愛犬同士の喧嘩が絶えない!その原因と解決方法は?

しつけ

多頭飼いをしていて、愛犬同士の喧嘩が絶えずにいつか怪我をしないか心配、どう対処すればよいかわからない、うるさくて近所迷惑になっている。という飼い主さんはいませんか?犬は本来群れの中で暮らす動物です。愛犬同士の喧嘩には原因があり、もしかしたらそのきっかけを飼い主さん自身が作ってしまっているのかもしれません。今回は多頭飼いの喧嘩についてご紹介していきます。

なぜ一緒に暮らす愛犬同士で喧嘩するの?

なぜ一緒に暮らす愛犬同士で喧嘩するの?

そもそも愛犬同士がどうして喧嘩をするのかについて考えて見ましょう。
犬の祖先は群れで暮らす習性のある狼だといわれています。

狼は群れを作って生きることで、効率よく狩りを行って食事をし、外敵から身を守るために群れ全体の安全性を高めていたのです。こういったことから、犬が群れを作って暮らすのは本能であるといえます。

さらに「群れ」は厳しい序列が形成されていて、強いリーダーから順番に獲物の柔らかい部分を食べていくなど、縦社会によって成り立っているのです。

この序列争いは遊びの延長、犬社会でのルールの教育、威嚇、そして「喧嘩」という形で、上の立場になったり、逆転されたりすることで、順位が決まっていきます。多頭飼いをしていて、強い犬が高齢犬になることで、序列が低かった犬との順位が逆転することはあり得ることです。

人間が愛犬と暮らす環境下では、リーダーは「人間」となり、犬は強いリーダーに従う、服従する本能があるため飼い主さんの指示に従います。多頭飼いのケースでは、さらに家族という群れの中で、リーダー以降の順位つけを行う過程で愛犬達が「喧嘩」をするのです。

犬同士の喧嘩が必要なときも!上下関係の順位付け

多頭飼いは、人間とそれぞれの愛犬同士が同じ空間で過ごします。多頭飼いでは、ときに愛犬同士の「喧嘩」が必要な時もあります。

例えば、この1つの群れを形成するために、群れの中の順位付けをしなければいけないケースです。多頭飼いで新たに仲間が加わった時、子犬が成犬になった時、今まで強かった犬が高齢犬になった時に喧嘩が起こることがあります。

犬同士が喧嘩をすることで、上下関係の順位付けが行われて、ギクシャクしていた群れの関係性が穏やかに収まるのです。

犬同士の喧嘩が必要なときも!上下関係の順位付け

喧嘩になる前にできる予防方法としては、多頭飼いをするために、まず人間がしっかりとリーダーになるように、どの愛犬もコントロールできる状態でなければ、愛犬がそれぞれストレスを抱えて問題行動を起こすなど、収拾がつかなくなる可能性があるため、人間と愛犬1頭ずつとの関係性をしっかり作っておきましょう。

先輩犬・後輩犬への嫉妬

愛犬同士の喧嘩は、嫉妬から生まれることもあります。いくつか例を挙げてみましょう。

愛犬達と生活している中で、家に飼い主さんが戻ってきた時に、最初に触れたり声をかけたりする犬に心辺りはありますか?多頭への食事はどんな風にあげていますか?可愛いからといって、一番最後に群れに加わった子犬を最初に触ったり、最初に食事を与えていませんか?

こういった理由から先輩犬(先住犬)のストレスが高まり嫉妬から喧嘩をすることや、子犬や後輩犬が自分の方が優位であると考え喧嘩になることがあるのです。

さらにいつも喧嘩をしているケースでは、途中でどちらかの肩入れをすることで、より嫉妬が生まれてしまうので注意しましょう。

関連記事:【経験談】多頭飼いをするうえで気をつけること

発情期を迎えたメスを巡る喧嘩・母犬の喧嘩

避妊去勢をしていない犬達の多頭飼いをしていて、発情期を迎えたメスがいる場合では、群れの中で争いが起こることがあります。特に去勢をしていないオス同士は、メスを巡って喧嘩となります。

また、妊娠中犬や子育て中の母性の強い母犬は非常に気が立っていて、ストレスを感じやすいので、子供を守ろうとして攻撃性をみせることがあります。

遊んでいるだけ?見極めが大切!

多頭飼いの場合、日常的に犬同士が噛み合う遊びをすることは普通の出来事です。その中で、愛犬達がじゃれて遊んでいるか、喧嘩をしているのかの見極めが大切になります。

噛み方・鳴き方・しっぽの向き・耳の向きなどをよく見ましょう

犬はまるでレスリングをしているかのように「ガウガウ」と歯をむき出しながら、甘噛みすることや、「ウーウー」と声を出しながらおもちゃを引っ張り合うことはよくあります。これは犬達にとって遊びでもあります。しかし、犬同士の遊びと思っていても、見極めが必要なケースもあります。

  • 首周りを上から覆いかぶさって噛んだまま首を振るうような興奮の高い噛み方、甘噛みでなく噛まれた犬が「キャン!」と大きな悲鳴をあげても攻撃し続ける
  • 愛犬のどちらかの尻尾が股の間に入って震えて逃げる、または部屋の隅に隠れる
  • 攻撃している犬が耳を前に向けて歯をむき出している、攻撃された犬の耳は顔に沿うようにくっついていて、緊張した顔で低い姿勢をしている。この状態でも喧嘩が収まらない
  • お互い頭頂部から尻尾の付け根までの背中の毛が逆立って、激しく吠えて興奮している

犬はからだのボディーランゲージを使って犬同士のコミュニケーションを行っています。こういったケースでは、危険な喧嘩につながる可能性があるので、愛犬達をよく観察しておき、必要によっては仲裁に入ることも必要です。

止めなくてもよい犬の喧嘩もある?

止めなくてもよい犬の喧嘩もある?

多頭飼いを始めて間もない場合、愛犬同士が「ガウガウ」とレスリングをして噛み合うのを見ると、とめなければと慌ててしまうかもしれません。しかし、止めなくても良い喧嘩もあるのです。

止めなくてもよい犬の喧嘩

とめなくても良い喧嘩の例をあげてみると、遊んでじゃれている、先住犬が子犬に犬同士のコミュニケーションや犬社会のルールを教育している、甘噛みとエスカレートした噛みを教えている、序列争いの喧嘩、これらは、私達人間では教えられないルールや、犬同士の序列の問題です。

こういったケースでは、人間が干渉することで、より関係が悪くなったり、愛犬達が精神的なストレスを抱える原因となります。犬同士で解決した方が、穏やかに過ごせるケースもあるのです。

止めなくてはいけない犬の喧嘩

愛犬同士が血だらけになって喧嘩をしている、どちらかが怪我を負っている、ぐったりしている、噛んで首を振るって離さない、こういった喧嘩はとめなくてはいけない喧嘩です。

犬の喧嘩をやめさせる方法

喧嘩をやめさせる場合、愛犬達は飼い主さんが近づいても判断出来ないほど興奮していて、手を出すと噛まれる場合があるので、気をつけてください。

タイミングや犬の離し方、また喧嘩をさせない方法

愛犬同士の緊迫した喧嘩をやめさせる時は、飼い主さんも怪我をしないように注意しましょう。

簡単な方法は、バケツや風呂桶に入れた水やホースの水を愛犬達に勢いよくかけることと、お菓子の缶の中に小石や10円玉を入れて上から思い切り床に叩きつける方法です。

首輪やリードをしていない場合は、犬が「ハッ」とした瞬間に首輪とリードをつけて、別の部屋に連れて行くか、クールダウンさせます。ほうきのような棒で仲裁するのも1つの方法です。

何も持っていない場合は、飼い主さんの履いている靴やスリッパで地面を思い切り叩くか、リードをしならせて地面にムチを打って大きな音を出してびっくりさせる方法もあります。

どこのワンちゃんかわからない犬との喧嘩は、突然始まるものですが、多頭飼いの喧嘩は、飼い主さんがどの犬とどの犬の相性が悪いのかを把握できるので、不要な喧嘩をさせないように犬達のしつけをしっかり行い、コントロールしておけるようにしましょう。

その他にも、犬の縄張りを観察しておく、食事を近くで与えない、仲の悪い犬同士の目が合って喧嘩が始まる前に、指示を出して意識を別のところへ持っていく、発情期がきている場合は群れの中で喧嘩が起きないようにより注意するといった対応や、環境作りが必要になります。

それでもどうしても喧嘩をする場合は、接触させないという手段を取ることも考えるべきでしょう。こういった事態を防ぐためにも、新しく犬を迎えて多頭暮らしをする場合は、相性を確認するお試し期間を作ることをおすすめします。

関連記事:保護犬をお家に迎えたい方へ里親として迎える方法と注意点

犬同士の相性は犬種や性別によることも・・・

犬同士の相性は犬種や性別によることも・・・

人間同士でも相性があるように、犬にもそれぞれ相性があります。相性に加えて、性別によって喧嘩が多くなるといわれていますが、全てが当てはまるわけではありません。

同じ犬種の方が相性は良い?

同じ犬種の多頭飼いは問題なく過ごせるケースが多いです。

また、母犬が出産をして生まれた子犬が大きくなり一緒に暮らしているケースでは、犬社会のルールを母犬が教育することで、群れを形成しやすく、仲良く過ごせるケースが多いです。

テリア系の犬種は多頭飼いが難しいといわれることがありますが、犬のしつけ方やコントロール次第で問題なく暮らすことができます。

未去勢のオス犬同士は喧嘩しやすい?

去勢していないオス犬同士は、縄張り意識や支配性が非常に強く、自分の愛犬同士の喧嘩だけでなく、他の犬との喧嘩、発情期を迎えたメスがいると興奮する、室内のマーキングの問題なども出てくる可能性があります。

多頭飼いで、未去勢のオス同士が暮らしていて、喧嘩で悩まれている場合は、繁殖をさせるつもりがないのであれば、去勢手術を行うことをおすすめします。

関連記事:犬の去勢手術はした方がいいの?去勢のメリット・デメリット、費用や効果

まとめ

犬の喧嘩は支配性が強いタイプや、子犬の頃に社会化ができていない犬に多い

犬の喧嘩は支配性が強いタイプや、子犬の頃に社会化ができていない犬に多いです。子犬時代に犬の社会化を十分に出来なかったとしても、全ての犬が危険な喧嘩をするわけではありません。飼い主さんとの信頼関係やしつけ次第で、喧嘩は起きにくくなります。

一緒に暮らす全ての愛犬との信頼関係やコミュニケーションが取れないのであれば、犬のためにも多頭飼いはしない方が良いでしょう。

ある日、もし喧嘩が起きて愛犬達の順番が入れ替わったなと感じたら、飼い主さんが納得いかなかったとしても、それは犬達が選んだことなので尊重して過ごすことも多頭飼いでは必要なことです。

関連記事:外出しようとすると犬が吠えるのはどうして?理由とおすすめ対処法

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ドッグパッド編集部

ドッグパッド編集部

ワンちゃんとの楽しい生活に役立つ独自の情報を取材し、配信するエディター集団です。皆さまが普段「あるといいな」と感じていること「こんな工夫は楽しいよ」と知らせたいこと、疑問、質問、困りごとなど、どしどしお寄せください。

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