「無条件で愛される犬」と聞いて、皆さんはどのようなワンちゃんを想像しますか?私たち飼い主が愛犬に向ける愛とは、どのようなものなのでしょうか?犬と飼い主の「愛」についてのお話です。
無条件で愛される犬とは?
無条件で愛される犬とは、どのような犬なのでしょうか?
ふわふわしていて小さな犬でしょうか。人懐っこくて従順な犬でしょうか。
「無条件で愛される犬」というワードを聞いて、皆さんはどのような犬を想像しますか?
私の個人的な意見ですが「世の中に存在する犬、すべてが無条件で愛されるべきだ」と考えています。
ですが、ただ愛情をそそぐだけでは、犬を自由奔放な子にしてしまう可能性が高く、それが原因で、飼い主さんの愛情が不足してしまうこともあります。
そのため、いつまでもお互いが幸せでいられるように、犬に人と暮らすためのルールを教える必要があるのです。
動物愛護週間を目前にした今、犬に対する愛情とはどのようなものか、考えてみましょう。
自由奔放!これは愛情ではありません
犬に何かをさせるのはかわいそう。自由にのびのびと生活をさせてあげる。これらは愛情でしょうか?ケースごとに考えていきましょう。
しつけはしなくていい?
犬のしつけは、絶対的に必要だと思っています。
大切な基礎トレーニングと呼ばれるものは、芸(トリック)に見えるものもありますが、基礎的なことを教えるための土台といっても過言ではありません。
また、子犬のうちに基礎トレーニングの項目をこなしていると、成犬になってから現れる問題行動も激減します。
飼い主さんの指示に従うこと、従ったら褒めてもらえること、間違ってしまったら飼い主さんと一緒にもう一度、挑戦をすること。基礎トレーニングを愛犬としていると、知らぬ間に愛犬と飼い主さんの間に絆が生まれ始めます。
これがとても大切なのです。
愛犬に人と暮らすためのルールを教えることは、私たち飼い主ができる、愛情のひとつなのではないでしょうか。
なんでも犬主導!
お散歩は、好きなところを歩かせる。食事を残しても、犬が食べたいときに食べられるように、そのまま置いておく。犬用のおもちゃは、愛犬がいつでも遊べるように犬が取れる場所に置いておく。
さて、愛犬への愛情と見えるこの例えですが、これを続けるとどうなるのでしょうか?
まず、好きな場所を好きなように歩かせていたら、引っ張り癖がつく可能性があります。また、マーキングし放題のお散歩をしていたら、蛇行しながら歩くお散歩を、何時間もすることになります。
食事やおもちゃに犬指導でアクセスできる環境は、所有欲を刺激し、守ることに専念する犬になる原因をつくります。
このような行為は、「俺さま気質」の犬を育ててしまう可能性が高く、のちに飼い主さんを困らせる愛犬となってしまうのです。
犬は吠える生き物だから仕方ない?!
吠えてアピールをする愛犬は多く「ピンポン吠え」や「家族が家から出入りするときの吠え」「要求の吠え」など、原因はさまざまです。
ワンワンと吠えるのは、犬は吠える生き物だから、仕方ないのでしょうか?
吠えることを許す愛情よりも、なぜ吠えてしまうのか考えてあげる愛情の方を、選んでいただきたいと思います。
犬の吠えは、ストレスや運動不足が原因の場合があります。
そのような問題を解決することで、吠えがおさまるケースもあります。
犬の性質をただ、受け入れるのではなく、行動改善のための工夫や、しつけをしてあげることが真の愛情だと思っています。
飼い主さんの「愛」が愛される犬にする
前章でお伝えしたように、飼い主さんの愛情が愛される犬を育てるのだと思っています。
パーフェクトに何でもできることに越したことはないのですが、私は家庭犬なら、そこまでは必要ないと思っています。「ひとを噛んではいけない」「おうちの中でトイレはここにする」「飼い主さんの指示がきける」「あきらめるスキル」このような人間と暮らすためのルールが守れれば、それでいいのではないでしょうか。
そして、犬に人間と暮らすルールを覚えてもらうからには、私たち飼い主も犬たちの生態を理解し、なぜ吠えるのか?なぜ噛むのか?などを知り、むやみに叱るのではなく、原因を考えてから行動改善をするべきだと思っています。
お互いが歩み寄ることも、犬に対する大切な愛情です。
無条件に愛される犬の代名詞
シニア犬は、無条件に愛される犬の代名詞ではないでしょうか。
長年一緒に暮らしてきた時間が作り出す、愛犬との絆と信頼関係。それは何にも代えがたいものです。
目が見えにくくても、うまく歩けなくても、夜中に吠えて起こされても、どんなに手がかかったとしても、愛さずにいられないのがシニア犬です。
そこに居るだけで、幸せを私たちに運んでくれるのが、シニア犬なのです。
最後に
「愛は行動によって具現化される価値観である。」
「7つの習慣」著:スティーブン・R・コヴィー より抜粋
飼い主さんが犬を愛することで、愛される犬にし、犬が飼い主さんを愛することで、犬が信頼できる飼い主さんをつくるのではないでしょうか。 「無条件に愛される犬」とは見た目や、その子が生まれながらに持っている気質だけではなく、飼い主さんと一緒に過ごした時間が、愛犬を「無条件に愛される犬」にするのだと思っています。
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