犬の基本的なしつけ方~おすわり編~【子犬から成犬まで】

しつけ

犬のしつけをする時には、まず最初に「おすわり」から教えようとする方が多いのではないでしょうか?
実際に「おすわり」は、他の様々な動作の基本にもなる大切な指示となります。
今回は、犬にとって「おすわり」はどんな役割をするのかという事と、実際に「おすわり」を教える方法について紹介していきます。

犬に「おすわり」をさせる役割とは

犬の「おすわり」とは、後足をきちんとたたんで腰を下ろした状態のことを指し、犬のしつけをしていく上で常に基本の体制と言ってもいいでしょう。
「おすわり」の指示がきちんと身に付いていると、突発的な出来事が起きた時にも飼い主さんの「おすわり」の指示ひとつで、犬の行動を抑制することが可能となります。

その他にも、他の犬や人に出会うと興奮してしまう犬や、吠えてしまうような問題行動を抱えている犬には、「ダメ」や「コラ」などの言葉よりも、「おすわり」の一言の方が制止させるには効果があります。
これは、その指示語を聞いたら「おすわり」をするという行動が、頭の中でしっかりと出来ているので、反射的に反応をしてしまうからです。

このように、「おすわり」を教えておくことで、問題行動を制止させる効果が期待出来るだけでなく、万が一の時でも指示を出してその場に留まらせれば、犬の命を守ることに繋がる場合もあります。
また、何か別の指示を出すような時でも、ひとまず「おすわり」をさせて一呼吸おくことで、犬も次の行動に移る心の準備が自然と整うようになります。

【実践】「おすわり」のしつけ方

では、実際に「おすわり」をしつける方法を順番に説明していきます。
上手に出来た時にご褒美として与えるおやつを用意してください。おやつは練習の時のご褒美に使用しますので、指先でつまめる程度の大きさにしておいてください。

1.犬の正面におやつを持って座る
2.犬の鼻先でおやつを見せて視線をおやつに集中させる
3.おやつを徐々に鼻先から頭の上の方に移動していく(犬がおやつを見たままである事が絶対条件)
4.おやつに誘導されて犬の腰が下がり始めた時に「おすわり」と声を掛ける
5.お尻が床に着いておすわりの姿勢になったら、「いい子」と褒めておやつをあげる

手順は以上です。これを何度も繰り返し行うことで、犬は「おすわり」を学習します。
何度か練習した後に、スムーズに座ることができるようになってきたら、ご褒美であげていたおやつの回数を3回練習したらおやつを1回、5回練習したらおやつを1回などランダムに減らしていきます。
そのうちに、おやつがなくても「おすわり」の掛け声だけで上手に出来るようになります。

子犬のしつけの場合で、まだあまりおやつなどを与えたくない場合には、お気に入りのおもちゃで代用することも出来ます。
方法はおやつを使用する時と同じです。おもちゃは、音の出るような物の方が誘導しやすいかもしれません。

愛犬がなかなか座ってくれない時には

おやつで誘導してもなかなか座ってくれない犬の場合には、「おすわり」と声を掛ける時にお尻を軽く押してあげます。
押す力は本当に軽くにします。撫でるようなイメージだと思ってください。
強く押して強引に座らせるようなことは、絶対にしないでください。あくまでも犬が自然に座るように仕向けて行くのが成功のポイントです。

練習は短時間で飽きないうちに終わらせる

犬の集中力は長くても10分~15分程度しか続きません。「おすわり」の練習は、何度も繰り返し行う必要はありますが、1回の練習は10分程度にしておくようにしてください。
ダラダラと長く続けても、犬は気が散ってしまい学習の積み重ねにはなりません。

おすわりができたら静かに褒める

上手に「おすわり」ができた時には、必ず褒めるのは鉄則ではありますが、あまり大袈裟に褒めないようにしてください。
特にまだ練習を続ける場合には、大袈裟に褒めてしまうと犬は興奮してしまい、続けての練習が落ち着いて出来なくなってしまいます。
「いい子」と優しく声を掛けて、頭を撫でてあげる程度にしてください。
その代わりに、練習を終わらせる時には、その日頑張ったことを大袈裟に褒めてあげても構いません。

指示語は統一する

「おすわり」をさせる時に指示語は、家族間で必ず統一するようにしてください。
ここでは「おすわり」という指示語で説明をしてきましたが、指示語は「座れ・シット・ダウン」などでも構いません。
大事なことは、家族の間で必ず統一をするということです。
お父さんは「座れ」、お母さんは「座って」、お子さんは「おすわり」では、人からすれば全て同じ意味として捉えることが出来ますが、言葉の意味ではなく音で覚えている犬は混乱してしまいます。

成犬に「おすわり」をさせるしつけ方

次に成犬に「おすわり」のしつけをする場合のことを想定していきます。
既に成犬だからといって、「おすわり」のしつけをするのを諦める必要はありません。成犬でもきちんと手順を踏んで行えば、多少の時間はかかってもちゃんと覚えてくれます。

「おすわり」の練習を開始する前に

成犬になってからしつけを開始するということは、子犬から飼育はしているけれど単純に今まで練習をしてこなかったからなのか、成犬になって飼い始めたからなのか、理由は様々であると思います。
いずれにせよ、成犬のしつけを行うのであれば、飼い主さんと犬の間に信頼関係があることが大前提です。

それを確認する一つの方法として、アイコンタクトがきちんと取れるかを確認してみてください、犬の名前を呼ぶと、きちんと飼い主さんの方を向いて目を見てくれますか?
もしもこれがクリアされていなければ、「おすわり」のしつけを始める前に日々の生活を共にし、コミュニケーションを十分取って、信頼関係を築いていくようにしていきましょう。

成犬の「おすわり」練習方法

「おすわり」の練習方法は、子犬でも成犬でも基本的な進め方は同じです。
ただ、成犬の場合には子犬が練習して完璧に覚えるまでにかかった時間と比較すると、倍以上の時間がかかってしまうことも考えられます。
根気よく練習することで必ず覚えてくれる時がきますので、諦めずに続けてみてください。なかなか上手にできなくても、イライラしたりせず、ゆったりとした気持ちで行うことも重要なポイントです。
犬は飼い主さんの気持ちを敏感に察知しますので、あまりネガティブな気持ちで向き合わないようにしてください。今日がダメならまた明日がある!くらいの気持ちで取り組む方が、うまくいくこともあります。

まとめ

犬に「おすわり」を教える方法と、「おすわり」の役目について紹介してきました。
練習をする時には、犬が集中出来るような静かな環境で行うことが効果的です。また、なかなかうまく出来ないからといって、叱ったりすることのないようにしてあげてください。
今は成功して褒められると、また次も褒められるようにしようと頑張りますので、そこを上手に引き出してあげましょう。

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kai-k

愛玩動物管理飼養士・ドッグライフカウンセラー・動物介護などの資格を所有し、20年以上に渡る飼育経験とブリーダー経験を活かした、実体験に基づく記事作成を行っています。

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