公開日
2018/06/30
更新日
2018/07/18

【犬種別かかりやすい病気】シー・ズー

シー・ズーはロングヘアーで艶やかな被毛が特徴の愛玩犬です。大人しそうにみえますが、頑固な一面もあります。被毛が長いことから、眼に毛が触れることで眼科疾患にかかりやすいので気をつけましょう。被毛や皮膚のお手入れは必須です。今回はシー・ズーのかかりやすい病気についてご紹介していきます。

シー・ズーの特徴

シー・ズーはチベット・中国が原産の犬種です。かつてチベット犬と現在のペキニーズの祖先にあたる犬種との交配によって作られ、中国の王室の愛玩犬として繁殖されていました。シー・ズーは体重が5〜8kg程度、体高が25〜27kgで愛玩犬として世界中で愛されています。飼い主さんのことが大好きでチャーミングなとても愛らしい性格のため、ついつい甘やかしてしまうかもしれません。

長い被毛のため、日頃のお手入れは欠かせません。頭のてっぺんにリボンを結んで、ちょんまげにしているシー・ズーも多いですが、ロングにしている場合は被毛の絡まりや毛玉になりやすいので、汚れやゴミ、ホコリを付けないために日々のブラッシングが必須となります。被毛のお手入れが難しい場合は、ショートにすると手間がかかりません。特に目の周りは毛がかかりやすいので、目の中に毛が入らないようにカットを行うとよいです。

角膜炎

短頭種の犬種は目に関わる病気が多いといわれますが、シー・ズーも眼科疾患が多い傾向にあります。中でも角膜炎は大きな眼球を持つシー・ズーに発生しやすく、目の周りの毛による刺激でも起こりやすい病気です。

症状

目やにが多く出る、涙が止まらない、目をすぼめる、いつも涙やけしている状態といった症状があります。

原因

角膜炎にはいくつかの種類があります。シー・ズーに起こりやすい角膜炎は「色素性角膜炎」「外傷性角膜炎」「乾性角膜炎」が挙げられます。「色素性角膜炎」とは、顔まわりや目の周辺の被毛が原因で、眼球へ刺激が慢性的に起こることで色素が沈着を起こし角膜炎になります。「外傷性角膜炎」とは、大きな目を持つ犬種の眼球は目に外傷を負うことが多いため、目周辺の毛やゴミが入る、逆さまつげといった刺激で角膜炎となります。「乾性角膜炎」とは何らかの理由で涙の分泌量が少なくなることで、目が乾きやすく、角膜に傷がつきやすくなり、角膜や結膜に炎症を起こす病気です。通称ドライアイと呼ばれます。

治療方法

シー・ズーのような目の周りの被毛が多い犬種や、大きな眼球を持つ犬種は、目の周りの毛が眼球に入らないようにトリミングを行い、目の周りの毛に雑菌が増えないようにすること、また目の中に直接被毛が入らないようにすることが最大の予防方法です。角膜炎の治療方法としては、点眼を行い、目を保護します。しかし、稀に腫瘍性の角膜炎があるため「角膜炎」だからと安心せずに、気になる場合は動物病院へ相談して見ましょう。

鼻腔狭窄

鼻腔狭窄は生まれつき鼻孔・鼻腔が狭くなっている病気で、鼻腔狭窄の個体は呼吸がしづらく呼吸困難になりやすいです。

症状

通常よりも鼻孔・鼻腔が潰れていることがわかる、日常的に呼吸をすると鼻が鳴る、いびきをかく、鼻水が多く出る、熱中症になりやすい、呼吸が止まることがある、暑さに関わらず呼吸が荒くパンティングが多い、パンティングの途中で歯茎や舌が紫になるといった症状があります。

原因

鼻腔狭窄の原因は先天性と考えられており、マズルの短い短頭種(フレンチブルドッグ、パグなど)に多く、シー・ズーにもその傾向があります。鼻の軟骨が柔らかく広がっているため、空気を吸った際に鼻孔・鼻腔がより潰れてしまうため呼吸がしづらくなります。

治療方法

軽度の場合は飼い主さんが日常生活で、できるだけ荒い呼吸をさせないように心がけて保存療法を行いますが、重度の場合は鼻の切開手術を行い鼻孔・鼻腔を拡げる治療を行います。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは、脊髄や脊椎の病気です。シー・ズーは愛玩犬として抱っこをする飼い主さんが多いですが、抱っこから降ろすときは低い位置で降ろすこと、ソファーやベッドなど高い位置から飛び降りさせないようにしましょう。

症状

椎間板ヘルニアが発症している場所によって、症状が異なる特徴があります。犬の動作に変化や異変があり、散歩に行きたがらない、飛び上がるように痛がる、大きな声で鳴いて痛がる、急にびっくりする、動かない、段差や階段を降りようとしないまたは上がろうとしない、びっこをひいて歩く、スキップのように歩く、足やからだに麻痺が出ているといった症状で飼い主さんがこの病気に気がつくことが多いです。

原因

ミニチュアダックスやペキニーズといった胴長で足が短い犬種は、椎間板ヘルニアになりやすい傾向があります。運動量や体力のある若い個体で発生することが多い病気です。脊椎のクッションの役割をする椎間板が脊髄や神経を圧迫することで発症します。椎間板のある部位の首から腰までのどの部分でも起こりうる可能性があります。

治療方法

軽度な椎間板ヘルニアの場合は、運動を制限させてステロイド剤や消炎剤で炎症を抑える投薬治療を行います。重度の場合は、手術を行って術後のリハビリやサプリメントの摂取、投薬治療を行います。近年では犬用の医療用コルセットも普及しており、さまざまな理由で手術が行えなくても、コルセットを装着することで激しい運動は行えないが、お散歩ができるようになったという報告もあります。

糖尿病

糖尿病は内分泌系の疾患で、人間と同様に犬でも発生する病気です。からだの中のインスリンが不足するためにエネルギー源である糖を使うことができなくなるため、高血糖や代謝の異常を起こします。

症状

多飲多尿、食欲増加、食べているのに体重が減少する、嘔吐、下痢、さまざまな感染症の頻発(合併症)、昏睡などがあります。合併症として眼科疾患(白内障、網膜症)を併発することがあります。

原因

糖尿病には3種類あり、I型は血液中のインスリンの欠乏、Ⅱ型は血液中にはインスリンが十分含まれているが細胞が利用することができなくなっている状態、Ⅲ型は他の病気による治療によって副作用で発生している状態です。もっとも多いケースがI型の糖尿病で、インスリンが欠乏する理由は、自己免疫疾患や副腎の異常といわれています。特に肥満のメスが糖尿病になる傾向が高いです。

治療方法

インスリン注射を一生行うインスリン治療や血糖値の変動をできるだけ穏やかにするために処方食を与えるといった食事療法を行います。

緑内障

緑内障は、眼球の液圧が異常に上昇することで、眼の網膜と視神経が破壊される病気です。緑内障は失明する可能性が高い病気です。

症状

目の充血、犬が痛がる、痛みからくる眼の痙攣、瞳孔散大、眼球拡大といった症状がみられます。

原因

眼球の外傷や腫瘍による合併症といった病気や怪我が理由の緑内障(続発緑内障)と、先天的な緑内障(原発緑内障)があります。

治療方法

目薬や注射で眼圧を下げる治療法や手術をして眼圧を下げる治療法がありますが、緑内障はまだ詳しくわかっていないことが多く、完治することが難しい病気です。眼球摘出を行うこともあります。完治できず失明してしまう可能性が高いので、眼の異変に早く気がつき専門病院で治療を受ける必要のある病気です。

シー・ズーは飼い主さんに懐きやすく、愛玩犬として暮らしやすい犬種です。かかりやすい眼の疾患には特に注意しておく必要があるでしょう。定期的にトリミングを行い、お手入れすることで、眼の病気を防ぐことができます。シー・ズーのかかりやすい病気を把握しておくこと、日常の愛犬の様子を注意深く観察しておくことで病気の早期発見につながります。