犬種別にどんな病気にかかりやすいのか、予防と治療のポイントを書きます。
ワンちゃんとの幸せライフの送るためには知っておいてほしいことです。
今回は人気犬種ランキングで1位のプードルを紹介します。
時代とともに小型化の進むプードル
プードルは狩猟犬だったので、かわいいだけでなく遊び好きで活動的。かかりやすい病気も多いので、ふだんからふれあうときに注意していれば家族として長く付き合える犬種です。
スタンダード、ミディアム、ミニチュア、トイの4つのサイズで分かれています。
本来の大きさのスタンダードプードルは体高が45〜60cmもあります。
街で見かけてその大きさにビックリしたことがあります。多くの人に愛されるようになって小型化され、18世紀のルイ16世時代にはさらに小型化が進み、24〜28cmほどのトイプードルが誕生します。
とても利口で性格は活発、従順です。毛が抜けない、体臭がない、などの飼いやすさ、何より見た目のかわいらしさによって、近年の人気は安定しています。とくにトイプードルの人気は高く、人気犬種ランキングでも近年は1位を保っています。
気をつけたいプードルの病気
プードルの寿命は14〜17歳ぐらいと考えられていますが、20代になっても元気に過ごしている例も少なくありません。
毎日の健康管理によって長生きが期待できる犬種です。
プードルに多い病気として、まず挙げられるのが目の病気である涙流症です。その他にも進⾏性網膜萎縮、⽩内障、涙やけや逆まつげになりやすいので注意が必要です。
そのほかのなりやすい病気をご紹介いたします。
てんかん
人間のてんかんと同じ症状を示し、突然けいれんの発作を起こす脳の病気です。
偽血友病
人間の「血友病」に似た血が止まりにくくなる病気です。ちょっとしたことで出血するため、突発的な鼻血や歯茎からの出血、血尿などが見られます。小さい傷などでも命にかかわる危険性があります。
すぐに改善できる治療法はありません。遺伝性の病気のため発症の疑いがある場合はすぐに動物病院で診察を受け、遺伝子検査を行い、適切な処置を受けましょう。
気管虚脱
気管がつぶされて呼吸困難になる病気です。気管を覆っている軟骨が正しい状態を保てなかったり、周辺の筋力が衰えて気管を維持できなかったりして潰れて空気が入りにくくなります。原因としては先天性の場合、肥満や老化の場合などが考えられます。
夏場に発症しやすく突然呼吸が粗くなります。ゼーゼーやハァハァと急に息をし出したら要注意。咳が出たり、呼吸困難になったり、よだれをたらすこともあります。夏場などはできるだけ気温を下げて風通しのいいところで過ごさせましょう。
低血糖症
血液中の糖分が少なくなる症状です。症状としてはけいれんやぐったりしたり、元気がなくなったりします。生後間もない子犬が低血糖症になった場合は、寝たきりになることが多いので特に気を付けなければいけません。
子犬の時になる場合はからだを冷やしたり、空腹になったり、胃腸の異常が原因として考えられます。成犬でなる場合は、空腹や興奮している時や運動した時など糖分が補給されていない時や体内の糖分を消費したりすることが原因と考えられます。膵臓の腫瘍でも起こる場合があります。
子犬ならばブドウ糖を摂取することにより、成犬ならば餌を食べることにより回復します。緊急の場合は砂糖水などの糖分を頬の内側に塗り込んであげるといいでしょう。
予防法としては、子犬はできるだけ体を冷やさないこと。成犬は空腹時の運動や興奮をさせないことです。
副腎皮質機能亢進症/クッシング症候群
副腎皮質ホルモンが異常に分泌されることによって起こる病気です。主な症状は多飲多尿です。お腹が膨れたり、食欲が出たり、背中に左右対称の脱毛が見られるのが特徴です。脳下垂体の前葉や中葉に腫瘍ができることにより、副腎皮質ホルモンが異常に分泌されることにより起こります。他の原因としてはステロイド剤によるものがあります。老化に伴ってなりやすい病気です。
膝蓋骨脱臼/レッグペルテス(膝の脱臼)
症状
後ろ足の膝のお皿の骨が脱臼してしまう病気です。症状は後ろ足を引きずって歩く、足をさわるとキャンと鳴く、散歩を嫌がる、などです。
治療法
薬やサプリメントで症状をコントロールする方法と、手術をする方法があります。
予防法
予防法としては滑りにくいように床にカーペットを敷く、階段の昇り降りは控える、高い所からのジャンプや落下を防ぐ、などです。肥満も原因になりますので体重管理には気をつけましょう。
レッグペルテスは股関節の骨が変形してしまう病気で1歳未満の子犬によく発症します。症状は足を引きずって歩く、足をあげている、などです。膝蓋骨脱臼の症状と似ています。
アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、膿皮症
アレルギー、ノミやダニ、真菌などのカビの一種によって引き起こされる皮膚に現れる病気です。
外耳炎
耳の中の汚れやミミダニの寄生によって外耳に起こる炎症です。いつも耳を掻いていたり、痛がったり、耳をパタパタ振るなどの仕草から発見できます。予防法はふだんからのマメなチェックです。
人気のある犬種だけに頻繁に繁殖されたことで遺伝性疾患を抱えていることがあります。信頼できるところから譲り受けるようにしましょう。
普段から記録をつけて健康管理をしよう
上記の気をつけておきたい病気は獣医師でないと判断ができない病気もあります。しかし、目の病気や外耳炎や皮膚炎はブラッシングやシャンプーなどのとき、ふだんから気を付けていれば気づく病気です。
そして皮膚炎はどの犬種でも悩む病気です。
子犬の頃はアトピー性皮膚炎になりやすく、成長するにつれて食べものやハウスダスト、コンクリートや芝、金属に無体するアレルギーを起こすこともあります。アレルギー皮膚炎を起こすと高い確率で外耳炎も起こしますので注意が必要です。
病気の予防は食べ物の選択から環境、運動によるストレス発散などにふだんから心がけておくことが大切です。早期発見も重要です。散歩のときの歩き方、疲れ方、食欲の増減、目ヤニやフケの出方などにも注意しておきましょう。年に2回程度定期健診を受けるようにしておけば病気の早期発見も可能になります。
また、子どもの頃からの成長や健康状態の変化を健康手帳や健康管理アプリなどを使って記録しておくことも、いざ病気になったときに大変役立ちます。