【ディスクドッグへの道vol.7】 大会中の過ごし方

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ディスクドッグの基礎トレーニング、投げ方のトレーニングを実践してきて、前回より、いよいよ大会への参加の段階に進みました。
エントリーしてみたものの、大会に行ったときにどのように過ごしたら良いのかが分からずに自分たちのコンディションを整えることが出来なかった、そんな悩みを抱える方も少なくないと聞きます。
今回は、大会に参加した際に、どのように過ごしたらベターなのかを考えていきましょう。

普段の練習で出来ることを大会でも出来るようにするために

大会に参加し始めたチームで多く聞くことに「練習では出来るのに大会では出来ない」というフレーズがあります。実はそれは、大会中の過ごし方に問題があることを顕著に表していると言えるでしょう。

大会にエントリーすると、日中ほとんどを大会会場で過ごすことになります。その一日をどのように愛犬と過ごせば良いのか?どうすれば普段の練習の成果が大会で発揮できるようになるのか、幾つかの項目に分けて考えてみましょう。

step1. 会場に着いたらスペースの確保を

大会会場に着くと、たくさんのチームが集まっており、否が応でも緊張感が高まってきます。それは、特に大会参加間もないチームにとっては余計に感じることかも知れません。

まず、自分たちが一日過ごすスペースの確保を行ないます。

NDAの大会では、HPに会場詳細が掲載されており、各会場でのコートの位置や、タープを張って良いスペースを示していることが有りますので、エントリーする際にも確認しておきましょう。

一般的な会場では、コートの外周に沿ってタープが張れるスペースになっているので、空いているスペースを探して、タープやテントなど、雨風・日差しを避けられるスペースを作りましょう。もちろん、直にテーブルや椅子を並べるだけでも良いのですが、大会では様々な天候に遭遇するので、出来ればタープやテントを準備したいモノです。

これによって、会場である程度のプライベートスペースが確保できるので、人もワンちゃんも心身共に休息できることに繋がるためです。

そして、気候によって、特に夏場には換気・風通しに気をつけて、熱中症にならないような対策も必要です。

タープやテントの素材もUVカットや遮光性の高い物を選ぶのも効果があります。様々な種類があるので、購入時には慌てずに性能を比較してみるのも大切ですね。

初めのうちは、大会会場でどのような製品が使用されているのか、会場を一周して見学したり、使い勝手を聞いてみたりするのも参考になると思います。会場に居る先輩方は、こういった話しなら親切に教えてくれると思いますよ。

step2.人と犬のアップ(準備運動)

次に、体をほぐしてこれから始まるディスクドッグ競技に備えましょう。

(1)犬のケア&アップ

初めに行なうのは、愛犬のトイレ出しが重要でしょうか。
長距離・短距離に拘わらず、愛犬たちは車での移動中ケージの中で窮屈な思いをし、トイレも我慢していたりすることが多いはず。人が一段落したら、ワンちゃん達を会場にならすことも含めて、トイレ出しをしてあげましょう。

特に神経質なワンちゃんであれば、その大会会場が安全な場所であることを確認させてあげることが普段のパフォーマンスを発揮する第一歩となるでしょう。

それから、愛犬のタイプによってはゲーム前の運動を必要とする場合があります。特に運動能力が高く、興奮しやすいタイプのワンちゃん等、ゲーム前に運動させることによって、落ち着いた判断が出来るようになることも多いためです。

早朝にコート内が空いている時などを利用すると良いのですが、叶わない場合には、ロングリードを着用して、周囲に迷惑の掛からない状況で行ないましょう。
ノーリードでのアップは、周囲の人や犬とのトラブルを招き、酷い場合には相互が怪我をする場合もあるので、決して行なわないでください。

例え、走らせなくても、ストレッチを施すなど、ワンちゃんの運動を助ける行為があるので、そういったことで準備を行なうケースも見受けられます。

愛犬を競技前にアップしたり、トイレ出ししたりするタイミングは、愛犬の個性によって異なるので、これは何度か参戦することでそのタイミングを探るのが得策でしょう。

(2)人のアップ

人のアップも大切です。いきなりスローイング練習を始めてしまうのはNG。
しっかりとストレッチをして、充分に関節や筋肉・腱などをほぐし、怪我をしないように心掛けましょう。

どのような準備運動が良いのか迷うときにお奨めなのは、ラジオ体操を真剣に行なうこと。たいへん効率的に体をほぐしてくれます。真剣に行なうと、「ラジオ体操第一」を終える頃には、汗ばむくらいに体が温まるのを感じ取ることが出来るでしょう。

さて、体がほぐれたら、スローイング練習をしておきましょう。大会会場では、コートを開放したり、コート周りでもディスクを投げられるスペースがあったりします。普段通りのスローイングが出来るように、体の回転、腕の振り、手首の使い方などを意識しながら徐々にほぐしていきましょう。

この時、周りのペースは気にせずに、徐々にペースアップできるようにすることをお奨めします。隣のベテラン選手がズドーンとロングスローをしていても気にせずに、自分のいつものアリアに正確に投げられるように回数を重ねて徐々に本気のスローイングに移行していきます。練習でも自分のペースを守ることが普段通りのスローイングが出来ることに繋がります。

私は年齢的なこともあり、スローイング練習はその日の風の具合と自分のスローの癖のマッチングを測ることに重点を置いていて、あまり本数を投げすぎないようにしていますが、これは個人個人のペースがあるので、テーマをもって行なうことをお奨めします。意識して投げることはとても大切です。

step3.待ち時間の使い方

エントリーする種目数にもよりますが、殆どの種目はファーストラウンドとセカンドラウンドが有り、その競技する時間は離れていることが殆どです。そのラウンド間の待ち時間をどう過ごすのか、その過ごし方も工夫してみましょう。

ラウンド間の待ち時間は、緊張を解くのに適した時間帯です。それでも他のチームのプレーを見ながら、参考になるケースを見つけ出せる時間帯でもあります。出来れば、仲間を作ってワイワイ話しながら、リラックスした状態で他チームのゲームの見学をするのが良いでしょう。

自分たちの出番の時間は、プログラムでおおよその時間帯が分かりますので、リラックスしながらも逆算して競技の準備ができるようにしておきましょう。

愛犬のトイレ出しも、慌てることがないように時間を上手にコントロールして準備しましょう。エントリー経験の浅いチームが、コート内でのワンちゃんの糞尿行為でタイムカットされてしまうケースも準備不足による場合が多いようです。

ただでさえ、大会ビギナーであれば緊張したり力んだりしがちなので、準備を早め早めに行なって、いざゲームの時には落ち着いて臨めるように心掛けましょう。

step4.出番に心掛けること

出番になったら、普段の練習の成果を信じて、コートの中でのプレーを楽しめるように愛犬をリードするように心掛けましょう。

あなたが楽しむ気持ちで愛犬をリードするということは、愛犬をリラックスさせることに繋がります。環境の異なる場所ではワンちゃんも極度の緊張を強いられます。コート周辺の観衆、MC、音楽、歓声などなど・・・

初めのうちは集中力も散漫になりがちです。そんな中であなたがリラックスして楽しい表情や素振りをしていたら、愛犬も安心してくれるはず。

愛犬とのプレーひとつひとつにあなたが集中出来ることが大切なのです。そして、愛犬にも声を掛け、励ましたり応援したりするような雰囲気を醸し出せればベターだと思います。

他チームとの交流

先ほど、待ち時間を利用して他チームのプレーを観察することをお奨めしましたが、他チーム(プレースタイルが気になったり、単純に格好良いと感じたりしたチーム)と話しをするのもディスクドッグの上達にはプラスに働くことが多くあります。

ただし、自分の出番は勿論、その相手チームの出番や準備に支障の無いタイミングを見計らって話しかけるのがマナーです。分からなければ、「いま、お話ししても良いですか?」など、聞いてみるのが良いでしょう。

もし、都合が悪ければ、何時なら良いのかなど、相手の方が教えてくれたりもします。ディスクドッグの話しであれば、まぁ、大概の先輩方は親切丁寧にお話ししてくれると思います。

こういった交流を持つと、大会参加も更に楽しいものになるでしょう。

最後に

前回もお話ししましたが、ディスクドッグ競技会には、様々なレベルのチームが参加しています。そういったチームを見学したり、交流したりして、自分たちのプレーの助けとなるヒントを出来るだけたくさん得られるように大会参加してみましょう。

自分たちだけで参加し始めたディスクドッグもいつの間にか同じドッグスポーツを楽しむ仲間と交流する場となり、たった60秒のプレー時間を2回こなすだけの大会が、週末を愛犬と共に心から楽しめる場に変わっていくのを実感できる日が来ると思います。

あなたと愛犬にとって掛け替えのない時間が私達と共有する時間に変わることを願います。

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大塚 裕

大塚 裕

1961年東京生まれ。現NDAコミッショナー。愛犬JACKEYと2001年にディスクドッグ世界大会に日本代表第1号として参戦。その後も2度日本代表となる。ディスクドッグの楽しさを広く知ってもらうことに喜びを感じている。

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