公開日
2018/08/29

しつけの理論を知って、普段のしつけに生かそう♪

犬のしつけを行う時に、役立つ理論があることをご存知ですか?
犬のしつけは、その時々で速やかに対応していかなければならない場面も多いので、理論などを考えている暇はもしかしたらないかもしれませんが、今回紹介する理論を頭の片隅にでも入れておいていただくと、ふとした時に役立つ時がきっとあると思います。

しつけには大きく分けて6つの理論がある

犬のしつけを行うのに役立つ理論は、大きく分けると6つの種類があります。
この6つは直接的にしつけの方法として使えるものではないのですが、その理論の持つ意味を少しでも理解しておくと実際のしつけを行う際に大変役立つ時があります。
理論というと難しく感じてしまう面もあるかもしれませんが、分かりやすい例をあげながらそれぞれの理論について解説をしていきます。

古典的条件付け(レスポント条件付け)とオペラント条件付け

犬のしつけの理論としては、もっとも一般的な古典的条件付けとオペラント条件付けについて解説します。

古典的条件付け

古典的条件付けとは、全く違うタイプの2種類の刺激を頭の中で結び付けて学習させる方法です。
例をあげてみます。

ベルが鳴る⇒おやつがもらえる(よだれが出る)⇒ベルが鳴るだけでよだれが出るようになる

犬はベルが鳴るとおやつがもらえると学習した結果、おやつを見せなくてもベルの音だけでよだれが出るようになります。
これは別名、レスポント条件付けやパブロフ型条件付けと呼ばれています。

オペラント条件付け

オペラント条件付けとは、行動とそれに基づく結果の関連性を学習することを言い、4種類に分離されています。

  • 正の強化:ご褒美が貰えることで、その行動を自発的に行っていく
  • 正の弱化:おしおきを与えることで、その行動を行わなくなっていく
  • 負の強化:おしおきをやめたことで、イタズラを繰り返すようになる
  • 負の弱化:ご褒美を取り除くことで、その行動をしなくなっていく

4つ目の「負の弱化」は少し分かりにくいかもしれないので補足しますと、「要求吠えを無視するようになると、段々と吠える行動をしなくなる」という例が挙げられます。
負の弱化でいうご褒美とは、要求吠えに飼い主さんが対応してくれることで、これに対応しなくなることで犬は諦めて要求吠えをしなくなるということになります。

馴化と鋭敏化

次に馴化と鋭敏化について解説します。

馴化

馴化とは、ある一定の刺激を繰り返し与え、その刺激に慣れさせていくことを言い、子犬の社会化期に様々なことを経験させ、外の世界に慣れさせていくことがこの馴化になります。
日頃の生活音や車の音、散歩時に着ける首輪などに慣れさせていくことも馴化の一種です。

鋭敏化

鋭敏化とは馴化とは正反対の現象となり、馴化の方法を誤ってしまうと鋭敏化の状態になってしまうことがあります。
様々な物に早く慣れて貰いたいとの考えから馴化を急ぎ過ぎた結果、犬の気持ちがそれについていけず、些細な音や物事を怖がったり嫌がったりするようになってしまいます。
馴化は犬の個体差を理解しながら行っていくことが大切です。

生得的行動と習慣的行動

最後に生得的行動と習慣的行動について解説します。

生得的行動

生得的行動とは、生まれつき持っている本能による行動のことを言います。遺伝子レベルの行動となりますので、犬種や血統によって生得的行動には違いがあります。
子犬の頃にはなく、成犬になってから出てくる行動もなかにはあります。

習得的行動

習得的行動は、経験に基づき身に付く行動を言いますので、犬種や血統が同じであっても経験が同じでなければ習得的行動も違ってきます。
例をあげておきます。

  • おやつを与えるとよだれが出る⇒生得的行動(美味しい物を食べれば自然とよだれが出る)
  • おやつを見ただけでよだれが出る⇒習得的行動(そのおやつを食べた経験がある)

理論を普段のしつけに生かしてみよう!

古典的条件付けの活用法

古典的条件付けをしつけに活用するには、おやつをあげる直前に「いい子ね」など決まった言葉を常に言うようにします。
すると犬は「いい子ね」という言葉を聞くと、実際におやつを貰っていなくても嬉しい気持ちになります。

犬のしつけは何よりも褒めて良い経験をたくさんさせ、それを学習させていくことが重要です。
そのため、褒める時にこの古典的条件付けを使用するようにすると、犬はただ褒められるだけの時よりもより嬉しい気持ちが強くなり次も同じ行動を取るようになっていきます。

オペラント条件付けの活用法

オペラント条件付けをしつけに活用するには、良い行動をしたらご褒美を与えるという単純な方法です。
例えば、散歩で引っ張り癖のある犬をしつける時、引っ張らずに飼い主さんの近くを上手に歩くことが出来たらご褒美としておやつを与えるようにします。
すると犬は、再びおやつが貰いたくて同じ行動を取るようになっていきます。これをその他のしつけにも活用していきます。

ここまで紹介すると、古典的条件付けとオペラント条件付けは同じように感じます。
この2つの大きな違いは、反射的な行動か自発的な行動かという点です。

古典的条件付けは、おやつを見ただけでその美味しさを思い出し、無意識によだれが出てしまったり、美味しかった時の嬉しい気持ちを思い出して自然と嬉しくなってしまったりと、犬自身が意識したのではなく反射的に出てしまう行動を指します。

オペラント条件付けは、この行動をしたらおやつを貰えるなどの嬉しい行動が起こった事実を学習し、またその経験をしたくて自らその行動を起こすことを指します。

馴化の活用方法

子犬の社会化期などに、様々な経験をさせて社会に慣れさせていきます。
この馴化は犬の性格により、その進み具合に大きく差が出てくることがありますので、犬の様子を確認しながらゆっくりと慣らしていく必要があります。

また、一度馴化に成功しても、長時間その経験を行わないままでいると「自然回復」といって馴化する前の状態に戻ってしまいますので、その時にはまた最初から馴化を行う必要があります。

まとめ

犬のしつけに活用出来る理論を紹介してきました。
ここで紹介した理論は、そのまましつけに活用出来る訳ではないのでが、様々な本やメディアで紹介されているしつけの方法はこれらの理論を応用しています。

その為、実は自然とこれらの理論を使用してしつけを行っている場合があります。ただ、理論を知った上でしつけを行うのと全く知らないまま行うのとでは、しつけの進み具合にも違いが出てくる場合があります。
しつけ方法の持つ理論を理解してみると、しつけへの取り組み方や意識が違ってくるかもしれません。