犬を家に留守番させて外出しようとすると愛犬が吠えて困るというお悩みや問題は多く、飼い主さんやご家族が出かける準備をしただけで不安を感じて突然吠え続け、吠えが止まらなくなる犬もいます。外出時に飼い主さんと愛犬のストレスを減らすために、人が外出をしようとすると犬が吠える理由と吠えを止めさせる対処法を紹介します。
飼い主や家族が外出しようとすると犬が吠えて困る!
飼い主さんやご家族の誰かが、外出をしようとしたとき、着替えたりお化粧をしたり、車や家のカギを持ったりしただけで愛犬が吠えて大騒ぎをしてしまうことはありませんか。
吠えるだけならよいですが、出かけようとしている飼い主さんの洋服を咬んだり、室内をぐるぐると走り回ったり、そして吠え続けることによって犬のテンションがどんどん上がってしまい、結果的に興奮状態となって収拾がつかなくなることもあります。
愛犬のこのような状態がみられると、なかなか人の外出ができなくなくなったり、外出をするたびに飼い主さんも愛犬も疲れてしまいます。
そもそも、なぜ犬は飼い主さんや家の中の誰かが「これから外出をする」ということに気が付くのでしょうか?
犬は非言語動物であり、人間のようにお互いに言葉を話してコミュニケーションをすることはありません。その代わりに体の動きなどで相手の状態を理解し伝えるボディランゲージを使ってコミュニケーションを行なっています。
愛犬は、室内の人の動きや様子を相手を常に観察しているため、注目している人のちょっとした変化にもすぐに気が付くため、飼い主さんのいつもと違う様子や行動であったり、外出とつながる洋服やアイテムを持ったときに、犬が外出を瞬時に察知して「吠える」という行動をとるのです。
人が外出しようとすると犬が吠える理由
犬の鋭い観察力によって、飼い主さんや画像の外出を察知して吠えてしまうことはありますが、激しく吠えたり、吠えが続いて止まらないという場合は「犬の問題行動」として扱うべきだと思います。
では、犬の問題行動につながる吠えを助長させてしまう2つの理由をご紹介します。
理由①人が出かける前と後のギャップを作ってしまっている
飼い主さんやご家族の誰かが外出をする前に愛犬に「行ってきます」や体をギュッと抱きしめて「いいこにしていてね」「待っててね」などの言葉を愛犬に伝えようとする飼い主さんは多いと思います。
ですが、この何気ない人の行動に問題があるのです。
このように犬に接することで、人の外出した後に室内にポツンと残された愛犬は、飼い主さんがかまってくれたと思ったのに、すぐにいなくなってしまうという大きなギャップを経験し学習します。
このため飼い主さんが外出をするそぶりをみせると、学習をしたことを思い出して犬が吠えるようになるケースもあります。
さらに、ここで飼い主さんは、外出をするときに犬が吠えたからかわいそうだと思って余計に声をかけたり、犬をなでたり別れを惜しむような行動をとってしまうと「吠えたら飼い主さんが外出をしない、吠えたらかまってくれる」と学習を積み重ねてしまい、どんどん吠えることを強化して外出時の吠えがおさまらないという悪循環のループに入ってしまうのです。
理由②愛犬の分離不安が原因の可能性が考えられる
もうひとつの原因として考えられるのは「分離不安」です。
犬の分離不安とは、飼い主さんとの絆が深かったり、いつも飼い主さんと一緒にいたり距離感が近い状態で生活しているなど、飼い主さんへの依存が高い犬にみられることがある症状です。
分離不安の犬にみられる行動の傾向として、飼い主さんが外出をするそぶりをみせると、極度に不安そうな行動(震える、呼吸が荒くなる、意味もなく歩き回る、落ち着かない、鼻を鳴らすなど)の様子がみられることが多いです。
また、愛犬が留守番をしている間に、不安行動から自分の足を血が出るくらいなめたり噛んだりしてしまったり、ドアや家具などを異常なほどにひっかいたり噛んだりすることもあります。
もし、愛犬が分離不安なのではないかと感じたら、まずは獣医師やドッグトレーナーに相談をしてみましょう。
そして、知識と経験のあるドッグトレーナーに犬の分離不安の対策として正しい行動修正をしてもらう必要があります。
愛犬に分離不安と思われる仕草や行動がみられたら、軽い症状であっても獣医師やドッグトレーナーなどの専門知識がある方に相談をしてみてください。
関連記事:【ドッグトレーナーのしつけ教室】ワンちゃんの無駄吠え対策
飼い主の外出時に愛犬が吠えるのをやめさせる対処法
愛犬が外出するとき吠えるようになってしまったら、どのようにやめさせればよいのでしょうか。ここからは外出時の吠えをやめさせる対策やトレーニング方法をご紹介します。
対処法1. 出かける前や帰宅時に愛犬に声をかけない
人が外出するときに吠える犬は、飼い主さんがいなくなる「外出」にとても敏感になっているため、最初に飼い主さんが外出をすることに慣れさせる必要があります。
まずは、外出時に「行ってきます」などと愛犬に声をかけないで、スーッと黙って外出をするようにしましょう。また、帰宅時も「ただいま」「お利口だった」などと声をかけず黙って家の中に入りましょう。
このように、飼い主さんがいなくなる合図や帰宅をしたサインをなくしていくことで、犬は外出前と留守番をしているときのギャップを感じにくくなっていきます。
そして、飼い主さんの帰宅時に愛犬が吠えずに静かにしていたら、たくさん褒めて遊んであげてください。
帰宅時に愛犬の激しいお出迎えがなくなると、飼い主さんとしては少し寂しさを感じてしまうかもしれませんが、これも愛犬が留守番をしているときの孤独感を軽減するためだと思って頑張って練習をしてみてください。
対処法2. 日常の中で愛犬だけで過ごしている時間をつくる
飼い主さんと愛犬の関係性がとてもよくて、愛犬も飼い主さんのことを大好きでいつも一緒にいることはとてもよいことだと思います。
ですが、それは人が外出をするときや犬が留守番をするときの大きなギャップを生み出す原因になり、愛犬は飼い主さんと離れることがとても寂しく不安な思いをします。
飼い主さんに対しての依存が強くなると人が外出するときに吠えたり、分離不安になるなど問題行動が出る可能性が高くなっていくため、日常の中で愛犬との適度な距離を持つことはとても重要です。
外出時の愛犬の吠えにお悩みの飼い主さんは、対策として1日に1回は愛犬がひとりでいる時間を作るようにしてください。
クレートやサークルを利用してまずは短時間からでよいので、愛犬がひとりでも心が穏やかな状態でくつろいでいられることができるようにしましょう。
もし愛犬が吠えて飼い主さんを呼んだとしても、決して様子を見に行ったり、声をかけたり、撫でたりしないようにしてください。吠えたときに声をかけたり見に行ったりすることで、吠えたら飼い主さんが構ってくれると学習し、余計に無駄吠えがひどくなるので注意が必要です。
犬がひとりでいることに慣れると飼い主さんが外出をするときの吠えが少しずつ軽減されていきます。
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外出時の無駄吠え防止アイテムを活用した対処法
では、ここからは、人の外出時にみられる無駄吠えの防止対策になる便利なグッズをご紹介します。
①コングで吠えることを忘れさせましょう!
知育玩具で有名なコングですが、このコングに少し工夫をすると無駄吠え対策のアイテムとして活用できます。
まず、飼い主さんが外出をするときに愛犬に美味しいものを詰めたコングを与えて、愛犬が夢中になっている間にスッと出かけます。
これを繰り返しているうちに、飼い主さんが出かける準備をしたら、おいしいものが詰まったコングがもらえると学習をします。
このことで、人が出かける前と後のギャップが軽減され、愛犬の吠え対策への効果が期待できます。
暑い季節であればコングの中に愛犬の好きなペーストを入れたり冷凍庫で凍らせてみてください。時間をかけてゆっくりと愛犬がコングを楽しめるようになります。
ペーストを入れるときのコツは、一番奥に愛犬が大好きなチーズなどをしのばせておくことです。大好物なものへたどり着くために、愛犬は夢中になってコングで遊ぶようになります。
②愛犬の注意を引いて吠えを防止
帰宅時にどうしても愛犬の吠えが続いて止まらなかったり、必要以上に興奮をする場合は一度クールダウンさせる必要があります。
このペットコレクターは、愛犬がとても気になる音が鳴る「吠え防止対策のスプレー」です。
興奮をして吠えやまない場合は、愛犬をニュートラルな状態に戻すためにシュッとひとふき使ってみましょう。
使用時の注意点としては、愛犬が静かになったら必ず褒めてあげてください。静かにしていれば、飼い主さんがかまってくれると愛犬に覚えてもらいましょう。
最後に
外出をする前や帰宅時に愛犬が吠えてしまい困っている飼い主さんはとても多くいらっしゃいます。
飼い主さんのことが大好きだからこそ吠えてしまうのだと思い、叱ったりはせずに、焦らず正しいトレーニングや対処をしていきましょう。皆様がストレスのない楽しいドッグライフを送れることを心から祈っております。
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