【ディスクドッグへの道vol.13】自チームの本来のプレーに集中する

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前回まで3回にわたり、チーム力をプロデュースして競技会を戦う術を考えてきました。
今回は、前回のプロデュース力を駆使した戦術をとることと相反するように感じるかもしれませんが、他チームを気にし過ぎず、自分のチーム本来のプレーをすることが好結果を招くという考え方をお話しします。
それは、ディスクドッグという競技は、他チームと競い合う競技ですが、その段階に至るためには、まず自分たちのベストを尽くした結果有りきということに繋がるからです。俗に言う“上がって何ぼ”という言葉がこれを表しています。自分がまずまずの結果を出してこそ、他のチームと競えるという解釈でしょうか。

自分たちの目標ポイントを設定する

ここは、前回でお話しした戦況を分析しプロデュースすることと関連付くのですが、自分たちが出場するクラスの戦況をある程度予測した上で、自分たちが目指すポイントを明確にします。その上で、そのポイント獲得のために組み立てた自分の戦術に集中することを心掛けましょう。

この場合、他チームの動きをあれこれ考えながら戦術を変更していくことよりも、その日のコンディションの中で、いかに自分たちのベストプレーに徹するかということに意識を集中します。他チームとポイントを競うことを意識する前に、自分たちがその競い合えると設定したポイントに到達することが先ず求められるからです。

戦うのは自分たち自身いう意識を持って臨みましょう。その為には、自分たちが取れる戦術を練習時からいくつかのパターンを準備することが必要です。

自らのスタンダードプログラムを知っておこう

「普段の練習時は出来ていてもいざ、競技会となるとその力を発揮できない。」といった愚痴をよく耳にします。これは、競技会の雰囲気も普段の練習時とは格段に違うでしょうし、人・犬の緊張感からそのような自体を招くことも多いようです。特に、愛犬たちは私達投げ手の精神状態をよく感じ取り、こちらのテンションの高さに興奮したり逆に萎縮したりもすることがあります。

しかし、競技会で目指すのは、普段の自分と愛犬がプレーした時にどの程度のパフォーマンスが標準的に出来るのか、これが当面の目標になってきます。

ここで大事なのは、変に力むことなく、愛犬とディスクドッグ遊びを楽しむ感覚でプレーした時に獲得できるポイントをスタンダードに据えることです。普段通りにプレーした時に、何ポイントの得点を何投積み重ねることが出来るのかを基本にしましょう。

現在の一般的な上位チームでは、6ポイントを5本、1ラウンド合計で30ポイントを挙げることが出来れば、まずまずのチームだということができるでしょう。

今、NDAの上級クラスを見ると、30ポイントというのは決して難しいポイントではありません。それでも、このポイントを予選の2ラウンドと決勝でコンスタントに決めきれることが出来れば、合計90ポイント。これだけの合計得点をコンスタントに出し続けるチームはまれです。実戦できれば年間ランキングでもかなりの上位に食い込めるはずです。

この30ポイントというのは、あくまでも一つの目標値なので、自分たちのスタンダードは、上下することは全く問題ありません。無理することなく、いつもの自分たちなら平均的に取れるポイントを心の中で設定すれば良いのです。

別パターンのプログラムも準備してておこう

ディスクドッグは自然を相手にする競技でもあります。これは、ゴルフに似た要素を持つスポーツだとも言えるでしょう。私は、ゴルフは大の苦手ですが、自分のスコアをまとめてこそ、他のプレーヤーとの順位を競えるようになるのは全く同じだと感じます。

風・雨・光などなど、ディスクドッグに与える気象条件は様々です。よって、普段から色々な気象条件の中でレンス付しておくことがチーム力を挙げることに繋がります。そして、その練習で得られた経験値とスキルを活かし、スタンダードとは違うパターンでゲームの戦術を準備しておくと競技会で対応力に幅が出来ることでしょう。

特に影響があるのは風だと言い切って良いと思いますが、風向きによって自分のディスクがどの程度の飛距離と飛行の軌道を取るのかを理解しておきます。こういった難しい状況であれば、当日の投げ練習の時に感触を確かめておくことも必要になります。

横風が強い時は、無理に飛距離を出そうとするとコースアウトが出やすいとか、縦風の時には、向かいでは飛距離が出にくい、追い風では飛距離は出るがホバリングしづらくたたき落とされたり、犬が追いつけなかったりと難しい状況に陥ることが多くなります。もちろん、コートに対して縦横の風のバランスは複合的に変化しますので、更に細かな対応が必要になります。

リカバリーの限度を知っておく

周りを気にせず、自分たちのプレーに集中するとお話ししてきましたが、それでも、常に完璧に全投キャッチ出来るわけではありません。

ゲームの途中で失敗してしまった時にありがちなのは、失点を挽回しようと直ぐに大きなポイントを取れるロングスローを試みて失敗するパターンです。その時の気象条件にもよりますが、普段の練習でちょっと頑張って投げられる(キャッチが成功する)スローイングを越えるパフォーマンスを期待するのは無理があります。自分のスキルを過信せず、ポイントを確実に取れるスローイングに徹する方が結果的にポイントがまとまり、順位も上向く傾向にあります。

先ずは、堅実なプレーを重ね、ミスを減らすことと、失敗した後も無理にリカバリーしようとするのは控えた方が得策でしょう。

しかし、私個人的には、ミスを取り返そうと果敢に攻めるチームのことは、大好きですが・・・。

最後に

ディスクドッグを楽しむ上で、競技会に参加すると他チームと競い合う楽しみ、スポーツ性が強くなり、より上達したいという気持ちが強くなってきます。その為に、自分たちがどのようなプレーをすればより多くのポイントが取れるか、他チームと競うためのパフォーマンスはどのレベルまで引き上げなければならないのかなど、考えることも練習する内容も多岐に渡ってきます。それだけに、難しい課題も出てくるものです。

ただ、今回は周りを気にするよりも自分たち本来のプレーを堅実にすることが大切だという話しをさせていただきました。

あなたも是非、愛犬と共にディスクドッグを楽しむ気持ちで、堅実なキャッチを重ねることを目指してみてください。好結果が必ず付いてきますよ。

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大塚 裕

大塚 裕

1961年東京生まれ。現NDAコミッショナー。愛犬JACKEYと2001年にディスクドッグ世界大会に日本代表第1号として参戦。その後も2度日本代表となる。ディスクドッグの楽しさを広く知ってもらうことに喜びを感じている。

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