本来犬たちが持っている能力。知っているようで知られていないことも多いと思います。犬たちはどのような能力を秘めているのでしょうか。犬ができて人間にはできないことをまとめてみました。
犬は知れば知るほど面白い!
「犬にはできて人にはできないこと」皆さんはどのようなことを連想しますか?本来犬たちが持っている、人間にはまねできないことをまとめてみました。
知れば知るほど面白い、犬たちのすぐれた能力をご紹介します。
犬ができて人間にはできないこと
犬ができて人間にはできないことをご紹介します。ここで使用している犬種のグループは世界畜犬連盟(FCI)で定められているグループ分けでご紹介しています。
犬たちが見ている未知の世界をのぞいてみましょう!
犬といえば嗅覚
犬が人間より発達しているものといえば「嗅覚」が代表的なのではないでしょうか。
犬と人間の嗅覚の違いを簡単にご説明します。
もののにおいを感じ取る嗅覚受容体細胞。この嗅覚受容体細胞は、人間の鼻には約600万、牧羊犬の鼻には2億以上、嗅覚ハウンドの中でもメジャーなビーグルの鼻には3億以上あるそうです。
例えとして、人間がスプーン1杯の砂糖をコーヒーに入れたら、その方の味覚にもよりますが「甘い」と感じる程度です。ですが、犬たちは100万ガロンの水の中に、同じように1杯の砂糖を入れても嗅覚により、検知できることがわかっています。
また嗅覚ハウンドの興味深い特徴の、大きなたれ耳。
獲物のにおいを嗅ぎ取り狩りをする嗅覚ハウンドたちは、獲物のにおいを鼻に集めやすいように、大きなたれ耳を持っている犬種が多いのです。
犬のすぐれた聴覚
犬のすぐれた特徴といえば「聴覚」もそのひとつです。
人間が聞き取れる周波数の幅は20ヘルツ~20キロヘルツといわれています。
犬が聞き取れる周波数の幅は15ヘルツ~45キロヘルツ(50キロヘルツと記されているものもあります)といわれています。
低音や高音の周波数も察知できる犬の聴覚。
静かさを求めて、静穏設計の家電を置いたとしても、犬にはあまり関係がないようです。
また、犬は私たちの声のピッチも聞き分けており、楽しい気分のときの「お散歩に行こうか!」と、今日は疲れたな・・・というときの「お散歩に行く?」の違いもしっかりと聞き分けているのです。
余談ですが、犬の聴覚を利用した有名な楽曲、THE BEATLES「SGT.PEPPRE’S LONELY HEARTS CLUB BAND」に収録されている「A DAY IN THE LIFE」。
この楽曲には、ジョン・レノンの考案で、犬にしか聞こえない犬笛の音源が収録されています。ジョン・レノンはどのようなメッセージを犬たちに伝えたかったのか、興味深いですね。
犬から見た世界
人間は視覚により物事を判断する生き物です。さて、犬の視覚はどうなのでしょうか。
犬の視力は人間が視力検査で用いる、ランドルト環を使用した検査で例えるなら0.2~0.3程度といわれています。
犬は動体視力がすぐれており、動いているものは見えるのに、その対象がとまると見えにくくなる傾向があります。
ボール遊びをしていて、投げたボールは遠くまで走って追いかけるのに、落ちた瞬間、ボールを探し回るというのはこれが原因なのです。
犬が見えている色も人間と異なります。犬が見えやすい色は青色と黄色。人間が紫や紺色に見えている色は青色に、黄緑やオレンジ色などは黄色に見えているようです。
また、犬は暗闇の中でもわずかな光があれば、ものが見られます。
暗闇で愛犬の目が、赤や緑に光っているのを見たことがあるのではないでしょうか。
この光っている部分をタペタム層といい、人間にはない細胞層です。
タペタム層により暗闇でもわずかな光があれば、犬はものが見られるのです。
犬が走るスピード
走るスピードが速い犬といえば、視覚ハウンドに属している犬種があげられます。
その中でも最速のスプリンターといわれているのが「グレーハウンド」です。
グレーハウンドの最高時速は70キロメートルに及ぶそうです。
人間の世界記録は2009年にジャマイカのウサイン・ボルト氏が樹立した100メートル9秒58。これを単純に時速換算すると約37.6キロメートルになります。
犬が本気を出すと、とてもすごいことが分かりますね。
おなじ視覚ハウンドのサルーキは、速度も持久力も兼ね備えている犬種です。
視覚ハウンドというひとくくりのグループですが、短距離が得意な犬種と中距離が得意な犬種など、さまざまな走り方を好む犬たちがいることも面白い発見ではないでしょうか。
最後に
まだまだご紹介したい犬と人間の違いがまだまだあるのですが、今回はこのあたりで終わりにしたいと思います。部屋の傍らで、のんびりと寝ている愛犬たち。犬たちはすばらしい能力であふれています。
この記事を書くにあたり、参考にした文献です。とても面白い本なので、犬の知識を深めたい方はぜひ手に取っていただけたら幸いです。
参考文献:
「ビジュアルマスター 最新 くわしい犬学」 くわしい犬学 編集委員会
「最新 世界の犬種大図鑑」 藤田りかこ著
「犬から見た世界」 アレクサンドラ・ホロウィッツ著
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