犬は汗をかくのでしょうか?なぜ犬は、熱中症にかかりやすいのでしょうか?犬が汗をかく仕組みや、犬たちの体に存在する汗腺の種類など、犬の汗についてご紹介します。
犬は汗をかくの?知っておきたい犬の汗
犬も汗をかきます。犬の汗のかきかたを知っていると、暑さ対策や、体臭ケアなどにとても役立ちます。
犬に塩分を与えすぎないほうがいいこと、これも犬の汗と関係しているのです。
さて、犬たちの汗腺はどのようになっているのでしょうか。犬の汗腺や、汗のかきかたについてご説明します。
犬の汗腺のしくみ
犬も汗をかくのですが、私たちと汗のかきかたや、役割が違います。犬の汗腺とその役割についてご説明します。
犬の汗腺その1. エクリン汗腺
エクリン汗腺は、さらっとした汗が出る汗腺です。
エクリン汗腺から出る汗は、主に体温調節をする役目をしています。
人間は、エクリン汗腺が体全体にあるため、暑いときに汗をかき、体温調節ができます。
犬たちは体温調節をするためのエクリン汗腺が、体の一部にしか存在しません。
そのため、暑いときに体を冷やす効果がある汗をかけず、口で「ハアハア」と呼吸をする「パンティング」で体温調節をしているのです。
犬は肉球に、エクリン汗腺があります。
暑い日や緊張をしたときなど、犬の肉球がしっとりとしているのは、エクリン汗腺からの汗によるものなのです。
犬の汗腺その2. アポクリン汗腺
犬の体全体に存在するアポクリン汗腺は、主に「臭い」を出す汗腺です。
私たち人間は、アポクリン汗腺は脇の下や下腹部などにあり、精神的な刺激で発汗するといわれています。
このアポクリン汗腺から出る汗は、フェロモンとして大きな役割をはたしています。
犬のアポクリン汗腺で、代表的なものは肛門にある、肛門嚢です。
肛門嚢といわれると、なんとなく、アポクリン汗腺がどのようなものか、イメージができるのではないでしょうか。
アポクリン汗腺から出る汗は、タンパク質や糖質などが含まれているため、皮膚にもともと存在する菌がつきやすく、臭いの原因になってしまうのです。
汗は臭いの原因に?!皮膚をケアしてすっきり清潔
前章でお話した通り、犬の体全体にあるアポクリン汗腺は、タンパク質などを含んでおり、放置すると臭いの原因になります。
犬は臭いの原因になりやすい、アポクリン汗腺が体全体にあるため、体臭が気になりやすいのです。
愛犬の体臭がきになったら、シャンプーをして汚れを落としてあげましょう。
ただ、愛犬の体を頻繁に洗うことは、必要な油分まで洗い流してしまい、皮膚トラブルの原因になるため、おすすめできません。
ブラッシングスプレーや、犬用ボディシートなどをじょうずに利用し、愛犬の体を清潔に保ちましょう。
犬と塩分の関係
犬に塩分を与えすぎたらいけないというのは、皆さんご存じだと思います。
エクリン汗腺から出る汗は、99%が水分、その他の成分は塩分だといわれています。
犬は塩分を体外に出すエクリン汗腺が少ないため、塩分を控える必要があるのです。
最後に
犬が熱中症にかかりやすい原因や、定期的にシャンプーをしないと体臭がひどくなる理由は、汗腺と深い関係があります。
犬の汗のかきかたを知っていただき、ワンちゃんの健康面や衛生面に役立てていただけたら幸いです。
参考資料:「ビジュアルマスター 最新くわしい犬学」編者 くわしい犬学 編集委員会
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