公開日
2018/08/07

子犬のうちに差が出るしつけ【臆病な性格対処法】

子犬を家に迎えたらしつけを行い、人間と暮らしやすい犬となるようにしましょう。子犬のしつけをしないと、臆病で怖がりな犬に成長するかもしれません。子犬の頃の接し方で犬の性格には差が出ます。臆病な犬よりも、人間とも犬とも仲良くなれるフレンドリーな犬になったほうが、犬にとっても幸せなのではないでしょうか?今回は、フレンドリーな性格になる子犬のしつけについてご紹介します!

臆病な性格はしつけで変えられる?

犬には持って生まれた性格の傾向があるのは事実です。例えば、怖がりで神経質な犬の子犬は繊細な性格になる傾向があります。臆病な犬と暮らしたことのある飼い主さんは、なぜ臆病な犬になったのか?という理由を、子犬時代を思い返して探ってみてください。大切な社会化期にずっとペットショップにいた、子犬の頃からお留守番が多く犬と触れ合う時間がなかった、あまり構ってあげられなかった、お散歩デビューが遅かった、しつけをしなかった、犬を大声で怒ってばかりだった、体罰を使っていた、となんとなく思い当たる節があるかもしれません。

生まれてから飼い主に出会うまでの様子は、信頼あるブリーダーの元から子犬を引き取らない限り知ることはできないので、ブリーダーの元での生活で、人間そして兄弟犬や母犬と触れ合う時間がなかった、兄弟がいなかった、母犬や兄弟達と早期に引き離されて、社会化が不足していたことが理由で臆病になったことも考えられます。

子犬時代の社会化期と呼ばれる期間に、多くの人や犬、さまざまな環境での体験をしてこなかった、またはできなかったということが理由で、警戒心が強い、怖がり、臆病、他の犬と遊ぶことができないといった犬に成長する可能性があるのです。

人間でも性格を明日から急に変えなさい!というのは無理がありませんか?成犬になり一度出来上がった臆病な性格を急に変えようとするには、大変な時間と労力が必要です。やっと人間と犬との信頼関係を築けるようになりしつけを始めても、無理に矯正しようとすると犬に大きなストレスがかかり、より人を怖がるようになるかもしれません。臆病な性格は、犬に自信をつけさせることで変化が期待できますが、問題行動のある臆病な犬は、ドッグトレーナーの適切な指導を受けながら、時間をかけてじっくり犬と向き合うことが必要です。

保護犬やトラウマを抱える犬など場合によっては、愛犬の性格や個性を把握して、嫌なこと、極度の恐怖を感じることはできるだけさせないようにして、ストレスをかけずに犬と付き合っていく方法を選ぶことも愛犬のためであるといえます。

子犬のうちにいろいろなものに慣らしておくことが大切

子犬の頃に体験したことは、犬の大きな経験値となります。人との触れ合いから、人間が怖くないということを学習したり、犬同士の遊び方、どれくらい噛んだら痛いのかを学習し、日常の生活音を含めたさまざまな音、室内や屋外のにおいを知って、さらにたくさんの人間と犬に接したり、見たり聴くことで、人間社会と犬社会のルールを学んでいくのです。

子犬のうちにさまざまな経験をして、社会に慣れていくことを「社会化」といい、子犬はこの社会化を行うことが、犬の成長や性格形成のために大切となります。

慣らすのには大切な時期がある

子犬には生後2週間までの「新生子期」、生後約20日までの「移行期」、生後約12〜14周目の「社会化期」があります。動物行動学の分野では、人間と暮らしやすい犬になるためには「社会化期」の経験が特に重要であるといわれています。

社会化期にどんな経験をしたか、どんな過ごし方をしていたかで、子犬の性格の傾向が決まっていきます。

成犬でもしつけは間に合う?

家にやって来たばかりの子犬であっても、社会化期をとっくに過ぎた成犬であっても「しつけ」を行うことは可能です。成犬になった保護犬や、社会化ができなかった犬、心に傷を負った犬と暮らすようになった時でも慌てる必要はありません。「しつけ」は犬におすわりや伏せをさせて、指示に従わせることではなく、人間と暮らしやすい犬になるように導くことです。

成犬でもできることはたくさんあるのでしつけは間に合います。臆病な犬が、怖がって拒絶する場合は無理をさせずに、時間をかけて飼い主さんも楽しい気持ちでしつけを行いましょう。

人に慣れさせる方法

人に慣れさせることもしつけの1つです。子犬に人慣れさせるためには、人間と触れ合う時間を多く作りましょう。まず最初に、飼い主さんとの信頼関係を作るようにします。急に多くの人と触れ合うのではなく、静かな環境で、少ない人数から優しく撫でてもらう、おやつをもらう、遊んでもらうという時間を作り、自信をつけてあげてからたくさんの人と触れ合う時間を持つようにさせましょう。

人を怖がる子犬は、人との接触との他に、聴覚や視覚から入ってくるさまざまな情報に驚いて、音や動きに敏感になっていて、人間に集中していないことがあります。日常的な音や人の動きに慣れさせておくことも大切です。

  • 食事を人間の手から与える
  • 手の甲のにおいを嗅がせてからからだを触る
  • 人間が床に座るなど、低い位置で触れ合う
  • 静かな環境でからだを撫でてスキンシップをとる
  • 長いお留守番をさせない
  • 家族に小さな子供がいる場合には、子供に犬の触り方を教える
  • 室内でボリュームを落としたラジオやテレビを時々つけておき、騒音や雑音があっても落ち着いていられるようにする
  • ワクチンのプログラム中は、子犬を抱っこさせて外に出し、子犬に通行人や車や街の風景を見せる

他人に慣れさせる方法

臆病な犬の場合、逃げられない場所に追い詰められた、恐怖や身の危険を感じた、自分のものを取られそうになった場合に、その場から逃走するか、自分の身を守るために攻撃をすることがあります。このため、動物病院での診察やトリミング、ペットホテルでは問題となることが多いのです。特に命に関わる病気や怪我をした場合に診察が受けられないことは大きな問題となります。いつも飼い主さんと一緒にいられるとは限りません。知らない人に触られることに慣れておくことも犬のしつけで大切なことです。

目や耳などを触られるのに慣れさせる方法

子犬のうちから目や耳など、からだのどの部分を触っても犬が落ち着いていられるようにしましょう。子犬のからだに力が入っている時や暴れ出す時は緊張しているので、時間をかけて少しずつ触れるようになろう!というくらいの気持ちで無理をさせないようにすることが大切です。

  • 子犬のうちにからだ全身(特に背中、お腹、耳、口、お尻、足)を優しく撫でる時間を作る
  • 抱っこやマッサージをしてスキンシップをとる
  • ブラッシングや歯磨き、耳掃除を日常的に行う
  • 爪は切らなくても、子犬のうちから爪切りを爪に当てる仕草をして怖がらないようにさせておく
  • お散歩でさまざまな容姿の人とたくさんすれ違う
  • 最初は飼い主さんが知っている人に触ってもらう
  • 子犬に自信がついたら多くの人に触ってもらう
  • 来客が来たら子犬におやつを与えてもらう

犬に慣れさせる方法

子犬を犬に慣れさせるときは、様子をみながら少しずつ慣らしていきましょう。犬同士には挨拶や遊びのルールがあります。空気を読めない犬は、ドッグランや不特定多数の犬が集まるところでは、喧嘩やトラブルのもととなるので注意が必要です。犬の喧嘩に巻き込まれ、一度他の犬に襲われた犬は、犬嫌いのトラウマになることもあるので、犬同士だから大丈夫と思わず慎重になるべきです。

同居犬の場合

同居犬(先住犬)と子犬の相性がよければ多頭飼いは何の問題もありません。しかし、先住犬は今まで飼い主さんを独り占めできていたのに、ある日突然子犬がやってきて、子犬がちやほやされている状況に嫉妬して子犬を攻撃することもあります。子犬を同居犬(先住犬)に慣れさせるには、以下の方法があります。

  • 初めて会わせるときは静かな環境で、同居犬と子犬が落ち着いてるときにする
  • 子犬だけをケージに入れて部屋の真ん中において同居犬に匂いを嗅がせるのも効果的
  • 子犬が成犬になり互いの順位が決まるまでは、同居犬(先住犬)をから優先して行動する
  • ごはんやおやつを与える順番は同居犬(先住犬)から子犬の順番にする
  • 同居犬(先住犬)が子犬を明らかに攻撃し、首を噛んで離さず、唸りながら子犬の首を振りまわす、血を流す程に噛むときは攻撃行動なので、同居犬と子犬の距離をとります。

幼い子犬の場合は、同居犬も最初から子犬のことを自分より下だと思っていたり、仕方なく子犬が誘う遊びに付き合ってあげたり、犬社会のルールを教え、ときに厳しく叱って教育係をすることもあります。同居犬からたくさんのルールを教えてもらった子犬は他の犬との付き合い方を自然に学んでいきます。犬同士しかできない犬社会の教育は、犬に任せるしかありません。社会化期に同居する犬から学ぶ犬のしつけは、子犬にとって最高の方法です。

しかし、どうしても子犬の存在を受け入れられずストレスを溜める犬もいます。全ての同居が上手くいくわけではなく、先住犬にも、後からやって来た子犬もストレスがかからないために、別々の空間で暮らす方法を選ばなくてはいけないケースもあるので、新しい子犬を家に迎えたときは、慣れるまで2頭から目を離さないようにしましょう。

同居犬の他に新しく性格が出来上がっている成犬を迎え入れる場合は、同居犬との相性をみるためにも、トライアル期間を設けて一度相性をみることをおすすめします。

他の犬の場合

家族に同居犬がいない場合には、子犬が常に接触できる犬はいません。ワクチンプログラムが終わったら、積極的にお散歩に出て、犬同士の挨拶を経験させてあげることで、他の犬との付き合いを学んでいきます。他の犬に慣れさせる場合は相手の飼い主さんや犬の様子をみながら挨拶をさせてください。

犬同士の接触が嫌いな犬もいるので、突発的なトラブルを避けるために、最初は相手の犬と子犬がリードで繋がれている状態で「大丈夫ですか?」「挨拶してもいいですか?」「こんにちは」と確認してから犬同士の挨拶をさせるようにしましょう。

  • 犬がお互いに落ち着いている環境で練習をする
  • いきなり相手の犬に接触させない
  • 他の犬に慣れるまで、自信が付くまではドッグランに連れて行かない
  • お互いの犬が歯をむき出していたり、背中の毛が逆立って唸っている場合は、犬の接触をやめる
  • ワクチンプログラムが終わったら、パピーパーティーやしつけ教室に参加して多くの経験を積む

基本的には犬同士の挨拶や付き合いは犬に任せて、必要であれば介入するというスタンスをおすすめします。ただし、犬の行動で、緊張している子犬が急に動き出す、走り出す瞬間は気をつけましょう。子犬が緊張やストレス、驚きから、急に動き出して逃げる動作をすると、他の犬との喧嘩やトラブルを誘発するので、子犬を迎え入れた日から、しっかり社会化を行い、普段からさまざまな刺激に慣れるようにしていると、結果的に犬に出会ったときに驚いたり、緊張することなく犬に慣れる練習ができます。

まとめ

子犬の社会化は子犬の性格形成に非常に重要です。子犬時代の経験不足から臆病な犬にならないためにも、家に迎え入れたその日から人間と暮らすルールを教えて「しつけ」を行いましょう。

犬同士の関係も大切です。最近では、子犬の社会化の重要性から、子犬の頃にたくさんの犬同士が接触できるパピーパーティーや、月齢に応じた子犬への接し方やしつけの仕方を勉強できる、しつけ教室(パピーレッスン)も多く開催されています。こういったイベントに参加することで、犬の社会化ができ、愛犬がフレンドリーな犬に成長できるきっかけを与えるだけでなく、飼い主さんも犬のしつけに関わるさまざまな情報を知ることができておすすめです。