ペットと暮らせる公社賃貸住宅が実現へ。ドッグパッドでは以前、ペットと暮らせる団地の計画として大阪府堺市にある金岡東・金岡東B団地の老朽化による建て替え工事について取材を行いましたが、この夏、工事を行う事業者の選定が行われ、2025年秋頃の完成にむけて計画が進んでいます。今回は「人とペットが共生する公社賃貸住宅」の構想について、大阪府住宅供給公社さんにお話をお聞きしました。
大阪府住宅供給公社が「ペット共生住宅」の建設を計画中
大阪府内において公社賃貸住宅 SMALIO(スマリオ)を提供する大阪府住宅供給公社が、老朽化や耐震性などの現在の居住ニーズや住宅設備に対応できなくなった既存住宅の建替事業を実施。本建替事業を通じて、コロナ禍における新たな生活様式やペット共生のニーズ等、住まい方や働き方の多様化に対応するとともに、若年層やファミリー層などが安心して暮らせる住宅の供給を行います。
老朽化が進む金岡東・金岡東B団地(堺市北区、1965 年築) の建て替えにかかる事業提案競技によって、最優秀作品が決定しました。 今後は、2025 年秋頃の建物完成をめざし、工事に着手していきます。
大阪府住宅供給公社とは
大阪府住宅供給公社は、地方住宅供給公社法に基づき、大阪府が全額出資して設立した法人で、賃貸住宅や店舗、駐車場、賃貸土地の管理や運営を行っている法人です。
(引用参考:大阪府ホームページ「大阪府住宅供給公社について」)
ペットとの共生だけではなく、地球環境に配慮した賃貸住宅を目指す
本建替事業を機にZEH—M Oriented(ゼッチ・マンション・オリエンテッド)の認証取得や、太陽光パネルと蓄電池を設置し、集会所や共用部への電力供給による省エネ化や地域交流の促進、ペットとの共生など、安心・安全で環境に配慮したこれからの時代のニーズに応じた新しい賃貸住宅へと生まれ変わらせます。
※ZEH—M Oriented:再生可能エネルギー等を導入することにより、年間の一次エネルギー消費量を基準値から20%以上削減した住宅に与えられる認証制度
関連リンク:大阪府住宅供給公社 建替事業者決定プレスリリース
完成までの予定
2022年10月〜 実施設計・各種申請
2024年春頃 本体工事着工
2025年秋頃 建物完成(予定)
建替計画の概要
建設戸数 :170戸 構造 :RC造12階建
敷地面積 :8,960.94㎡ 建築面積 :1,914.02㎡
延床面積 :10,023.10㎡(容積対象)
専有面積 :一般住宅棟 50㎡(89戸)、55㎡(21戸)、60㎡(10戸)
ペット共生住宅棟 50㎡(10戸)、55㎡(10戸)、60㎡(30戸)
ペットとの共生と地球環境に配慮した公社賃貸住宅とは?
金岡東・金岡東B団地の建替事業では、2024年の春頃から工事が着工する予定とのことで、前回に引き続き、大阪府住宅供給公社さんに建設の計画についてお話を伺いました。
関連記事:【ドッグパッド】公社賃貸住宅でペット共生住宅が誕生!ペットと暮らせる大阪府住宅供給公社の取り組みとは?
ペット共生住宅の計画は、団地の老朽化がきっかけとなった
――工事を行う事業者の選定が終了したとのことですが、そもそも金岡東団地、金岡東 B 団地にペット共生住宅を建てることになった理由はありますか?
大阪府住宅供給公社:建設(1965年築)から55年以上が経過し、建物が老朽化し、耐震性能基準を満たしていないこと、また現在の居住ニーズに見合った設備水準を満たしていない状況となっていたことから建て替えによる住宅ストックの再生に取り組むこととしました。
ペット共生等を含めた提案を求めるということが公社初の取り組みであることから、今後、提案に基づいて実施設計を行い、プランを実際に実現させていくことに少なからず課題があると思います。
ペットに優しい床材の採用や入居者用ドッグランなど、ペット愛好家に嬉しい設備が整う公社賃貸住宅となる
――ペット共生住宅として、ペットと暮らす飼い主さんに嬉しい設備などはありますか?
大阪府住宅供給公社:入居者用のドッグランも備えており、室内でも壁や床材に傷や臭いがつきにくく、クッション性がある素材を使用することで、集合住宅でありながら、足音やにおいの心配が少なく、ペットを飼育されている方でも安心してご入居を検討していただけます。
さらに、ペットがくつろげる習性に配慮した専用のスペースやペットドア等を設置し、ペットもストレスを感じることなく落ち着いて快適に暮らせる環境を構築します。そのほかでは、換気扇や収納もペットのいる生活に適したものとします。また、共生住宅としてペットが飼っている方とそうでない方が互いに快適に安心して暮らせる住宅を供給します。
建設には、人とペットが共生し、時代のニーズに合ったさまざまな配慮が盛り込まれる予定
――団地内で人とペットが共生し、居心地の良いコミュニティが生まれる住宅になるとお聞きしました。ペットと暮らす人、そうでない人が敷地内で共生し、皆が暮らしやすい空間とはどんな配慮がされているのでしょうか。
大阪府住宅供給公社:たとえば、団地内の遊歩道はペット連れ用の通路をサインで示してゆるやかに区分けし、互いに快適に過ごせるよう工夫します。
また、駐車場やごみ置場は各棟のエリア内に設け、日常生活はそれぞれの棟で完結できるように計画されていますが、ペットを飼育する人としない人が共生できる環境構築の一環として、一般住宅棟とペット共生住宅棟の中心に位置する場所に「せせらぎのにわ」を配置し、それぞれの入居者が同じ空間を共有できる交流の場所とします。また、先述のドッグランは動物の習性に合わせて曲線や起伏を用いて形状を工夫し、ペットが活き活きと遊べる場所を提供します。
このように計画全体を通してペットを飼育する人としない人が共生できる環境を構築する計画です。
今回の建て替え工事では、愛犬や愛猫などのペットを飼っている方もそうでない方も共に住んで共生する住宅という面と、時代のニーズに則した環境面に配慮し、省エネ化を実現した住宅を供給することが本建替事業の一番のPRポイントだと思っております。
住宅全体でペット飼育可もしくは不可という住宅は従来から存在するものの、ペット共生住宅棟と一般住宅棟を同時に供給し、ペット共生住宅として共存する計画というのはおそらく前例がないため、差別化が図れていると考えています。
――団地の完成が楽しみですね!ありがとうございました。
お問い合わせ先
会社名:大阪府住宅供給公社
住所:大阪府大阪市中央区今橋2丁目3-21
お問い合わせ先:大阪府住宅供給公社 経営戦略室 企画課 企画・広報グループ
大阪府住宅供給公社公式ホームページ:https://www.osaka-kousha.or.jp/
Instagramのアカウント:@smalio.danchi/
facebookのアカウント:@osakakousha
編集後記
ペットと暮らしたい方をターゲットにした団地づくりの実現に向けた大阪府住宅供給公社の取り組みが進んでいます。ドッグパッドでは今後も「人とペットの共生」がテーマの団地づくりについて取材を続けたいと思います。
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取材協力/画像提供:大阪府住宅供給公社
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