高齢犬ならではの生活
犬たちがシニア期に入る年齢は諸説があり、明確な年齢の定義がありません。
7歳~10歳くらいになると、今までとは違う体の異変が現れ始めます。
「若いころと違う?」と感じたとき、そのコのシニア期が徐々に始まったと考えてよいでしょう。
愛犬は私たちに何をしてほしいか、体調がどのように変化しているのかなどを、伝えることができません。高齢犬ならではの生活様式を知って、痒い所に手が届く飼い主さんになってみませんか?
高齢犬が陥りやすい7つのこと
高齢犬ならではの問題点をご紹介します。
嗜好が偏る(食事をとらなくなる)
今まで食べていたフードを食べなくなったり、食が細くなったりします。
愛犬が食事を食べない原因は「体調がすぐれない」「口の中に(歯茎など)痛みがある」など、体調不良が考えられます。
また、食事が硬くて食べにくいこともあるため、ライフステージにあったフードに変える必要もあります。
ただ、愛犬の認知症が進行すると食欲が増進することが多く、やたらと食べたがるようになります。
どのような状況でも、愛犬の体重管理をして、肥満や痩せすぎにならないよう、注意をする必要があります。
水分不足になりやすい
白内障の進行により目が見えにくくなると、水を飲みに行っても、水がある場所がわからず、あきらめて戻ってくることがあります。
また、マズルが短いコは、鼻先を水につけることに恐怖を感じ、水を飲みたがらないようになるケースもあります。
水を飲む量が減ったり、水を飲みに行ったのにそのまま戻ってきたりしたら、何かしらの不具合があると考えましょう。
愛犬が飲みやすい水のみに変えることや、定期的に水を置いてある場所に愛犬を誘導するなど、工夫をしてみてください。
ケガや病気にかかりやすくなる
愛犬が年を重ねると、免疫力の低下や内臓機能の低下などが原因で、下痢や嘔吐をするなど、今までより体がデリケートになります。
また、視覚や聴覚の衰えにより、ものにぶつかることも増えます。
このように、愛犬が高齢化すると、ケガや病気にかかるリスクが高くなります。
お部屋に置いてある危険なものを取り除くことや、食事の管理、清潔な環境を保つなど、少しでもケガや病気のリスクを下げる対策をしてあげてください。
昼夜逆転してしまう
高齢犬は眠る時間が長く、ほとんど眠っているといっても過言ではありません。
ただ、寝かせっぱなしにしてしまうと、昼夜逆転してしまいます。
昼夜逆転すると、認知症の症状が現れたとき、夜鳴きをするリスクが高まります。
歩行が難しく、お散歩に行けないなら、外の空気を吸わせたり、短時間でも日差しにあてたりして、昼夜逆転をできるだけ防ぎましょう。
便秘になりやすい
食が偏り足の筋肉が落ちると、うんちがなかなかできず、我慢してしまい便秘になりやすくなります。
足が踏ん張りやすいトイレを作ることや、食物繊維が含まれている食べ物を与えるなど、愛犬がうんちをしやすい環境を整えてあげてください。
どれくらいのスパンでうんちをしているか、手帳などにしるしをつけておくと便利です。
運動不足になりやすい
足の筋力が落ちたり、関節に痛みがあったりすると、お散歩を嫌がるようになります。愛犬が歩けるのなら、無理のない程度にゆっくりとお散歩をしましょう。
足腰が弱いコのために作られた、足腰の負担を軽減し、歩行を楽にするハーネスなども販売されています。愛犬に負担がかかりにくい、便利なアイテムを取り入れることもおすすめです。
外を歩くことが難しいなら、お部屋でできる遊びを取り入れてみましょう。
横になったままでも楽しめる、ノーズワークマットはシニア犬におすすめの遊びです。
ウォークアバウト胴体用ハーネス
愛犬の胴体を包み込み、歩行をサポートするハーネスです。
このように、便利な商品もあるため、参考にしていただけたらと思います。
恐怖に感じることが増え攻撃的になりやすくなる
視覚や聴覚の衰えが進むと、周りのものを認識しにくくなり、恐怖心が増すことがあります。今まで動じなかったことに対しても、攻撃的な反応をするなど変化が現れます。
愛犬が攻撃的な反応をしたときは、叱らないでください。
より恐怖心が増し、自分を守るために、攻撃的になることが考えられます。
飼い主さんがケガをしない範囲で、愛犬の気持ちを受け入れ見守ることや、愛犬が怖がらないアプローチの方法を探してみましょう。
最後に
このように書くと、「高齢犬との暮らしは大変だ……」と思われるかもしれません。
ですが、手がかかればかかるほど、愛おしく感じるのです。
高齢犬との暮らしは、正直なところ楽ではありません。ですが、それを忘れるくらい、かわいらしいのが高齢犬の特徴です。
皆さんの愛犬が年を重ねたときに、高齢犬とどう接するか、参考にしていただけたら幸いです。
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