公開日
2018/12/28

犬の毛玉はなぜできるの?トリマー直伝!毛玉の取り方と予防法

犬の毛に関する悩みは換毛期の大量の抜け毛だけではありません。
いつもふわふわ、ふかふかで頰擦りすると気持ちいい愛犬も手入れを怠るとすぐに毛玉の餌食となってしまいます。
寒くなってくると毛も密度が高くなり、ロングカットになさる飼い主さんも多いと思います。
今回は毛玉予防策と、なってしまった毛玉の除去方法についてトリマーがお教えします。

犬の毛玉って何?

毛玉とは汚れやブラッシング不足、シャンプー後の乾燥がしっかりなされていないために毛同士が絡まり合ってできるその名の通り、毛の玉です。
私たち人間の髪の毛も朝起きると、絡まってブラシがひっかかり、くしが通りにくい事があると思います。ショートヘアーの人は比較的楽だとは思いますが、ロングヘアーとなると、大変な思いを経験した方もいらっしゃると思います。全身が毛で覆われている犬にも同様のことが起こり得ます。毛が長い子は少し動いただけで、毛が絡まってしまうこともあります。それをとかさずに放置してしまうと、あの厄介な毛玉になってしまうのです。毛が絡まってしまう原理は人間も犬も同じと言えます。私たち人間も毎日髪をとかさないと、毛玉ができてしまいます。私たちは毎日自分で髪の毛のお手入れが出来ます。しかし犬は自分でお手入れすることができません。飼い主さんが責任を持って、毛のお手入れを怠らないようにすることが大切です。
毛玉は引き吊れるなどし、痛みも伴うことが多々あります。毛玉に汚れもたまりやすく、皮膚病も引き起こすこともあるのでしっかり下記を読んで予防しましょう!

毛玉ができやすい犬って?

毛玉のできやすい犬は一言でいうと毛を長くしている犬たちです。長毛で毛質の柔らかい犬ほど毛玉ができやすいと言えます。
よく知られている犬種で言うと、ポメラニアン、シーズー、プードル、マルチーズ、ヨークシャテリア、コッカースパニエル、ゴールデンレトリバーなどです。
毛が抜けにくいからと言って、毛玉ができないわけではないので、プードルやシュナウザーも毛玉はできやすい犬種と言えます。
ドックショーに出ている、これらの犬種をみたことがあるでしょうか?
あの犬たちはとても長く、美しい毛をもっています。飼い主さんが毎日ブラッシングを怠らず、その後にラッピングペーパーという紙で毛を包み丁重にケアしている賜物だからです。毛玉ができやすい長毛犬種もトリマーさん任せにせず、毎日のお手入れをしてあげることで毛玉を防ぐことができます。

抜け毛と毛玉って関係あるの?

犬には換毛期と呼ばれるものがあります。換毛期とは、主に季節の変わり目に多量に毛が抜けることです。体温調整のために毛が抜けるこの時期は、特に毛玉ができやすくなります。冬は寒さ対策のために、密集したふわふわなアンダーコートが生え、暖かくなるとそのアンダーコートが抜け夏の暑さに備えます。その際に抜け落ちた毛が他の毛に絡まり毛玉になっていきます。これが原因で、一般的に換毛期が大変だと言われる、柴犬や秋田犬などの短毛種でも毛玉になってしまうことがあります。

換毛期のゴールデンレトリバー

毛玉ができやすい場所

放っておくと、次第に毛玉が目に止まるほど大きくなっていくことも多くあります。プードルなどのくるくるとした毛質の子は、抜け毛が少ないにもかかわらずたくさんの毛玉ができる犬種です。
毛玉のできやすい場所は、犬が動いたときによく擦れる耳の根元と裏側、脇、脚の内側、お腹、お尻のまわりです。残念ながらほぼ全体にできやすい、ということですね。
毎日のブラッシングは毛玉の予防だけでなく、冬には保温効果を高め、夏には通気性をよくします。飼い主とは言え、毎日ブラッシングすることは大変なので、トリマーさんに相談し毛玉のできやすい場所は短くカットしてもらうなどが良い予防策と言えます。

毛玉の原因は犬の癖にも関係している

毛玉にはくしでとかせばすぐに解けるものと、ガチガチに固まってハサミを入れないと解けないほどになってしまうものがあります。いったん硬くなってしまうと、プロが毛玉を解こうとしても犬に痛みを感じさせるなど、好ましくない状況を引き起こしてしまいます。このような固い毛玉ができてしまう犬の多くに、体を舐める癖があります。
毛玉に水分は大敵です。絡まっている毛に水分が含まれることにより、より一層解けにくくなり、より一層硬くなっていってしまうからです。飼い主さんが注意深く、愛犬を見てあげることもブラッシングとともに大切だと言えます。

毛玉ができてしまった時の正しい取り方

毛玉ができてしまった時、根元からハサミで切ったりしていませんか?
これは、一番犬に痛みを感じさせずに済む方法かもしれません。しかし、その後の外観は好ましいものとは言えません。ハサミで切った痕が残り、その箇所だけ禿げたような見た目になってしまう事もあります。
こういう場合、トリマーはハサミとスリッカーブラシを使って毛玉をほぐしていきます。フェルト状になってしまった毛玉にはすきバサミを数回入れた後に、スリッカーブラシで梳かしていきます。そうすることによって、毛玉の跡も目立たず、犬に痛みを感じさせることも少なく済みます。
ペットショップで毛玉料金が設定されているように、プロトリマーにとっても毛玉取りは楽な作業ではありません。

毛玉予防の正しいブラッシングの仕方とは?

毛玉予防の正しいブラッシングは、根元からしっかりととかしていくことです。
まずとかす際は、毛玉がないかどうかを満遍なく手で確認していきます。毛玉を見つけた際は毛玉を解していきます。
次に、スリッカーブラシでとかしていきます。表面だけをとかしても意味がありませんので、毛をかき分けて根元からスリッカーブラシでとかしていきます。とかす順番は頭、首、胴体、足先と体のラインに沿ってとかしていくことで、とかし忘れもなくなります。
スリッカーブラシでとかし終わったら、次はコームでとかし忘れがないかどうかを確認していきます。コームでとかす際の注意点は、引っかかりを見つけたらすぐにスリッカーブラシに切り替えることです。コームで無理に引っ張ってしまうと、犬が痛みを感じます。コームはあくまでも引っかかりがないかを確認するもので、毛を解すのはスリッカーブラシということを忘れないでください。

まとめ

「毛の汚れ」「シャンプー後などの乾燥不足」「毛が擦れる」「ブラッシング不足」
この4大要因が毛玉へと愛犬を導いてしまいます。毛玉が皮膚炎を引き起こす直接要因となることもおわかりいただけたでしょうか。
毛玉は正しいブラッシングによって、簡単に対処することができます。毎日のブラッシングは大変だと思います。大切な愛犬ですから少しずつ理解を深め、トリマーさんの力も借りつつ、解決していってあげてくださいね。ご自分でシャンプーをする際にしっかりとブラッシングをして毛玉になりかけている毛を解いてあげた上で、洗ってあげてください。せっかくきれいにするためのシャンプーが、その毛玉の中にシャンプー液を残し、シャンプー液から皮膚病になるなど悪循環の引き金になりかねません。新たな痒みはさらなる毛玉をつくります。

ブラッシングは犬にとって大切なお手入れであり、コミュニケーションの一環です。皮膚病予防にもつながります。愛犬の健康を守るためにも毎日のブラッシングをし、その上で月に一度はトリマーさんの手を借りるなど毛玉をつくらないように心がけましょう!