッグは、飼育する際には各都道府県知事の許可が必要となる「特定動物」に指定されています。
その為、飼育を考えているのであれば、まずはお住まいの自治体に申請をする必要があります。この申請は飼育の許可を得るだけではなく、飼育の環境が備わっているかどうかも合わせて調査されます。
但し、この規定については全国統一でなければならないのにも関わらず、自治体によって対応が違うという事実もあります。

最も多く採用されている規定が次の通りです。

  • 一定の基準を満たしている飼養保管設備を確保する(オリ型の施設利用)
  • 逸走を防止できる強度と構造を兼ね備えた設備にて飼養
  • 第三者の接触が容易にできない飼養環境を確保
  • 定期的に飼養環境の点検を実施
  • 特定動物飼養許可標識の提示
  • 首輪やマイクロチップなどの個体識別措置対応

自治体によっては、更に条件が付け加えられていることもあります。
いずれにせよ飼育を考えているのであれば、まずはお住まいの役所に確認をするのが飼育への第一歩です。
ちなみにウルフドッグは、信頼のおけるブリーダーから購入するか海外から輸入するようになりますので、価格は最低でも50万円程度、オオカミの血の濃さなどによっては100万円を超える場合もあります。

ウルフドッグを飼うにはしつけが重要

ウルフドッグは狼犬とも言われる犬ですので、犬を飼育したことのない初心者が容易に飼育できる犬ではありません。
一度飼い主さんをリーダーと認めさえすれば、賢く素晴らしいパートナーになってくれますが、本来持っている野生味と警戒心が無くなる訳ではありませんので、普通の犬と同じように考えるのは危険です。
しかも、リーダーだと認めさせるまでには、普通の犬と比較してもかなりの時間を必要とします。その間常に一貫した毅然とした態度で犬と接していく必要がありますので、飼育経験のある人でも慎重にしつけを行う必要があります。

また、ウルフドッグは1日に2~3時間の運動時間が必要とされていますので、その時間の確保も必要となります。
厳しいことを書きましたが、それでもウルフドッグを飼育しようと決めたのであれば、事前にしっかりとしつけ方法を勉強し、環境を整えてから迎え入れてあげてください。

まとめ

日本では狼犬とも呼ばれる、ウルフドッグについて紹介をしてきました。
可愛らしい小型犬とはまた違った素晴らしい魅力を持つウルフドッグではありますが、一時期の感情だけで飼育していける犬ではありません。
それでも飼育を試みるのであれば、きちんとした手続きを踏み、ご自分はもちろん家族や周囲の人に万が一のことが起こらないよう、そして何よりも犬が幸せに暮らしていける環境を整えてから迎え入れてあげてください。