2018/07/01

【犬種別かかりやすい病気】フレンチ・ブルドッグ

フレンチ・ブルドッグは鼻がぺちゃんこで、ブヒブヒと鼻を鳴らしやすい犬種です。犬は呼吸を使って体温調節を行います。フレンチ・ブルドッグと暮らす飼い主さんは呼吸に関わる病気について日常的に注意する必要があるでしょう。今回は、フレンチ・ブルドッグのかかりやすい病気についてご紹介します。

フレンチ・ブルドッグの特徴

フレンチ・ブルドッグ(French Bulldog)といえば、非常に明るい性格で人気が高く、特徴的な大きな頭部と口周りのシワがあり、がっちりとした体格で強さと可愛らしさの両方から多くの人を魅了する犬種です。フランス原産で、体重は10〜13kg、体高は30cm程度の大きさになります。毛色はフォーン、パイド、ブリンドルがあります。

寸胴の体型でありながら非常に筋肉質で引き締まった体型が特徴です。暑さと寒さの両方に弱い犬種で、特に暑さには非常に弱く、鼻腔狭窄や軟口蓋過長症といった呼吸の際に支障がみられる病気を持っている場合は、重度だと命に関わる危険もあります。

鼻腔狭窄

鼻腔狭窄は鼻腔が生まれつき狭い状態で、呼吸がしにくくなる病気です。犬の鼻の穴をまっすぐから見たときに、通常の犬よりも鼻腔が小さいまたは細いか、潰れていることがわかります。

症状

「ブーブー」と鼻が鳴りやすく、日常的に鼻が鳴る、大きく口を開けて呼吸している、いびきをかく、鼻水、呼吸が止まる、苦しそうに息をする(パンティング)といった症状があります。症状によっては犬が呼吸を行おうとパンティングを行っても呼吸がしづらくなり、歯茎や舌が青紫になっている場合は、チアノーゼといって血液中の酸素が足りない非常に危険な状態ですので注意しましょう。

原因

鼻腔狭窄は先天性でマズルの短い(フレンチ・ブルドッグ、パグ、ペキニーズ)犬種に多い病気です。鼻の軟骨部分が、通常よりも柔らかく弛緩している状態のため、息を吸うときに鼻腔が潰れてしまうので、呼吸がしにくくなってしまいます。鼻腔狭窄は呼吸困難を引き起こす可能性のある病気です。

治療方法

軽度の鼻腔狭窄の場合は、飼い主さんも気がつかないことも多いです。獣医師に相談し、軽度なのか重度なのかを把握して、日常的にできるだけ荒い呼吸をさせないように気をつけるか、重度の場合は鼻腔を切開する手術で鼻腔を広げ呼吸しやすくします。

水頭症

水頭症は脳内の脳室という部分に水(脳髄液)が溜まる脳の病気です。

症状

頭を振るう、よだれを垂らす、視覚障害、てんかん、発作、異常行動などが認められます。水頭症の犬は、頭の形がドーム状で、斜視がみられるケースが多いです。

原因

水頭症は脳腫瘍、奇形、脳炎といったさまざまな理由で発症しますが、これらの多くは遺伝的な原因の可能性が高い病気と考えられています。

治療方法

内科的治療では、利尿剤やステロイド剤を用いて脳髄液を少なくする治療を行います。外科的治療では、手術を行い、脳髄液が溜まる脳室と腹腔をつなげるシャント術を行います。

熱中症

フレンチ・ブルドッグと暮らす飼い主さんが日常で最も気をつけるべき病気として、熱中症が挙げられます。熱中症は普通の生活でも起こりやすいため、必ず確認しておくべき病気です。対処次第では、死に至る可能性もあります。

症状

犬はパンティングと呼ばれる「ハァハァ」と荒い呼吸を行うことで、体温の調整をしています。苦しそうにパンティングを行っている、よだれが止まらない、一箇所の場所に留まらず落ち着きがない、フラフラしている、嘔吐、吐血、下血、倒れる、意識がないといった症状が認められます。

原因

暑さの中で体調調節ができなかった場合、温度や湿度の高い狭い空間に長時間いた場合、真夏日の散歩、長時間エアコンのない部屋でお留守番をしていた、水分不足、とケースはさまざまですが、人間と同じように犬も熱中症になります。航空会社では夏季の間はフレンチ・ブルドッグを含めた短頭の犬種の受け入れを行わない対応を行っています。フレンチ・ブルドッグのような短頭の犬種は高温に非常に弱いため、真夏に飛行機の貨物室に入ることで、命に関わる可能性があるからです。

治療方法

熱中症の治療は、重症の場合飼い主さんの素早い対処が予後を分けます。すぐに暑い場所から涼しくて風通しの良い場所に犬を移して、からだや頭を冷やします。屋外で熱中症になった場合は緊急事態です。意識がしっかりある場合は水を飲ませることが可能です。しかし、意識がはっきりとしない場合は水を飲ませてはいけません。犬のからだにタオルをかけ、タオルの上から水をかけてからだ全体を冷やします。状態によって対処が変わりますので、水をかけながらすぐに動物病院に連絡を取りましょう。

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼は(パテラ)と呼ばれる関節の病気です。非常に力のあるパワフルなフレンチ・ブルドッグは、急旋回や猛ダッシュをしたがる犬種です。胴体や頭に対して足が非常に細いため、無理なジャンプや急旋回は膝に大きな負担がかかるので注意が必要です。

症状

スキップやびっこを引いて歩くといった軽度の歩き方の異常から、明らかに足を引きずる跛行、痛がって動かない、歩かない、鳴く、お散歩に行きたがらない、クリック音が聴こえるなどの症状がみられます。

原因

膝蓋骨(膝のお皿の骨)が外れてしまうため、脱臼が起こります。先天性の膝蓋骨脱臼と外傷性の膝蓋骨脱臼がありますが、先天的の病気の割合が高いです。しかし、突発的な外傷でも膝蓋骨脱臼は起こる可能性があります。

治療方法

膝蓋骨脱臼は(パテラ)は軽度の場合は鎮痛剤で痛みを取り投薬治療を行いますが、脱臼が繰り返される原因である治療を行わない限り、生涯付き合う病気です。手術は治療効果のある方法で、子犬の頃から膝蓋骨脱臼(パテラ)を抱えている個体は、成長期に手術を行って足の変形を防ぐことが好ましく、怪我による靭帯損傷といった他の外傷に伴う脱臼も手術をすることが好ましいです。

もしすでに軽度の膝蓋骨脱臼の傾向があると診断されている場合は、体重をきちんと管理して肥満傾向にならないようにする、高いところから飛び降りをさせない、急旋回をさせないといった日常動作でできるだけ膝に負荷がかからないように気をつけます。

軟口蓋過長症

軟口蓋過長症はフレンチ・ブルドッグに多い病気です。寝ている間に呼吸が止まっている、ガーガーと大きく異常ないびきをかく、頻繁に嘔吐がある場合は注意です。

症状

大きないびきをかく、寝ている間に呼吸が止まる、嘔吐、日常的にパンティングを行っている、酸欠でフラフラしている、意識がなくなるという症状がみられます。

原因

フレンチ・ブルドッグのような短頭犬種は軟口蓋が長くなることで、気道がふさがり呼吸がしづらくなります。これには、軟口蓋が長いという考え方と、軟口蓋が長いというよりもマズルが異常に短い犬種を人間が作り出したからという考え方があるといわれています。軟口蓋過長症とともに鼻腔狭窄の両方の病気を抱える犬も多く、このケースは鼻からも口からも呼吸がしづらいため、呼吸困難になりやすい傾向がみられます。

治療方法

食事管理を行い肥満にさせない、適切な温度管理を行いパンティングが起こりにくい状況にする、激しい運動や興奮をさせない、食事が喉に詰まらないように一気に食べさせない、食器を体高にあった位置にするといった対処を行い、これでも改善がみられない場合、いびきがどんどん大きくなる場合は手術で軟口蓋の切除を行います。

まとめ

フレンチ・ブルドッグは呼吸に関わる病気が多い犬種です。鼻ぺちゃ犬だから、鼻が鳴るのは当然、いつも「ハァハァ」しているから大丈夫!と考えず、呼吸に異常がないか日頃から愛犬の様子をチェックしておくことをおすすめします。

愛犬ができる限り健康な状態であることを目指しましょう!