公開日
2018/07/20

基本的なしつけ方法〜「待て」編〜【子犬から成犬まで】

犬のしつけの中で「待て」を教えることは非常に重要です。犬が「待て」を出来るようになることで、犬とのコミュニケーションが広がるだけでなく、犬の興奮を抑え、事故やトラブルを未然に防ぐことが出来るのです。今回は、子犬から成犬までの「待て」のしつけの方法についてご紹介していきます。

「待て」の役割とは

「待て」の役割は、人間に意識を集中させることで、犬の行動や興奮を抑制し、突発的な動きを防いで犬をコントロールすることです。

さらに犬に「待て」をさせることで、指示した人との距離をとることができます。飼い主さんと距離をとり、次の指示を待ち我慢を覚えることで、犬が飼い主に依存することのない心の状態を作ることが出来ます。具体的な例では、食事の前の興奮を抑える、お散歩時に玄関から飛び出さない、飼い主への甘え過ぎの抑制と自立、犬とのコミュニケーションの一つ、写真撮影が行えるなども「待て」のメリットといえるでしょう。

【実践】「待て」のしつけの方法

ここからは「待て」のしつけの方法についてご紹介していきます。犬のしつけの方法はさまざまですが、共通して言えることは「待て」を成功させるには、必ず犬が動き出す前に褒めるまたはご褒美を与えることがポイントです。

注意点としては、「待て」は犬にその場でそのまま動かないで欲しいときに使う指示なので、これから覚えさせようとする場合、「待て」をさせている間に動いてしまったから叩く、大きな音を出して驚かせるという体罰を用いる方法は使ってはいけません。「待て」を学習中に怖い思いをしたら、おそらく待たずに飼い主のところに飛んで戻ってくるか、その場の緊張から逃げる、キョロキョロと集中せずに神経が過敏になってしまうでしょう。

基本的なしつけの方法

最も簡単なしつけの方法としては、「待て」の前に「おすわり」を覚えさせて、この2つの言葉をセットで使う方法です。おすわり(座る)を覚えることができたなら、次は待て(動かない)にステップアップしていきましょう。ここでは、すでにおすわりができるようになった状態からのしつけの方法をご説明していきます。ご褒美は褒めることが基本ですが、おやつを使う場合はタイミングを間違えないようにしましょう。

褒めるしつけの方法

1.リードをつけて、飼い主の正面に犬をおすわりさせて、できたら褒める。

2.そのまま1歩下がって、「待て」と優しい声で声をかけ(手のひらを軽く犬に向けるジェスチャーもよい)、1秒から2秒で犬に1歩近づいて「いい子」「グッド」と褒めて頭を撫でる。
失敗したときは無視して、元の位置に犬を戻して練習を繰り返します。

3.1歩の距離で「待て」を継続して練習し、出来るようになったら、「待て」の時間を数秒に増やして成功率をあげて継続します。

4.数秒まで「待て」ができるようになったら2歩、3歩と徐々に距離を伸ばして成功率をあげていきます。

5.「待て」を理解したら「オッケーいいこ」「フリーいいこ」といって「待て」の束縛を解除してあげましょう。

リードをつけるのは、飼い主さんと離れて緊張や不安が高まることを防ぐためです。徐々に出来るようになったらリードは外してステップアップしていきます。

おやつを使ったしつけの方法

1.飼い主の正面で犬におすわりをさせて、出来たらおやつを与える。

2.おやつを見せながら「待て」と優しい声で声をかけ、数秒待てたらおやつを与える。

3.数秒待てるようになったら、1歩離れて「待て」をさせ、成功したらおやつを与え失敗したらおやつを与えないことを繰り返す。

4.2、3歩から徐々に距離をとって、距離と時間を延ばして成功率をあげていきます。

5.「待て」を理解したら「オッケー」「フリー」といっておやつを与えて「待て」の束縛を解除します。

犬が「待て」をしている間は、いつまで待てばよいのか、次の指示は何か、という意識を飼い主に集中させる必要があります。このため、これから「待て」を学習する犬は、周囲の音が騒がしくない場所で練習を行い、犬にとって刺激が少ない環境を作ってあげてください。屋外であれば、子供の多い公園や、線路の近く、車や人の通りが多い道よりも静かな場所で行う。室内であれば、テレビやラジオ、オーディオは切り、犬のおもちゃは全て見えない状態で、余計な刺激を与えない環境で行うことが成功率をあげるポイントです。

ごはんをあげる時のしつけの方法

ごはんを与える際に「待て」を教えることは、飼い主の指示でごはんを食べるということを教えることです。飼い主への服従から食に対する行動のコントロールをする為に行いますが、結果的に「待て」を覚えるしつけの方法となります。

1.食器にごはんが入っていることを犬に認識させる。

2.飼い主の正面で、犬におすわりをさせ「待て」と指示を出す。

3.食器を犬の顔の前に近づけ、「待て」ができたら「よし」「いいこ」と食事を与える。

4.慣れてきたら、待たせる時間を長くして、さらに食器を床に置いても「待て」が出来るように練習を重ねます。

犬の欲求である食に対して、長時間我慢させることは犬に大きなストレスがかかります。この結果、飼い主不信になる可能性や、反射的に食事をみるとよだれを垂らすようになるので長い時間「待て」をさせることはおすすめ出来ません。このしつけの方法をするのであれば、食器の中に入っているフードを数粒使って、「待て」を練習させる方がよいでしょう。

成犬への「待て」のしつけの方法

子犬も成犬も「待て」のしつけの方法に違いはありません。子犬は無邪気にテンションが高く、成犬の方が警戒心を持っているという違いと、しつける時期が早かった、遅かったという違いだけなので成犬でもまだ間に合います。「待て」は人間との暮らしを教えるのに役立ちます。

しつけをしていない犬や、保護犬、譲渡犬といった今まで人間とのコミュニケーションを行ってこなかった成犬でも「待て」は覚えることが出来ますし、コミュニケーションや信頼関係構築の1つとなります。こういった犬は、リードをつけられて拘束されていること自体に抵抗を示すかもしれませんが、リードを繋いである範囲内で飼い主さんが「待て」という言葉を使って、犬をコントロールするきっかけにもなりますので、犬が人と暮らしやすくなるためにも、諦めずにチャレンジしてみてください。

成犬になった犬は、犬の性格が顕著に表れていることが多く、頑固、怖がり、自分の身を守ることだけを考えているというケースもあります。一度怖い思いをすると、感じた恐怖を取り除くのには多くの時間がかかるので、静かな環境で体罰は行わない、大きな声や音を出さない、大きな身振りで驚かさない、急にパニックを起こして逃げることを想定しておく、といったことに注意して練習を行うことをおすすめします。

まとめ

犬の「待て」は人間と生活するさまざまな場面で必要となります。「待て」を理解することで、飼い主に依存する分離不安を起こさない最初のステップにもなります。子犬でも成犬でも「待て」を教えることはできますし、愛犬を事故やトラブルから守ることも出来るのです。