犬の要求吠えをやめさせる方法は?ご飯やおもちゃ、構ってなどの対処法を紹介

しつけ

お散歩やご飯、おやつの前に犬が吠えてしまうことはありませんか?犬が飼い主に何かをして欲しいとき、吠えて要求をするのが「犬の要求吠え」です。そもそも犬はどうして要求吠えをするのでしょうか?犬の要求吠えの原因やいろいろな場面での要求吠えの対処法、トレーニングをするときの注意点などを紹介します。

犬が要求吠えする原因は?

犬が要求吠えする原因は?

なぜ犬は要求吠えをするのでしょうか。
実は要求吠えの原因は飼い主さんが作っていることが多いです。

通常の吠えは犬が何かの刺激をキャッチしたときに多くみられます。
要求吠えは通常の吠えとは違って、過去に吠えることで犬の要求がかなった経験があるため、吠えて要求をかなえようとする吠えです。
吠えることによる成功体験は愛犬を家族に迎えたときから始まっていて、吠えて要求がかなった成功体験が多ければ多いほど要求吠えが強くなる傾向にあります。

実は飼い主さんが知らぬ間に愛犬の要求をかなえてしまっていることが多く、気づいたら要求吠えをするようになっているというしつけのお悩み相談がとても多いのが現実です。

しかし、犬の要求吠えはトレーニングや対処方法を知っていれば吠えることを軽減させることができます。吠えるからと諦めずに愛犬の要求吠えを軽減するトレーニングに挑戦してみましょう。

犬の要求吠えをやめさせる対処法

犬の要求吠えをやめさせる対処法

犬の要求吠えにはいろいろな種類があります。多く見られる要求吠えの対処法をご紹介します。

①ご飯やおやつをねだる要求吠えをやめさせる方法

ご飯やおやつが大好きな犬はとても多く、食べ物を前にして「早く」「ちょうだい」という要求吠えが出やすくなります。
この要求吠えが定着した原因のひとつとして、愛犬がご飯やおやつの要求吠えをしたときに、飼い主さんが「はいはい、ご飯ね」などと犬に構ってしまい食べ物を与えたことが考えられます。知らぬ間に吠えると食べることができるという犬の要求をかなえ、成功体験となっていたのです。

犬がご飯やおやつをねだる要求吠えをやめさせる方法は、食事の時間が近くなると要求吠えをするのであれば、犬に予測されないように食事の時間をずらしてみましょう
食事の時間が変わっても犬が吠えずに食事を食べ始めたらたくさん褒めてあげてください。

ご飯やおやつが欲しくて犬が要求吠えをした場合は「静かに」などの指示を出し、吠えなくなったら褒めて食事をあげてください。

もし吠え続ける場合は静かになるまで一度ご飯やおやつは隠してしまいましょう。吠えやんだら褒め、隠していたご飯やおやつを与えてください。

②おもちゃに対する要求吠えをやめさせる方法

犬のおもちゃに対する吠えは、おもちゃで遊んでほしい要求吠えと、おもちゃを自分のものにしたい所有欲の吠えが多くみられます。

おもちゃに対する要求吠えをやめさせる方法は、おもちゃを見て犬が吠えだしたら、「おすわり」や「ふせ」などの指示を出して落ち着かせるようにします。

犬は4つ足を踏ん張って立っている姿勢がいちばん吠えやすいため、おすわりやふせをさせることで吠えにくい体勢に犬を誘導します。

そこで「静かに」など吠えてはいけない指示を出します。犬が座って吠えやんだら褒めておもちゃ遊びを始めましょう。

また、愛犬の思い通りにならないように、普段からおもちゃは飼い主さんが必ず管理をしてください。

部屋に犬のおもちゃが散乱している状態だと、犬の要求吠えや所有欲を高める原因になります。犬のおもちゃボックスなどを作り、遊ぶときだけおもちゃを出すようにするとよいでしょう。

③構って!遊んで!撫でて!という要求吠えをやめさせる方法

犬が構ってほしくて、飼い主さんにすり寄ってきたりクンクン鳴いたりする姿はとても可愛いので、飼い主さんはどうしても触ったり声をかけるなどして構いたくなってしまうものです。
しかし、このパターンを続けていると、「クンクン」と鼻を鳴らしていたのが「フォフォ」になり、最後には「ワンワン!」になってしまいます。

愛犬が構ってほしくて要求吠えをした場合は「静かに」などの指示を出し吠えやんだら褒め、おもいっきり構ってあげましょう。

もし「静かに」などの指示を出しても吠えやまない場合は、一度部屋から出るなどをして犬から姿が見えない場所へ行きましょう。犬が吠えやんだら褒めて犬のそばに行き構ってください。

要求吠えをしたら大好きな飼い主さんがいなくなってしまい、吠えなければ飼い主さんに構ってもらえると犬に理解させることが大切です。

④お散歩の要求吠えをやめさせる方法

お散歩の要求吠えはお散歩に行く時間がきたり、お散歩グッズなどを用意するなど飼い主さんがお散歩の支度をするタイミングなどが原因で多く起こります。
お散歩の時間が近くなると要求吠えをする場合は、愛犬にお散歩の時間を予測されないようにお散歩の時間を変えてみてください。

お散歩グッズを持ったりうんち袋やお水を用意するなど、飼い主さんがお散歩の支度をしたりするタイミングで愛犬が要求吠えをしたら、お散歩にすぐ行かず一度部屋に戻るなどをして「静かに」と指示を出し愛犬が吠えやむのを待ちましょう。

吠えやんだら褒めてお散歩に行きます。吠えたらお散歩に行けないと愛犬に理解してもらいましょう。

関連記事:犬は最高のパーソナルトレーナー!犬の散歩は人の健康寿命を延ばす

犬の要求吠えをやめさせるときの注意点

犬の要求吠えをやめさせるときの注意点

犬の要求吠えをやめさせるときに注意したいポイントを確認していきましょう。

犬に指示を出す声の大きさに注意

犬が要求吠えをしたとき、「うるさい!」「静かに!」などと大きな声を出していませんか?

何度も大きな声でそれを繰り返し愛犬に言うことは、飼い主さんが愛犬と一緒に吠え合戦をしていると犬が思うため犬の吠えを助長させる原因になります。

指示を出すときは落ち着いた普通の声、もしくは犬の集中を取るために少し小さめの声で出すことが理想です。

要求が叶わない“罰”と指示に従った“褒め”はセットで使うようにする

愛犬に「静かに」の指示を出しても吠えやまないときは、ご飯やおやつを隠したり、飼い主さんが部屋からいなくなるなどし、犬に罰を与えます。

罰というと一般的に「たたく」などを連想させますが、体罰は犬に不安を与え、別の問題が発生する恐れがあるため、体罰ではなく「犬の要求がかなわない」罰を使いましょう。

そして罰を使った後、犬が静かになったら必ず「よし」「いいこ」などの褒め言葉を使って褒めてあげてください。

このとき、罰を与えただけで犬を放置してしまうと、犬は正しい行動を理解できないままとなってしまいます。

愛犬が正しい行動をしたら必ず褒めることがとても大切です。犬に罰を与えて2~3秒でも吠えやんだら必ず褒めると覚えておきましょう。
これを続けているうちに犬は吠えると要求がかなわないと学習をしていきます。

犬に「静かに」=「吠えてはいけない」を理解させる

おもちゃに対する要求吠えでもお話ししたように、犬は4つ足で立っている状態が犬にとっていちばん吠えやすい姿勢です。

要求吠えが強い場合「静かに」と指示を出しても興奮をして吠えやまない可能性が高いため、お座りなどの吠えにくい姿勢に犬を誘導してから「静かに」と指示を出してみてください。

最初は指示を出して2~3秒でも吠えやんだらすぐに褒めます。焦らず徐々に愛犬が要求吠えを我慢する時間を延ばすようにしましょう。

「静かに」という指示は、吠えてはいけない、要求吠えをしなければいいことがあると理解してもらうことが大切です。

「今日はいいや」「今日だけね」は最大の敵

トレーニングで大切なことは一貫性を持つことです。
「昨日はダメだったけど今日は許してあげよう」という飼い主さんの行動は犬が混乱をまねき、犬は何が正しい行動なのか分からなくなってしまいます。
愛犬の要求吠えを本気でやめさせたいのであれば、家族全員が一貫性を持って要求吠えをさせないように心がけることが大切です。

子犬や老犬(シニア犬)の要求吠えをやめさせるには?

子犬や老犬(シニア犬)の要求吠えをやめさせるには?

子犬や老犬の要求吠えは成犬の要求吠えと違い配慮が必要な場合があります。子犬と老犬の要求吠えで注意したいことをご紹介します。

子犬の要求吠えを失くすには

お家にやってきたばかりの子犬は人間との生活のルールを全く知らない状態で家族に迎えられます。
かわいい子犬がクンクン鳴いておやつを欲しがったり、構ってほしがったりするとついつい要求通りにしたくなってしまうものですよね。ですが、すでにそこから要求吠えのしつけは始まっています。

子犬の要求吠えをなくすためには、クンクン鳴いているときではなく、子犬が静かにしているときに声をかけたり構ってあげるようにしましょう。

関連記事:子犬のうちに差が出るしつけ【臆病な性格対処法】

老犬(シニア犬)の要求吠えを失くすには

老犬(シニア犬)の要求吠えへの対処は、特に注意が必要です。

犬が吠えて飼い主さんを呼ぶ行動は、痛みや体調の悪さ、排泄をしたことを知らせていることもあります。

またアルツハイマー病や認知障害などの病気である可能性もあるため、愛犬の吠えが要求吠えなのかどうかをよく観察をして判断する必要があります。もし病気の可能性が考えられるなら、かかりつけの獣医師に相談をしてみましょう。

関連記事:もうすぐうちの愛犬もシニア犬。知っておきたいシニア犬と一緒に暮らすための9つのポイント

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最後に

要求吠えは犬が学習をして覚えた問題行動のひとつ

犬は学習をする生き物です。要求吠えは犬が学習をして覚えた問題行動のひとつといえます。

犬が要求吠えをして成功体験を重ね、それをきっかけに要求吠えが起こる可能性が高いため、要求吠えが習慣となった犬に吠えることをやめさせるには飼い主さんの努力が必要です。

愛犬が静かにしていたらたくさん褒めて構ってあげてください。「要求吠えをしたらいいことが起きない」と犬に理解してもらうことが要求吠えをやめさせる大切なポイントです。

愛犬の様子を観察しながら要求吠え日記やメモなどをつけて、どのようなタイミングやシチュエーション、誰に多く要求吠えをするかなどの統計を取ってみるのも問題行動の早期改善の手掛かりとなるためおすすめです。

関連記事:愛犬のしつけお悩みベスト8

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只野 アキ

只野 アキ

殺処分をなくしたい!という思いでドッグトレーナーになりました。犬が大好きで暇さえあれば犬のことを考えています。CPDT-KAを取得。アニマルコミュニケーション、Tタッチなどを学んできました。ワンちゃんとの生活が豊かになる楽しい情報をお届けします。

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