公開日
2018/09/02

ディスクドッグ競技中に愛犬を熱中症にしないために

近年、日本の気候も大きく変わりつつあることを痛感する災害が各地で起きています。この夏も今までの常識が通用しない暑さが続いており、人にも犬にもたいへん厳しい気候に変動しつつあるのかも知れません。
さて、今回は、初夏から初秋にかけてディスクドッグ競技に参加する際も犬は熱中症の危険にさらされている現実を把握していただき、正しい対処をしていただく事で、愛犬の命を守れることをお伝えします。
ただし、私はペットセーバー認定資格と長年のディスクドッグ経験上の内容を書かせていただきます。

熱中症とは

体が高温多湿な環境下で、体温をうまく下げることができず、全身の臓器の働きが鈍くなる障害を起こすことです。

暑い日に症状が出なくても、熱が体内に蓄積されて、数日後に症状が出る場合もあるので、油断できない障害です。ディスクドッグを楽しんだ後も愛犬の様子に注意してしっかりとケアをしてあげましょう。

怖い熱中症

人は、汗をかいて気化熱を利用して体温を下げます。しかし、犬は呼吸によって体内に溜まった熱を放出して体温を下げようとします。暑いときに犬が舌を大きく出してハァハァと呼吸をするのはこの為です。汗を出す汗腺という分泌腺が犬は極端に少ないからです。足の裏やお腹からも多少の熱を逃がしますが、僅かな量です。

犬は人と比べると、体内に余分な熱が溜まりやすいため熱中症にかかりやすく、最悪の場合には死亡してしまうこともあります。人が感じる以上に暑さに弱いことに注意しましょう。

熱中症の症状

熱中症には次のように、程度によりいくつかの症状があります。

初期症状

・ぐったりしている
・食欲がない
・荒い呼吸が収まらない
・早い心拍が続いている
・よだれが多い
・フラフラ歩く、または倒れこんでしまう
・口の中の赤みが強くなる

この時に、起こる症状として次のことが考えられます。

熱痙攣(ねつけいれん)

水分とナトリウムの喪失により、足をつったり筋肉の痙攣が起こります。

熱疲労(ねつひろう)

皮膚や筋肉への血流量が異常に増えることで、血液循環がおかしくなり、体温調整機能不全に陥ったりします。

重症

・吐いたり、下痢・血便がある
・眼振が出る
・体が痙攣する
・意識消失
・尿が出ない、或いは血尿が出る

この時に起こる症状として次のことが考えられます。

熱射病(ねっしゃびょう)

体内に熱が長時間こもった結果、脳内の体温調整中枢が破壊された状態を指します。
体温は42度を超え、細胞の壊死、腎臓をはじめとする多臓器不全を起こし、死に至ることがあります。

ディスクドッグ競技会前後の熱中症対策方法

車の中にいる場合

水を切らさない

ケージ内でいつでも水が飲めるように、補水器を付けたり、器にたっぷりと水を入れておきましょう。

直射日光を避ける

可能であれば、運転に支障ない窓(法で制限があります)には市販の反射マットや、遮光シート等を張り、直射日光を和らげる事も効果的です。駐車時には全ての窓に対策をすると、温度上昇を下げる効果が期待できます。

車内に放置しない

車内にエアコンをつけた状態で待機させた場合は、エアコンが止まったり、効きが不十分なトラブルは重大な事故につながります。短時間で重度の熱中症に陥る危険がありますので、車内放置は避けた方が無難です。止むを得ず、エアコンをつけて待機させる場合も、こまめに様子を見に行きましょう。

外にいる場合

風通しの良い木陰などを活用する

犬を直射日光から避ける木々を利用しましょう。木は、直射日光を遮ると共に、酸素を作り出すので、人にも犬にも優しい環境作りに大きな働きをします。

また、休憩時はなるべく風の通る場所を選び、多湿にならないようにしましょう。

タープやテント利用の際も風通しに気をつける

会場が木陰などを利用できない場合、タープやテントで日陰を作ってあげることも効果的です。夏場は、雨風をしのぐよりも、日差しを遮ることと風を通すことに重点を置いた設営をお勧めします。扇風機を利用することも有効ですが、外気温が異常に高いときなどは熱風を当てることになりかねないので注意も必要です。

また、日差しが強い場合、タープの生地が熱を持って、かなりの高温になることもあるので、状況に対処できるように遮光ネット(ホームセンターの園芸コーナー等で簡単に手に入ります。なるべく、遮光率の高いものを選ぶことをオススメします。)等を準備しておきましょう。

噴霧器も活躍

これも園芸用ですが、少し大きめ(4~5リットル)の噴霧器も夏場は活躍します。タープやテントに霧を吹きかけると気化熱を奪うので、温度を下げる効果が見込めます。また、空間に撒いてもミスト効果で体感温度を下げる効果が期待できますので、活用すると良いでしょう。

水を十分に飲ませる

常に犬が水を飲めるように、ケージでの待機時はもちろん、トイレ散歩などでもPETボトルを持ち歩くなどして、水を切らさないように気をつけましょう。

体を時々濡らす(気化しやすい状況をつくる)

被毛の上からでは、水を弾いてしまうため、被毛をかき分け地肌に近いところや脇の下、お腹が有効です。冷やしすぎは体調を崩すこともあるので、氷水ではなく、常温の水を使いましょう。PETボトルに霧吹き機能を持たせるスプレーヘッドなども市販しているので、利用すると良いでしょう。

競技後のクールダウン方法を間違えない

競技を行なった後には、体温が上昇するので、ケアをしっかりとしてあげましょう。夏場のクールダウンは、方法を間違えてしまうとかえって体温の上昇を招く恐れがあります。過度の運動はせず、ゆっくりと木陰を歩いたり、常温の水(氷水や冷水は一部だけを一気に冷やし、血管の収縮も招いてかえって効果を低くしてしまいます)をかけてあげたり、体を浸せる水場を利用するなどしてあげることが効果的です。

適度な散歩で、犬のコンディションを確かめる

過激な運動は避け、ゆっくり歩きながら、変わった様子がないか小まめに確認しましょう。アスファルトや石は、照り返しにより温度も高く、酷いときは火傷を負うこともあるので、なるべく土や草地の上を歩かせましょう。

まとめ

ディスクドッグ競技の際の熱中症対策について書いてきましたが、一番は熱中症にならないように予防をしてあげることが大切です。そして、症状が現れたら、速やかに体温を下げる処置をしてあげることで、初期の症状は改善が期待できます。

しかし、重症になったら、私たちの処置では命を救うことはできません。躊躇することなく、一刻も早く動物病院に連れて行きましょう。近隣での練習時の熱中症トラブルに対処するには、目ぼしい動物病院を予め受診しておいたり(初診では手続きに余分な時間を取られることが有ります)、犬の搬送可能なタクシー会社を調べておくと時間短縮に有効です。
熱中症は、時間の経過と共に命に危険が及ぶとても怖い症状だということを知っておきましょう。