公開日
2018/07/22

【犬種別かかりやすい病気】コーギー

コーギーはイギリス王室にも愛される犬として、人気の高い犬種です。コーギーには2つの種類があり、どちらも胴長の体型をしています。コーギーはこの胴長の体型によることで、かかりやすい病気もあります。今回は、コーギーのかかりやすい病気についてご紹介していきます。

コーギーの特徴

コーギーには「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の2つの種類があります。どちらも頭がよく、用心深い性格の犬種です。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、イギリス原産の犬種で、体重が10〜13.5kg、体高が25〜30.5cmの小さめの中型犬です。もともとは牛を追う犬として、牛が群れからはぐれないように、牛のかかとに噛み付いて方向転換させる役割を持っていました。日本でコーギーと呼ばれる人気がある犬種は、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのことをいいます。

ウェルシュ・コーギー・カーディガンもイギリス原産の犬種で、体重が13.5〜17kg、体高が27〜32cmの中型犬です。ウェルシュ・コーギー・ペンブロークよりもやや大きなからだを持ち、興奮しやすい性格が特徴です。
どちらも、同じ胴長の体型を持ち、短い足で体重を支えることから、関節や脊椎に関わる病気にかかりやすい傾向があります。

椎間板ヘルニア

コーギーがかかりやすい病気の1つに椎間板ヘルニアがあります。椎間板がある部分であれば、首から腰までどの部分でも起こり得る病気です。

症状

愛犬が散歩に行きたがらなくなった。寝てばかりいる。散歩中に急に立ち止まる、歩き方がおかしい、または走らない、からだに触ろうとすると逃げる、痛がる、鳴く、ふらつく、足を引きずる、ごはんの食べ方がおかしいといった症状で犬の異常に気がつく飼い主さんが多いです。重症になると、排尿障害やからだに麻痺が起こります。

原因

椎間板ヘルニアは、脊椎と脊椎の間の椎間板が、なんらかの理由で脊髄や神経を圧迫している状態のことをいいます。事故や怪我などの外傷による急性の椎間板ヘルニアと、加齢とともに症状が出始める慢性の椎間板ヘルニアがあります。この他にも遺伝的に椎間板ヘルニアになりやすい傾向がある犬もいます。

治療方法

脊椎のどの部分に問題を抱えているのか画像診断を行い、症状が軽ければ安静にして投薬治療を行います。状況によっては、出来るだけからだの機能が衰えないようにリハビリを行うケースもあります。
重症の場合では手術をし、術後のリハビリを行います。最近は犬用の医療用コルセットも普及しており、犬の生活の質をできるだけ維持しながら日常生活を過ごすことができるケースも多いですが、椎間板ヘルニアは重症になると麻痺が進む病気のため、進行しないうちに治療を行うことが求められます。

股関節形成不全

股関節形成不全は犬に多い関節の病気です。胴長のコーギーは体型的にも股関節に負担がかかりやすい犬種です。

症状

後ろから歩き方をみると左右に腰を振って歩く、頭を下げて歩く、うさぎのような走り方をする、階段の上り下りを嫌がる、すぐに座る、横座りをする癖がある、関節からパキパキと音がする、びっこをひいて歩く(跛行)、走ったりジャンプをしなくなる、前足に比べると立っている状態で後ろ足の2本の足の間隔が異常に狭い、痛がるといった症状があります。

原因

股関節形成不全は、骨盤と大腿骨がカップ状の関節に正しい位置でおさまらないことで亜脱臼を繰り返し、関節や軟膏に異常をきたす病気です。原因の多くは遺伝的な関係性があるとされており、遺伝的な原因に加えて、生活環境や成長速度、肥満、栄養過多などさまざまな理由で股関節形成不全を発症するとされています。

治療方法

股関節形成不全の治療は、軽度の場合は、投薬治療と安静、サプリメント投与、体重管理、生活環境の見直し、リハビリでケアを行います。積極的に治療を行う場合は、レーザー治療、温熱治療、ハイドロセラピー(リハビリ)を行いますが、重症の場合は手術を行います。

1歳未満の犬で重症なケースでは、これからの長い痛みや動作の不安を考え、手術を行った方が良い場合もあります。軽度の場合は、成長期が過ぎると一時的に症状がおさまることが多いですが、高齢とともに再び問題となるケースが多いです。

てんかん

てんかんは、何らかの脳の異常によって、からだの一部、または全身の痙攣を引き起こす発作が、繰り返し起こる脳の病気です。獣医学的には1回の発作が起こっただけではてんかんとは言いません。

症状

よだれを垂らす、強直性けいれんと呼ばれる突然全身の痙攣(ひきつけ)を起こす、間代性けいれんと呼ばれるからだの一部が部分的に痙攣を起こす、泡を吹く、失禁するなどです。一時的に犬が意識をなくしたり、数分経つと元に戻りますが、徐々にてんかんの発作回数が増えていく傾向がみられます。

原因

てんかんは交通事故などの外傷、水頭症や脳腫瘍、脳炎などの脳の疾患、中毒などが挙げられ、原因はさまざまですが原因不明のケースもあります。脳の疾患からくるてんかんを「症病性てんかん『二次性てんかん』」といいます。原因不明のてんかんを「持続性てんかん『原発性てんかん』」といい、持続性てんかんは遺伝性の傾向がみられます。

治療方法

てんかんの治療は投薬治療で発作をコントロールして、てんかんの頻度や程度を軽減させます。しかし投薬治療は副作用も伴い、どの薬がからだに合うのかは試してみないとわからないことが多いです。犬を興奮させたり、不安にさせないといった心のケアも必要になります。

変性性脊髄症

変性性脊髄症はコーギーがかかりやすい病気の1つです。

症状

コーギーの場合、高齢になった犬の背中の脊髄に発症しやすく進行性があり、歩行異常、ふらつく、足を引きずる、階段の上り降りができなくなる、声がかすれる、立ち上がりや歩行ができなくなる、排尿・排便障害、失禁、完全麻痺、呼吸困難、といった症状が認められます。

原因

ビタミンB・ビタミンの欠乏、遺伝性疾患、自己免疫異常などの原因が考えられていますが、まだ明らかになっていない病気です。

治療方法

犬が足を引きずるため、足の保護、車いすの使用、その犬の状態にあった介護の方法の模索、酸素供給などが挙げられます。ビタミン剤やサプリメントなどの投薬の効果も実証されておらず、現時点で治療方法は確立されていません。進行性の病気のため、理学療法的なアプローチで、ハイドロセラピーやストレッチなどのリハビリを行うことで、進行を抑える方法が採用されています。

まとめ

コーギーの持つ最大の特徴である胴長の体型と大きな耳は愛らしく可愛いです。しかし胴長であるからゆえにかかりやすい病気もあります。自分の愛犬がかかりやすい病気の傾向を確認しておくと、犬の変化にいち早く気がつき、病気の発見につながるかもしれません。