愛犬のしつけで気になることはありませんか?問題行動のお悩みを解決して、スッキリとした気持ちで犬と接する方が、より愛犬との絆が深まります。トラブルが起こる前に、できる対策を考えてみましょう!よくあるしつけに関するお悩みについてご紹介します。
愛犬のしつけで悩んでいる人は多い
犬と暮らしていると、思い描いていた犬との生活でなかったり、しつけのお悩みを抱える人は多いです。
例えば、愛犬が長時間のお留守番ができない、無駄吠えでご近所のことが心配、人や犬が苦手、トイレの失敗が多い、噛み癖がなおらない、ドッグカフェで食事ができないなどはよくあるお悩みです。
工夫してお悩みを解決しよう!
これらの愛犬のお悩みを解決するためには、飼い主さんが犬に対してどうアプローチを行うべきか考えることが必要です。愛犬のからだの異常や問題行動の程度によっては獣医師やドッグトレーナーに相談することをおすすめします。
長時間のお留守番ができない
長時間のお留守番ができないお悩みを持つ飼い主さんは多いです。部屋の中を荒らしてしまったり、ケージやサークルの中でペットシーツをかじってしまうケースです。
解決方法
部屋の中を荒らしてしまうという破壊行動は、愛犬が何を噛んだり食べたりするかわからないので、非常に危険です。
飼い主さんが帰宅して荒れた部屋の中で、犬を大声で叱ったりしていませんか?もしかしたら、「叱る」ということも、「飼い主さんが帰ってきて構ってくれた」と犬が学習しているかもしれません。愛犬が帰宅時に喜んでくれることは嬉しいですが、心を鬼にして興奮が落ち着くまで無視をして犬の心をコントロールしましょう。
いたずらをするのであれば、犬を守るためにもフリーの状態でなく、ケージやサークルに「ハウス」をさせてお留守番させるようにしましょう。お留守番に慣れない犬は、長時間のお留守番で犬に不安やストレスがかかります。まずは短い時間のハウストレーニングからはじめてみて下さい。ケージの中でペットシーツを噛む場合は、トイレシートの上にスノコ状の網を敷ける製品があるので活用しましょう。
鳴き声が近所迷惑になる、愛犬の無駄吠えが気になる
犬の鳴き声や無駄吠えは、ご近所トラブルになることが多いです。寂しい吠え、遠吠え、来客時のインターホン、外の音、人影や近くを通った犬の姿、雷、防災無線と吠える対象は犬によって異なります。
解決方法
人間にとっては無駄吠えでしかないものも、犬にとっては何か理由があるのではないかと考えて下さい。例えばインターホンが鳴ったら飼い主の「はーい」という声と動作を学習して「誰か来た!」と反応していたり、来客時の吠えは、知らない人がやってくる恐怖や、来客が嬉しいという感情から吠えているのかもしれません。
こんな時は、家族の協力で来客以外でインターホンを鳴らす、来客時にハウスをさせて大人しくさせる、来客した人におやつをあげてもらうといった方法があります。
インターホンや物音に反応して吠える!落ち着かせる対策方法とは?
お留守番中にずっと無駄吠えをしているという愛犬の行動も、飼い主がいない間にご近所さんを困らせてしまうお悩みです。この場合は、予定がない時に、出かける用意をしてドアから出発したふりをして、吠える前に戻る。といった犬の予想を裏切る行動をして、吠える前にタイミングよく家に戻って「出かけるふりをする作戦」も効果があります。
人間や他の犬嫌いがなおらない(人や犬が苦手)
知らない人や他の犬が苦手で、人嫌いや犬嫌いが成犬になってもなおらず、飼い主さんが悩んでいるケースも多いです。
解決方法
社会化期と呼ばれる子犬の時期に、さまざまな経験ができなかった場合や、母犬や兄弟と早く離れた場合、一度怖い思いをした場合は、人嫌いや犬嫌いを克服するのに時間がかかることが多いです。無理やり練習しようとすると、犬が大きなストレスを感じるので、人への咬傷事故や犬との喧嘩になることがあります。
まずは飼い主さんと愛犬の信頼関係を揺るぎないものにすることからはじめましょう。たくさんコミュニケーションをとり、犬をコントロールできるようになったら、お散歩で犬と接することなく通り過ぎる練習や、いつも会うワンちゃんが近くにいても大丈夫になる練習、友人に協力してもらいおやつをあげてもらうなど、少しずつ克服していきましょう。
できれば子犬の社会化期に多くの経験をさせて自信をつけてあげることが大切ですが、飼い主から離れた状態のプロのトレーナがいる犬の幼稚園などに預けるというのも、1つの方法です。
トイレのしつけが上手にできない
愛犬がトイレを失敗するとお掃除をしなければならないので、飼い主さんがイライラしてしまうこともあるでしょう。できれば失敗して欲しくないのが飼い主さんの本音です。
解決方法
トイレトレーニングは人間も根気がいるトレーニングです。成犬になってからも再トレーニングすることができるので、諦めずに取り組みましょう。
まず、今トイレを置いてある場所が、犬にとって排泄をしやすい場所なのか、静かな場所なのか確認してみてください。
トイレを失敗して大声で叱っているケースでは、トイレを隠れてするようになったり、逆に怒られていることがご褒美となっている場合もあります。
愛犬が繊細な性格だと、トイレが汚れていることを嫌がって違う場所を選んでしている場合もあります。上手にできたら笑顔でいっぱい褒めて、失敗したら無視して掃除を行うことを続けることが大切です。
噛み癖がなおらない、家具の破壊
なんでも噛んでしまう、テーブルや椅子、壁紙などの破壊行動がなおらないというお悩みは、住宅や家具を壊してしまい飼い主さんを困らせます。また、人間への噛み癖も事故につながり危険です。
解決方法
飼い主さんが部屋にいる状態で、なんでも噛んでしまう、破壊してしまうという噛み癖は、犬が暇でつまらない時間を過ごしている、ストレスを抱えているといった理由が考えられます。
苦い味や辛い味の噛み癖防止スプレーも販売されていますが、家具を噛むより人間と遊んだり、触れ合った方が楽しいと学習させることも必要です。また、噛んで良いおもちゃを与えることも破壊行動の対策となります。
人間への甘噛みをする犬に対しては「痛い!」と高く大きな声を出して、いけないことだと認識させます。そして、おやつやおもちゃを使って、飼い主さんの方に主導があるということを学習させていきましょう。よいことなのか、悪いことなのか犬にはっきり示すことが大切です。
ドッグランやドッグカフェが苦手
ドッグランで他の犬と遊んだり、ドッグカフェに行くのが苦手なワンちゃんもいます。多くが怖がりのことが多いです。
解決方法
愛犬がドッグランや他の犬が苦手な場合は、リードを離したり、無理に他の犬と接触させることはやめましょう。犬はボディランゲージと呼ばれるからだの動きで、感情を表現します。広いドッグランでフリーになった時、犬の社会を知らない場合や怖がっている様子が他の犬に伝わると、他の犬に追いかけられたり攻撃されたりする場合もあり、余計に怖い思いをして大きなトラウマになる可能性があります。リードをつけて飼い主さんの目の行き届く範囲で、他のワンちゃんに慣れるようにゆっくり練習しましょう。
ドッグカフェでは、お皿やコップを置く音や椅子を引く音、人の慌ただしい動き、他の犬が目に入るといった刺激が強く、狭い場所だと逃げ場がないので吠えてしまうかもしれません。
まずは無理せずテイクアウトをして外で愛犬とご飯を食べてみる、次はテラスや、座席の間隔の広いドッグカフェで経験を積むようにしましょう。
拾い食いをする
犬の拾い食いは非常に危険です。愛犬が口にしたものが理由で嘔吐や下痢、寄生虫やウイルスの感染症、中毒を起こして、命の危険に関わる場合もあります。愛犬に拾い食いの習慣があるならば、すぐにやめさせるべきです。
拾い食いで特に危険なもの
- 焼き鳥の串や唐揚げに刺さった楊枝をそのまま食べて食道や内臓に刺さることがあるので、BBQやお祭りの後は注意が必要です。
- 農薬や除草剤などのかかった植物(野菜、雑草、果物)などを食べることで中毒を引き起こす。
- アリやゴキブリなどの害虫駆除剤、殺鼠剤などの薬品、タバコの吸い殻を食べることで中毒を引き起こす。
- 動物の糞や死骸などを食べて感染症にかかる。
- 犬はチョコレートやネギ、キシリトールを含む食品を食べると量によっては中毒を起こすため、致死量を超えると死に至ることがある。
- 若い果実や犬が中毒を起こす植物や食べ物は食べさせないようにする。
- 道端に落ちている食べ物は悪意を持って置かれているケースもあるので、犬に食べさせないようにする。
解決方法
愛犬の拾い食いをやめさせるためには、犬にずっと緊張状態をさせておくとストレスがかかってしまい、ストレス発散のために余計に拾い食いをしたり、飼い主さんが見ていない間に拾い食いをする可能性もあるので、まずは短時間のトレーニングを継続して行いましょう。
室内での拾い食いをやめさせる方法は、犬が落ちてきたもの、落ちているものを食べて良いと学習しないようにするためにも、普段から室内では床に食べ物や誤飲の可能性のあるものは放置しない、食べさせないことが大切です。
お散歩中の拾い食いへのアプローチはさまざまな方法がありますので、いくつか簡単にご紹介します。
- 首輪とリードをつけた状態でリードウォークを学習させて、勝手なところに行かせないで、常に飼い主さんの近くにいるようにする。
- 日常から「ダメ」「ノー」「イケナイ」「出して(咥えたものを離す)」という指示語を学習させて、勝手に落ちているものを食べないように愛犬をコントロールする。
- 拾い食いをしそうになったらおもちゃを転がして、おもちゃに興味を集中させる。
- 地面に注意しながらお散歩をして、犬が食べそうな物を見つけたらおやつを犬の鼻につけながら、おやつに興味を引くように誘導し、落ちている物の横を上手に通れたら、おやつをあげて褒める動作を繰り返す。
- 室内またはお散歩中に首輪とリードをつけている状態で、「おやつ」をリードが届かない範囲に投げて、犬が取りに行こうとした時に軽くリードを張ることで首に不快を感じて、取りに行かなかったらおやつをあげて拾い食いをやめさせる方法。(※この方法はおやつを使うため、正しくトレーニングを行わないと、散歩中に落ちている、または落ちた食べ物を探す行動が強化される場合があるので、ドッグトレーナーの指示のもと行いましょう。)
その他、どうしても拾い食いをやめさせられない場合は「口輪」や「ジェントルリード」を使用する方法もありますが、正しく使用しないと、犬にストレスがかかり、問題行動を起こす可能性もあるため、必ず専門のドッグトレーナーに相談してから実践するべきです。
人への飛びつき
犬への飛びつきは、犬が好きな人には嬉しいことかもしれませんが、犬が苦手な人は恐怖を覚えることもあります。子供や高齢の方への飛びつきは大きな事故につながる可能性もあり、事故が起こった場合は飼い主の責任となります。
人への飛びつきが大きな事故やトラブルとなることも
人への飛びつき癖がある犬は、できるだけ早く対処を行いましょう。もし飼い主さんや家族だけでなく、他人への飛びつきが癖になっている場合は事故を起こす可能性があります。
犬の飛びつき癖の理由が、嬉しい表現なのか、口の周りをなめて挨拶したいのか、攻撃なのか、好奇心や狩猟本能が強いのかなど、なぜ飛びつきが起こるのかの原因を考えることも必要です。
犬が興奮状態になって人に飛びつき、飼い主がコントロールできない場合は、ドッグトレーナーに相談するべきです。
解決方法
人への飛びつきをやめさせるしつけの第一歩は、まず、犬と暮らす家族が飛びつきを助長させていないかを考えます。例えば喜んで飛んできてくれる犬を抱き上げて身体を撫でたり、顔まわりをなめさせたり、飛びついた後にごはんやおやつを与えたり、お散歩に連れて行ったりしていませんか?
ごはんやおやつをあげる前に、飼い主さんが手に持ったご褒美を高く上げて犬を興奮させていませんか?犬は飛びついたら自分にとってよいことが起こったと学習して飛びついている可能性があります。
人に飛びついたからといって犬に体罰を与えることはやめましょう。犬が飛びついてきたときの対処法はいくつかあります。
まず人に飛びついてきたら人がしゃがむ方法です。飼い主さんの顔をなめて嬉しさを表現しようとしている場合は、人がしゃがむことで飛びつく必要がなくなります。ここで抱き上げることは逆効果なのでやめましょう。
次に犬に落ち着いた声で「おすわり」といって座らせる方法です。興奮して飛びついている場合は、少し犬を座らせて落ち着かせることで飛びつかなくなります。
後ろを向いて興味のないふりや無視をするといった方法も効果的です。お留守番をしていて帰ってきたときにぴょんぴょん飛びつく場合は、飼い主さんも犬が喜んでくれることは嬉しいと思いますが、ぐっと我慢をして、後ろを向いて構わずにそのまま家の中に入るか、違う部屋にスーッと入ってしまうのです。飼い主さんに再会して高まった犬の興奮がおさまるのでこれを継続することで飛びつきがなくなっていきます。
まとめ
愛犬のケアやしつけ、問題行動のお悩みは、多くの飼い主さんが抱えています。自分で対処できない場合は、からだのことは獣医師に、しつけのことはプロのドッグトレーナーに相談することも大切です。
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