【vol.3】ワンちゃんと楽しむディスクドッグコラム

楽しむ

ディスクドッグとは、人が投げたフライングディスクをワンちゃんが追いかけ、空中でキャッチすることにより得られるポイントを競うドッグスポーツです。
ここでは、ディスクドッグの魅力やルールなどを解説するほか、今回は2019年1月のNDAディスクドッグ大会の中から私が選ぶMVPの方もご紹介します!
今回のルール解説は、ディスクドッグを競技として捉えた時に、キャッチしてもポイントにならない痛恨のミスとなる“ファール”について、お話ししてみたいと思います。

再認識するディスクドッグの魅力

今回は、スポーツとしての魅力についてお話ししたいと思います。

ディスクドッグは、愛犬とフライングディスクを介して行なう遊びが始まりです。掛け替えのないパートナーがディスクドッグを通じて、私たちの想像を超える能力を発揮してくれることは、前回お話ししたとおりです。

ディスクドッグをやり始めると、感じることとしては…

◎もっと早く戻って来られないかな?
◎もっとキャッチできる回数を増やせないかな?
◎もっと遠くに投げてもキャッチできるかな?
◎ディスクドッグをやっている他のワンちゃんは、どんなプレーをするのかな?
◎自分たち(ワンちゃんとのペア)はどれくらいの実力があるんだろう?

と、段階を追って、競技性を求めていくことが多いようです。

まず、初めは自分たちのレベルアップについて欲求が生まれてきます。スポーツとしてみた時、一定のルールでディスクドッグを行なっていくことになるのですが、自分たちが得られるポイントが少しずつ増えていくのは、とても楽しいものです。この段階では、是非とも別編「ディスクドッグへの道」を見て練習していただくとしましょう。

次の段階としては、自分たちのペアと他のペアとの比較、すなわち勝敗や優劣について気になり出すことです。特に、上達が順調な愛犬とのペアであれば、この欲求にたどり着くのに時間は掛からないでしょう。

ディスクドッグがスポーツとして魅力があるのは、人の投げるスキル・マインドコントロール・ワンちゃんのポテンシャル・スピリッツなど、多岐に渡る要素が絡み合ったもので、自分だけでなく、愛犬の役割が占める割合がとても大きなこと、自分の体力が抜き出ていなくとも、ワンちゃんとのバランス力でチームとしての強さを発揮できること等が筆頭に挙げられると私は感じています。

私は、少年期からスポーツ(バレーボール・テニス・スキー等)に親しみ楽しんできました。しかし、体力の衰えは年齢を重ねるごとに感じる機会が増え、その競技を本格的にすることを諦めたりしてきた訳ですが、ディスクドッグに出会ったことで他チームと競い合う楽しさを再び感じることが出来、すっかりその魅力に取り憑かれてしまっています。

私は団体競技中心でしたが、個人競技に置き換えても、結果としては他選手とのポイントであったり時間であったりを比較して優劣を競う訳ですから、ディスクドッグはこの魅力を十分に満たせる訳です。

ディスクドッグを他のスポーツと比較すると、競技性として一番似ているなと感じるのはゴルフですね。理由は…

“上がってなんぼ”
飛距離が長くても短くても、最終的なポイントが良ければ勝負になること

“自然が相手”
特に風の影響を受けますが、その状況を読んだプレーが出来たチームが好成績を挙げられること

“精神状態が勝敗に重要”
最終ホールにカップインさせるまで、最後の1投をキャッチさせるまで集中力を切らさずに持てる実力を発揮したチームが勝てること

これ等のことから、自らの力を高めていくことや、他チームとポイントを競い合うことなどのスポーツ性がディスクドッグの大きな魅力であることは間違いないと思っています。

ディスクドッグルール解説! (ファール・反則)

ディスクドッグは、競技として参加すると、キャッチするエリアで獲得できるポイントが異なります。ワンちゃんと楽しくディスクドッグをすることが第一ですが、競技(大会)に参加するなら出来るだけたくさんのポイントを獲得したいですよね。今回は、そのポイントエリアのファールについて、解説しましょう。

上図は、ナショナルディスクドッグアソシエーションの公式戦のコート図です。
(図では、左側から投げることを想定しています)

フットフォルト

これが、一番多いファールと言っても良いでしょう。

“Ready Go!”の合図で競技は開始になりますが、ディスクを投げる時は、上図のスローイングエリア(青線で囲われたエリア)内から投げなくてはなりません。実際に引かれているのは白線ですが、この線を踏むか踏み越えてディスクを投げた時には“フットフォルト”という投げ手の反則になり、その時投げたディスクをキャッチしてもポイントにはなりません。

ただし、ディスクを投げた後は、エリア外への移動は可能ですので、ワンちゃんを呼び戻す時や、ディスクを自ら拾いに行くなどの行為は問題ありません。再びディスクを投げる時にスローイングエリア内に戻って投げればファールではありません。

エッジアウト

これは、ファールとは言えませんが、ポイント獲得上のミスですので、敢えて説明しましょう。上図のオレンジ色で示したラインがサイドラインなのですが、ポイントはこの両サイドのラインの内側のキャッチが成功した時に獲得できます。ワンちゃんがキャッチした時(空中でキャッチした時には着地した時)にこのラインを踏むか踏み越えると“エッジアウト”(ポイントエリア外のキャッチ)とされ、ポイント獲得にはなりません。

実戦の中では、このエッジアウトを如何に防ぐかも勝敗に大きく影響します。ポイントを獲得するには飛距離を伸ばすことも大切ですが、それ以前にポイントエリア内に投げなくてはせっかくキャッチしても“0点”ですので話にならないということです。

ドッグファール

競技開始の時、ワンちゃんもスローイングエリアの中からスタートしないとファールになり、せっかくキャッチしても無効になってしまうので注意しましょう。

ワンちゃんも競技開始の際は、“Ready go!”の合図が掛かるまではスローイングエリア内からスタートしなければなりません。上図の青線で示したラインを踏むか、踏み越してスタートしてしまう、或いは①で示した位置にあるコーン(目印のパイロン)の外側を回って走り出してしまうと”ドッグファール“となり、その時に投じたディスクをキャッチしてもポイントにはなりません。

ドッグファールを解消するためには、ワンちゃんを一旦スローイングラインの内側に戻さなければなりません。ドッグファールの解消後、2投め以降は犬はどの位置に居ても構いません。人だけスローイングエリアの中からディスクを投げれば良いのです。

特にやる気に満ちたワンちゃんの場合は、スタートのタイミングを誤ってフライング(スタートの合図前にラインを踏み越してしまう状態)を犯すことが多いので注意しましょう。

ディスク交換時のファール

ディスタンスアキュラシーに区分される競技については、スタート前に予めラインジャッジにディスクを預けることによって、プレー中に傷んだディスクを交換することができます。

交換する時には、ワンちゃん或いは自らが持ち帰ったディスクをラインジャッジに渡してから交換用ディスクを受け取らなくてはなりません。この順序を守らずにディスクを交換するとファールとなり、その後のプレーが無効になりますので注意が必要です。

糞尿行為

ワンちゃんが競技中にコート内で用を足してしまうとファールとなり、その次点で競技終了となってしまいます。(フリースタイルの場合は、ファールではありませんが、持ち時間はそのまま計測されますので、競技時間が無くなっていきます)

ただし、それまでに得ていたポイントがあれば有効です。また、次のラウンドがある場合は参加することができます。競技順が回ってくる前に、入念にワンちゃんのトイレは済ませておきましょう。

ディスクドッグによって変わった日常

今回は、ディスクドッグの魅力としてスポーツ性の話をしました。私はこれによって、日常でもスポーツとしてのディスクドッグをより充実させて行くにはどうすれば良いのかを考える機会が増えたのは間違いありません。

私の場合、早朝に練習をすることが多いのですが、その時もケージから出して、競技を行なうことを想定してトイレ出しとディスク練習の時間配分を行なっています。愛犬たちはこのタイミングを自然と身につけるようになり、大会時でも少ない時間でトイレを済ませたり、競技に向けて集中力を発揮できるようになっていると思います。

このようなサイクルを繰り返すうちに普段の散歩の時でも、周りの環境や他の犬達へ注意を逸らされる機会も少なくなったように感じます。これが他犬を阻害するようにならないように注意しなくてはなりませんが、アスリートドッグとしての資質を開花せせる時には、いわゆる家庭犬とは違った日常になるのかも知れません。

これは、程度の問題かも知れませんが、自分たちの生活や犬との共存を考える中で相応しいパートナーのあり方を考えれば良いわけですから、皆さんそれぞれの日常が存在するわけですね。

私は、初めて自分で飼った犬がディスクドッグを始めたパートナーとなり、ディスクドッグとしての資質が花開いたことから、いきなりアスリートドッグとして一緒に大会を転戦することがライフワークとなりました。幸い、その後迎えた犬達もその資質を開花させることが出来て、どっぷりと競技主体の日常となっています。体力的にはきつい年頃ですが、気持ちだけは若者に負けないように競技について愛犬と突き詰めていきたいと思っています。

私が選ぶなら…ディスクドッグ2019年1月のMVP

今回のMVPは文句なしで“松田民也&翔陽”チームです。今シーズン、昨年末からS2クラスにデビューして依頼、破竹の勢いでG1ゲームを連覇したのを初め、安定したゲーム運びで常に優勝争いを展開する活躍を見せていました。

衝撃的な強さを持つルーキーがまたまた登場です。

私が翔陽と出会ったのは、昨年の夏、あまりに愛らしい顔をしていたので、グリグリさせてもらったのを覚えています。そのグリグリが気に入ってもらえたのか、今でもとっても仲良くしてくれるので、個人的に可愛くて仕方ありません。このところの大活躍も親戚のオジサンのような?親しみを覚えながら応援しています。

今シーズンのS2クラスは逸材が揃い、とても面白い覇権争いとなってきました。来シーズン、これらのチームがスーパークラスに上がってくるのかと思うとオジサンスローワーとしては冷や汗ものですが、毎年それも楽しみの一つになったと強がっておきましょう。

最後に

今回、ディスクドッグをスポーツとして捉えた話を中心に書かせてもらいました。NDAディスクドッグチャンピオンシップスもセカンドシーズンを迎え、6月のディスクドッグ日本一決定戦“ジャパンカップ2019”のノミネートランキングもそろそろ気にしなくてはならない時期になってきています。

気候も冬から春への移行期で、心身のコンディションを保つのにも気を遣わなければなりませんが、自分と愛犬のコンディションに注意して、万全の体制を整えて大会には参加できるようにしたいものです。

皆さんが愛犬とともにディスクドッグを目指そうと思う気持ちが少しでもあるのであれば、近くで行なわれる大会が有ったら是非とも足を運んでみてください。私が文字にしたことを少しでも肌で感じ取っていただけると思いますし、それ以上に生で見るディスクドッグに夢中になっていただけるものと自信を持ってお奨めしたいと思います。

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大塚 裕

大塚 裕

1961年東京生まれ。現NDAコミッショナー。愛犬JACKEYと2001年にディスクドッグ世界大会に日本代表第1号として参戦。その後も2度日本代表となる。ディスクドッグの楽しさを広く知ってもらうことに喜びを感じている。

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