愛犬のおなかがパンパンに!犬は食べ過ぎという概念がないため、いくらでも食べてしまう傾向があります。愛犬たちが食べ過ぎないよう、カロリー計算の方法や対策方法をまとめました。
1日に必要なカロリーは?愛犬のカロリー計算方法
愛犬たちが食べているフードに「小型犬なら〇〇グラム」など書いてあります。
それは一般的に体重に問題がなく、からだを維持していく愛犬に与えていいグラム数が書かれています。
そのため、運動量が少ない愛犬や、避妊去勢の有無、もともと肥満傾向にあるコなどは対象外となります。
適正な食事の量を愛犬に与えるため、1日の必要カロリーを計算してみましょう。
【愛犬が1日に必要なエネルギー計算式】
1日当たりのエネルギー要求量(DER)=安静時エネルギー要求量(RER)×係数
1日に必要なエネルギー要求量(DER:Daily Energy Requirement)を算出するには、安静エネルギー要求量(RER:Resting Energy Requirement)を計算する必要があります。さらに「係数」を乗算して算出できます。
では、計算してみましょう!
【安静エネルギー(RER)計算方法】
70×体重kg0.75です。電卓で計算する場合
体重(kg)×体重(kg)×体重(kg)=√√×70
例 愛犬の体重2.4kg 2.4×2.4×2.4×=√√×70=134.97です。
愛犬が何もしていないときに消費するカロリーは、約135キロカロリーだとわかります。
【係数の目安表】
こちらが目安にしていただく係数の表です。
この中から愛犬に当てはまる数値を探してください。
例 愛犬の場合16歳避妊をしています。そのため、係数は1.2です。
先ほどの式に当てはめてみましょう。
【例 16歳避妊済み 2.4kgの愛犬の必要エネルギー】
1日当たりのエネルギー要求量(DER)=安静エネルギー(RER)135×係数1.2
1日当たりのエネルギー要求量(DER)は、162キロカロリーということがわかります。
計算式から算出したカロリーを、超える食事やおやつを与えてしまうと「食べ過ぎ」です。
食べ過ぎを防止するには?愛犬の食べ物について
ついやってしまいがちな「食べ過ぎの原因」についてお伝えします。
小分けにしても、回数が多ければ食べ過ぎの原因に……
愛犬のカロリーコントロールをしているとき、小分けにした少量のフードやおやつを何度も与えるケースがあります。
このとき気を付けたいことは、少量だからといって、何度も与えすぎてしまうことです。少量の食べ物でも何度も与えれば、もちろんカロリーオーバーになります。
きちんと1日に与えていいカロリーを計算して、その分量だけ小分けにし、与えるようにしましょう。
愛犬が届く場所に食べ物を置かない
外出をして帰宅したら、フードの袋に穴が……。愛犬を見るとおなかがパンパンになっていた、というお話を耳にしたことがあります。
愛犬たちの盗み食いはとても危険です。フードではなくても、人間用のおやつなどを食べてしまう場合があるからです。
どんなに隠しても、愛犬の鼻はごまかせません。
外出が多く、愛犬をひとりで留守番させる機会が多いご家庭や、食いしん坊の愛犬と暮らしている方は、愛犬の届くところに食べ物を置くことはやめましょう。
おすそわけが食べ過ぎの原因?!
飼い主さんが食事をしていると、欲しがるワンちゃんは多いですよね。そんな姿を見ていると、「少しだけならいいかな?」とつい与えたくなります。
ただ、人間の食べ物は高カロリーのものが多く、すぐにカロリーオーバーとなります。
愛犬に食事のおすそわけをするなら、最初から「愛犬におすそわけをする食事」を別に分けておきましょう。
そして、最初から調理方法を変え、味付けはしないようにしましょう。
人間が食べているものをそのまま与えると、食べ過ぎ以外にも塩分の摂取しすぎや、愛犬が食べさせてはいけないものが含まれていることもあります。
飼い主さんが食べているものを、そのまま与えることはやめましょう。
愛犬が食べ過ぎで現れる症状
愛犬が食べ過ぎたときにみられる症状をご紹介します。
嘔吐・草を食べて吐く
早食いや、食べ過ぎによる嘔吐。吐いた後に愛犬が元気なら、原因は食べ過ぎや早食いと考えてよいでしょう。
また、愛犬が草を食べるときは「胃酸過多による胸焼け」のことが多く、草を食べた後に吐き出すことがあります。
どちらも食べ過ぎが原因になることが多いため、注意が必要です。
胃腸炎
胃や腸の粘膜に炎症が起きる「胃腸炎」。食べ過ぎによる消化不良が原因で、胃腸炎を起こすケースがあります。
慢性的な胃腸炎にかかると食欲不振、下痢や嘔吐が長く続く傾向があり、急性の胃腸炎にかかるとよだれを垂らす、嘔吐を繰り返す、下痢に血が混ざるなどの症状がみられます。
また、人間の食事をおすそわけし、その中に「愛犬が食べてはいけないもの」が含まれていた場合、中毒になり胃腸炎を起こすケースもあります。
中毒は胃腸炎だけではなく、命にかかわることがあります。中毒に関しては、特に注意が必要です。
胃捻転
胃捻転は、からだの中で胃が反転してしまう病気です。
胃捻転の原因になりやすいことは「食事を摂った後、すぐに運動すること」です。
胃捻転は、食べ過ぎの傾向にあり、ドライフードを主食にしている犬に、多いといわれています。
胃捻転になるとおなかが異常にふくれ、大量のよだれを垂らし、吐き戻そうとしても吐けない。このような症状がみられます。
胃捻転になった場合、愛犬の命にかかわることがあるため、緊急を要します。
愛犬に胃捻転の症状がみられたら、すぐに動物病院へ相談してください。
最後に
これからクリスマスやお正月など、食事のおすそわけをしたくなる時期がやってきます。
愛犬の食べ過ぎは、飼い主さんがコントロールできます。
愛犬に長生きしてもらうためにも、食べ過ぎを防ぎ、カロリー計算をして、適正体重を保てるように心がけましょう。
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