【第13回】一般社団法人はーとinはーとZR代表/池上奈穂さん【後編】

雑学

東京都を中心に犬と猫の保護・里親探し・飼育相談、動物愛護の啓蒙活動などを行っている「一般社団法人はーとin はーとZR」。
毎月第1・3日曜日に里親を希望される方に譲渡会を開いています。
好天に恵まれたゴールデンウィークの最終日に開かれた譲渡会にお邪魔しました。
どんな活動をされているのか、代表の池上奈穂さんに2回にわたっておうかがいしました。

人生の友として、家族として保護犬を迎えてください

―――これまで里親に保護犬を譲渡してきてどんなことを感じますか?

やんちゃな仔犬を家族の一員として育てて共に過ごすこともすばらしいことです。しかし私たちも歳をとってゆきます。60歳、70歳になったときに新しく仔犬を飼うことにためらわれる方も多いと思います。例えば60歳のときに落ち着いた5歳の成犬を受け容れて互いに歳を重ねていくとします。もちろん犬種にもよりますがあまり勢いよく引っ張られることもなく、落ち着いた散歩ができます。70歳になったときには傍らに15歳の老齢犬がいます。お互いに日々の話し相手にもなります。
保護犬を人生の友、家族として迎え入れることを皆さんに考えて欲しいですね。

その際私たちが設定している譲渡の条件は、
・ご家族全員が、保護動物を里子に迎えることに賛同している。
・ご家族にアレルギー体質の方がいないまたはアレルギーがあっても対処できる。
・ペット飼育可能な住居(一戸建て・ペット可マンションなど)にお住まい。 ※賃貸住宅にお住まいの場合はペット飼育可能であることが証明できる書類のご提示をお願いします。
・毎日のお散歩・トリミングが必要な犬種はトリミング、健康管理
・必要な医療を必ずしていただけるご家族。また、保護犬を迎えるにあたって、畜犬登録をしていただき、登録番号をご報告いただけるご家族。
・譲渡後、6か月間は毎月近況報告をしていただけるご家族。 ※譲渡は、はーとinはーとZRの預かりスタッフがご自宅におうかがいし、お届けすることが条件となります。
・保護先(預かりスタッフ宅)より車で移動可能な距離にお住まいのご家族。
・終生飼育のお約束をしてくださるご家族。継続して犬・猫の飼養が困難になった場合に引き継いで終生飼養を約束して頂ける後見人がいるご家族。特に、お一人暮らしの方や60歳以上の方は、保証人や後見人がおられることを条件とさせていただきます。
・保護犬のお届け時に、フィッシュ4のフードをご購入してくださる方。 ※フィッシュ4のフードについては、譲渡日に説明させていただきます。 譲渡の際にはメディカルチェック、血液検査、検便
・避妊去勢
・スケーリング・6種混合ワクチン・フィラリア検査など医療費一部負担金をいただいております。 ワンちゃんの状態はさまざまですが、不公平感のないように男の子は32,500円、女の子は37,500円をご負担していただいています。 詳しくはホームページでご確認ください。

譲渡会にはたくさんの方が参加されました

保護犬と里親との絆を結ぶボランティアを募集

運命の出会いを待ちわびてソワソワの犬たち

―――組織を運営するにあたって課題となっていることはどんなことでしょう?

私たちが活動している場所柄でしょうか、ブリーダー崩壊によって引き取るケースが多いですね。保護した犬たちを一匹でも多く家庭の温かさを感じられるように里親を探しています。保護犬と里親との絆を大切にしたいと思っています。
現在の課題のひとつは運営経費の問題があります。グッズを提供していただき、その売上げや寄付が主な財源になっています。フードのご購入で、保護犬たちのフード代に利益が当てられているので、ご購入をお願いしています。              もうひとつは活動を支えるボランティアの方と日常的な預かりをしてくださるご家庭の不足です。バザーやイベント、会の運営や事務、動物たちの世話、啓蒙活動など、動物愛護に対する理解とご協力いただける方の参加を募っています。

取材を終えて

スタッフと楽しく遊ぶワンちゃんたち

里親会ではお子さんがかわいい犬の姿を見て強く欲しがったり、せがむ様子をよく目にします。しかし、保護犬は一度捨てられ、過酷な環境で生きてきた経験があるので、里親の深い愛情が必要です。里親になって「やっぱり飼えなかった」「手に負えなかった」では済まされません。

また、保護犬に限らず動物を飼う場合、正しい知識が必要です。例えば、トイプードルの場合、体毛が長くなり過ぎると夏場は暑がるので、2か月に一度はカットする必要があります。逆に、暑い時期にペット扱いして衣服を着せたりするのもワンちゃんの立場からするととても迷惑です。ペットとしてではなく、大切な家族の一員として迎え入れることが求められます。
どちらも人間の都合だけで飼ったり、かわいがったりするのではなく、ワンちゃんの立場を考えて暮らすようにしたいものです。

保護犬を家族に迎える場合、一緒に暮らす環境や家族の役割、年齢構成、健康状態、経済状態など、多角的に検討することが大切だと感じます。

取材にご協力いただいた団体

一般社団法人 はーとin はーとZR
〒106-0031 東京都港区西麻布2-4-9 アルタハウス3F

Tel.03-3400-4003 Fax. 03-6427-4204
Email.fresco41916@gmail.com
http://hinhzr.org/
Facebook:https://www.facebook.com/hinhzr/

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Bowwow父さん

Bowwow父さん

父親の立場から、犬の気持ちになって、犬の食と健康に役立つ情報を取材するライター。我が子のために日夜ドックフードを食べ続け、ベストなフードを探しています。

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